本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「大阪維新 橋下改革が日本を変える」上山信一著

2010-10-06 05:13:06 | 本・雑誌、読書
旧運輸省やマッキンゼーで働き、現在は慶應義塾大学総合政策学部の教授であり、大阪府の特別顧問である上山先生が現在進行中である大阪の改革について書いた本です。

上山先生はこの本の「おわりに」でも御自身で「改革屋」と言われるように企業や自治体の改革に携わっておられます。

最近は公共部門の改革の関与が大きいようです。

ここ数年、1年に1日、上山先生の講義を受けていて、最初の頃は、歳出削減、財政健全化だけに見ておられたものが、行政とは何か、なぜこの事業をしているのかを考えつつ、不要なところは削り、必要なところは歳出を増やしても充実させていくというところまで見なければいけないという考えに変わられたと感じております。

行政領域は、単に一般的に言われる効率とか成果だけでは語られないところが多く、改革を実現する際には、そこをどう整理するかが重要だと思っております。

受けた講義の中で、先生は「行政改革には「経営学」「経済学」が必要であるが、それとともに「政治学」「社会学」さらには「心理学」が必要」と言われました。すごいうまい表現だと思います。(「うまい」は先生に失礼だけど、「いい」じゃなくて「うまい」だもんなあ~)

さて、そんな方が橋下知事の下、進めている大阪府の改革について、「維新」の想いも込めて、わかりやすく整理して書いておられます。
公共に関わる専門家だけではなく、現在の国・地方の状況を嘆いている方に読んでもらいたい本ですが、大阪の話じゃない・・となってしまいそうなのが残念です。

地方から全国に問題提起をするのは難しいなあと感じます。

それにしても、この本に書かれていることがいま大阪で進んでいるとしたら、これから大阪どんどん変わりますよね。うらやましい・・

さてこの本を読んで私が感じるのは、改革は計画よりも実行。最近いつも思うことですが・・
計画も重要ですが、計画をつくってからそれを実行するところが難しい。見栄えの良い計画を作っていかにもやってるふうなのはもちろん問題外。

改革を実現するためにはそれを必ず実行するというリーダー(自治体なら首長)の決意とリーダーシップ。
それを支えるメンバーの存在とその熱意、実行力。
改革を理解し、不利益が発生しても将来のために許容する市民・住民の覚悟を引き出すための情報公開と説明責任。

最近の危機的状況の中、机上の議論をカッコ良く長々とやってることが多いけど、それよりさっさと現場に出て泥臭く改革作業に取り組むことが大切だと思うけど・・

私のそばでも改革のリーダーの誕生を期待するところですが、他力本願でないものねだりをしても空しいので、とにかく日々粛々とやれることをやります!

コメント
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