本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

まともな議論をしてほしい~空虚な「大阪都構想」・・週刊東洋経済2012.1.14号

2012-01-12 23:44:08 | 本・雑誌、読書
朝、週刊東洋経済を買って、パラパラとめくっていたら、「空虚な「大阪都構想」展望なき危ない賭け」という記事を見つけて、ふむふむと読んでみました。福岡に住んでおりますので、大阪の動きはあまり聞こえてきません。

大阪都構想の内容もあまり知りませんが、道州制賛成派ですので、(直接道州制とは関係ありませんが)大阪府と大阪市の一元化(と言っていいのかもよくわかってませんが・・)、自治体間の役割を見直す試みは、今後道州制の導入にも大きく影響をしてくると考えており、今後の動きに大いに関心があります。

ですから、いろんな意見を聞きたいし、実のある議論をしてもらいたいとも思います。

と前置きをして、この記事ですが・・ひどすぎる・・朝通勤途上の電車で読んだんですが、事務所について仕事を始めるまで怒りがおさまりませんでした。
大阪都構想に危機感を感じるなら、もっとまともな議論を望みます。

いろいろ変だと思うところはあるのですが、長くなりそうなので少しだけ・・

立命館大学の村上弘教授のコメント、行政学・地方自治論がご専門だそうですが、

「・・(前略)資産を大阪都が取り上げるのが都構想だ。特別自治区は、基礎的権限や財源のみで、以前の市に比べれば格下になる。大阪市の人たちは自分たちの市や財産がなくなることを本当に理解しているのだろうか」

もうまったくもって行政、地方自治研究の立場からの発言で、あらまあと驚きです。

大阪都が資産を取り上げる?? だから? 
大阪府と大阪市が大阪都になったとしてもそこに住む人は同じ人。住民にとって大事なのは、資産が県や市あるいは都のどこにあるかではなくて、自分たちがちゃんと暮らせるかでは? 
取り上げるなんて話は単に自治体組織どおしの縄張り争いの話。
同様に「格下」発言も?? 格下で何が悪い、住民には関係なし。

さらに「市や財産がなくなる」って何? 市の財産がなくなって都の財産になりました。住民にとってどう影響あるの?
まったく意味がわかりません。

それから内田樹氏のインタビューもありますが、その中に「行政機構の非効率とか二重行政についても、同じ機能を持つ施設や機構が複数あることで、災害とか事故のときにシステムクラッシュを避けるリスクヘッジができる。「大阪の危機」を唱える人たちが、リスクマネジメントを考えないのは不思議だ。」とあります。

確かに同じ機能が複数あれば、リスクヘッジできる。しかし、大きな施設を維持するには莫大なお金がかかります。
災害とか事故に備えて、そのお金をかけてまで、体育館や図書館、コンサートホールなどを2つ持っておく必要があるんでしょうか?お金が有り余っていたらいいのでしょうが・・

また、施設の必要性については、一つひとつ対象となる施設ごとに検討すべきことであり、災害や事故という例だけで施設全般の必要性を語るのも無理があります。

もう少し繊細な発言をしていただきたいところです。とっても残念。

記事本文もまだまだ突っ込みどころ満載です。

大阪都構想に反対、結構です。

だったらもう少し、「そうだ!」と思わせる丁寧な記事を作って欲しいです。


コメント (2)
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