本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち」 内田 樹著

2010-12-31 19:53:23 | 本・雑誌、読書
今年最後の本。やはり学ぶこととか働くことに関する本になりました。

今年の関心事は、日本の将来。
なぜ日本に元気がなくなったんだろうかということ・・

なるべく自分の頭で考えるように、自分なりに本を選んで読んできましたが、
やはり世間一般で語られていることに流されたのではないか・・

来年こそ、「自分なりの意見を持つために」自分の視点で本を選び、読み、自分の頭で考えていこうと思っています。
それから来年は純粋に感動だけを求め、本を読みたい・・暇あるかなあ~

さて、「下流志向」
文庫版の帯に「日本中の親、教師を震撼させたベストセラー、ついに文庫化」とありましたが、
自分は何も知りませんでしたので、へぇ~そんな本なんだと読みました。

最近の子どもたちが最初に接する社会行動がお金を使ってモノを買うこと
社会にまず「買い手」として登場するから、教室でも教育サービスの買い手としての
ポジションを確保しようとする・・という話はどうもピンときませんでしたが、

小学校や中学校に通う子どもを持たない大人は、学校のことを知らないってことが
わかりました。
教育のステークホルダーは、子ども、親、教師、教育関係者だけなのか?

初等教育から知識の習得が始まるとすれば、社会を構成する人すべてが
教育のステークホルダーだよねって思いながら読んでました。

ところで著者は教育があまりにも経済活動の主体である人を育てる教育になっていることに疑問を呈しておられまして、
本来学ぶということは、何の役に立つかわからないけど・・とにかく学ぶことであるというのは、

(お金がなければ生きていけないってことをちょっと脇に置いて見ると)
教育を本当にそこまで戻せたらいいだろうなあと感じました。

とりあえず前半の「教育からの逃走」は自分にとっては概念的で、よく理解できていないようです。

後半の「労働からの逃走」は
今では言い古されたことが書かれておりましたが、
初期にこのような形で問題提起をされている、
オリジナルで現状を分析されていることは、
いろいろな視点がちりばめられてはずで、
もっとゆっくり読んでみようと思います。

一番印象に残ったのは「転職を繰り返す思考パターン」という項

今の仕事を「こんな仕事やってられるか」と思い、不満をいつも抱えて仕事をしている人間は
当然周りから高い評価を得られるわけがなく、今している仕事で高い評価を得られない人が、
他からより条件のよい仕事をオファーされるという可能性はあまり高くない。

青い鳥を求めて今いるところでベストを尽くすことを拒否しているうちに身動きがとれなくなる
等々。

自分が若い頃、いえ最近まで「こんな仕事やってられるか」じゃなかったかなあと・・

安直なまとめになってしまいますが、

この本は子どもたち、若者を扱っているけれど
教育とは何か、労働とは何かを日本人がわからなくなっているのではないか。
普通の人がもっと議論する場所、時間をもたなければといけないのではないか。
そう感じました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする