雪、先輩、聡美、太一の四人、またの名「味趣連金」は、夜の街へと繰り出した。
ビールとチキンで有名な店を聡美が知っていて、そこへ向かっているところだ。

先輩は太一と、雪は聡美と会話しながら彼らは道を歩いた。
聡美と雪は新学期の受講申請のことなどを話したりしていた。もう開講がすぐそこに迫っているのだ。

じきに聡美と太一が腕を振って歩き出した。今度は雪と先輩が会話する。
「まずは皆でご飯食べて、その後弟くんが来たら一緒に徹夜で荷造りすればいい」

ありがとうございます、と雪はお礼を言った後、呆れたような体でグチを言った。
「てか蓮は一体どこをほっつき歩いて‥」

雪がそこまで言った時、「ええ~?!」と聞き覚えのある声がした。
「えええええ~?!」

そしてもう一つ、聞き慣れた声が上がった。
「ええええええ?!」

目の前に居たのはこちらを指さして声を上げている弟と、そしてなんと河村亮であった。
「姉ちゃん!!」 「えっ?!えええ?!」

目を丸くしている雪を見て、亮がニヤニヤと笑って口を開く。
「よぉ!こんなとこで会うとはなぁ~?ダメージヘアー&淳!!」

突然の二人との出会いに雪は事態が飲み込めないが、
聡美が「誰よ誰よ」としきりに聞いてくる。

ケラケラ笑う蓮の前で、雪は二人を聡美と太一に紹介した。先輩の目が気になるところである‥。
「弟と‥。あとこの人は説明しづらいので省略で‥
」

雪は気を取り直して、弟の方を向いて口を開いた。怒り心頭の雪に対して、蓮はあっけらかんとしている。
「てかあんた!ケータイ通じなかったんだけど!今日荷造りするって言ったよね?!」」
「あ〜充電切れてたんだよね。荷造り明日じゃなかったっけ?」

「違うって!今日だよ!」そう雪が言うと、ソーリー
と軽い調子で蓮は言った。
続けて雪は、摩訶不思議な今の状況を蓮に尋ねる。なぜ河村氏と一緒にいるのかと。

すると蓮と亮は互いに指を差し合って、同じような顔をして笑った。
「いや~駅の辺りで偶然会ってさ!よく見るとこの間姉ちゃんに頭引っ張られてたお兄さんなわけよ!
それで髪の毛のお詫びも兼ねてお誘いしてさ。なんかもう意気投合!」
「いや~ダメージヘアー、なかなか立派な弟じゃねーか!やっぱ弟ってのは尊敬に値する存在だな!
姉ちゃんの借りを代わりに返すなんてよぉ!」

うははは、うへへへ、と二人は顔を見合わせてしまりのない顔で笑う。
この二人、なんだか波長が合うようだ。

そして蓮は聡美と太一の方へ向き直ると、親しげな口調で言った。
「姉ちゃんのお友達も一緒に、これから二次会行きません?!これも何かの縁ってことで!」

蓮の提案に、聡美も太一も両手を上げて賛成した。
雪は展開する事態の早さに呆然とする。元々先輩と二人で夕食を取るつもりが、気がつけば思いもよらないメンバーに‥。

淳もまた、亮が合流したことに幾らかの不満を抱いていた。黙り込んだ淳を見て、亮が皮肉を含めた声を掛ける。
「さ、行きましょ?お坊っちゃま」

意地悪く笑う亮と淳の間に、緊迫した空気が流れた。
淳は亮に、厳しい視線を投げる。

そんな二人の間に置かれ、雪は笑うしかなかった。
冷や汗がダラダラと流れる‥。

淳は皆の様子を窺うと、既に聡美と太一、そして蓮は店に向かって和気あいあいと歩き出していた‥。

淳は仕方がないと言わんばかりに一つ溜息を吐くと、
「行こ」と雪に小さく声を掛けた。

なんだかすいません‥と雪は悪くもないのに謝り、その後に続く。
亮は相変わらず子供っぽいことを言って淳をからかうが、淳は「うるさい」と言って取り合わない。

それを見て、雪は幾分ホッとした。
周りに人がいると喧嘩はしないんだな‥。いつバトルが始まるかと思うとドキドキする‥

よかった‥と息を吐いてから、なぜ私はこんなことで気を揉まなければならないのか‥と雪は微妙な気持ちになった。
しかし変な気分である。
しかし昨日河村氏とは長らく会えないと思って別れたけど、なぜ翌日こんなことに‥

雪のジットリとした視線を受けて、亮は耳をかっぽじり淳は彼女に気づいて振り返った。
「雪ちゃんどうしたの?」 「あっ‥別に
」 「はよ来いノロマ
」

そして六人は店に向かって歩き出した。
味趣連金+賑やかし二人‥もう名前すら思いつかない。予測もつかないメンバーの飲み会が、これにて幕を開ける‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<予期せぬ出会い>でした。
蓮と亮、二人とも姉を持つ弟という共通点がありますね。
大分姉の性格は違いますが‥
次回は<六人で円卓を(1)>です。
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ビールとチキンで有名な店を聡美が知っていて、そこへ向かっているところだ。

先輩は太一と、雪は聡美と会話しながら彼らは道を歩いた。
聡美と雪は新学期の受講申請のことなどを話したりしていた。もう開講がすぐそこに迫っているのだ。

じきに聡美と太一が腕を振って歩き出した。今度は雪と先輩が会話する。
「まずは皆でご飯食べて、その後弟くんが来たら一緒に徹夜で荷造りすればいい」

ありがとうございます、と雪はお礼を言った後、呆れたような体でグチを言った。
「てか蓮は一体どこをほっつき歩いて‥」

雪がそこまで言った時、「ええ~?!」と聞き覚えのある声がした。
「えええええ~?!」

そしてもう一つ、聞き慣れた声が上がった。
「ええええええ?!」

目の前に居たのはこちらを指さして声を上げている弟と、そしてなんと河村亮であった。
「姉ちゃん!!」 「えっ?!えええ?!」

目を丸くしている雪を見て、亮がニヤニヤと笑って口を開く。
「よぉ!こんなとこで会うとはなぁ~?ダメージヘアー&淳!!」

突然の二人との出会いに雪は事態が飲み込めないが、
聡美が「誰よ誰よ」としきりに聞いてくる。

ケラケラ笑う蓮の前で、雪は二人を聡美と太一に紹介した。先輩の目が気になるところである‥。
「弟と‥。あとこの人は説明しづらいので省略で‥


雪は気を取り直して、弟の方を向いて口を開いた。怒り心頭の雪に対して、蓮はあっけらかんとしている。
「てかあんた!ケータイ通じなかったんだけど!今日荷造りするって言ったよね?!」」
「あ〜充電切れてたんだよね。荷造り明日じゃなかったっけ?」

「違うって!今日だよ!」そう雪が言うと、ソーリー

続けて雪は、摩訶不思議な今の状況を蓮に尋ねる。なぜ河村氏と一緒にいるのかと。

すると蓮と亮は互いに指を差し合って、同じような顔をして笑った。
「いや~駅の辺りで偶然会ってさ!よく見るとこの間姉ちゃんに頭引っ張られてたお兄さんなわけよ!
それで髪の毛のお詫びも兼ねてお誘いしてさ。なんかもう意気投合!」
「いや~ダメージヘアー、なかなか立派な弟じゃねーか!やっぱ弟ってのは尊敬に値する存在だな!
姉ちゃんの借りを代わりに返すなんてよぉ!」

うははは、うへへへ、と二人は顔を見合わせてしまりのない顔で笑う。
この二人、なんだか波長が合うようだ。

そして蓮は聡美と太一の方へ向き直ると、親しげな口調で言った。
「姉ちゃんのお友達も一緒に、これから二次会行きません?!これも何かの縁ってことで!」

蓮の提案に、聡美も太一も両手を上げて賛成した。
雪は展開する事態の早さに呆然とする。元々先輩と二人で夕食を取るつもりが、気がつけば思いもよらないメンバーに‥。

淳もまた、亮が合流したことに幾らかの不満を抱いていた。黙り込んだ淳を見て、亮が皮肉を含めた声を掛ける。
「さ、行きましょ?お坊っちゃま」

意地悪く笑う亮と淳の間に、緊迫した空気が流れた。
淳は亮に、厳しい視線を投げる。

そんな二人の間に置かれ、雪は笑うしかなかった。
冷や汗がダラダラと流れる‥。

淳は皆の様子を窺うと、既に聡美と太一、そして蓮は店に向かって和気あいあいと歩き出していた‥。

淳は仕方がないと言わんばかりに一つ溜息を吐くと、
「行こ」と雪に小さく声を掛けた。

なんだかすいません‥と雪は悪くもないのに謝り、その後に続く。
亮は相変わらず子供っぽいことを言って淳をからかうが、淳は「うるさい」と言って取り合わない。

それを見て、雪は幾分ホッとした。
周りに人がいると喧嘩はしないんだな‥。いつバトルが始まるかと思うとドキドキする‥

よかった‥と息を吐いてから、なぜ私はこんなことで気を揉まなければならないのか‥と雪は微妙な気持ちになった。
しかし変な気分である。
しかし昨日河村氏とは長らく会えないと思って別れたけど、なぜ翌日こんなことに‥

雪のジットリとした視線を受けて、亮は耳をかっぽじり淳は彼女に気づいて振り返った。
「雪ちゃんどうしたの?」 「あっ‥別に



そして六人は店に向かって歩き出した。
味趣連金+賑やかし二人‥もう名前すら思いつかない。予測もつかないメンバーの飲み会が、これにて幕を開ける‥。
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<予期せぬ出会い>でした。
蓮と亮、二人とも姉を持つ弟という共通点がありますね。
大分姉の性格は違いますが‥

次回は<六人で円卓を(1)>です。
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