ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

交錯恋愛18

2010-07-06 20:13:09 | 交錯恋愛(4人組長編/完)
「交錯恋愛17」の続きです(´ω`)

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「ゼルガディス君、もう上がっていいよ」
午後7時。バイトも上がりの時間だ。
「ありがとうございます。お先に失礼します」
頭を下げると、明るい声が聞こえてきた。
「おはよーございます!」
夜だけどな、と心の中で突っ込みつつ、俺は彼女に声をかけた。
「ん、アメリア今からか」
アメリアはぱたぱた走りつつエプロンの端を結んでいる。
「はいっ」
「俺は上がりだ。じゃあな」
「お疲れ様でしたっ」
ぺこりと頭を下げるアメリアを尻目に、俺はひらひら手を振って店を出た。

アメリアもなかなかバイトには慣れたようである。
無闇にミスをしなくなったし...まぁ、俺の指導の賜物だと言えよう。

携帯を取り出そうと鞄に手を突っ込むと、中でぴこ、と音が鳴った。
...ああ、あのクラゲか。
大学でリナに押し付けられたぬいぐるみである。
「...」
引っ張り出してまじまじと見てみると、黄緑色のクラゲのぬいぐるみは、なんだか間の抜けた顔をしていた。
...そういえばアメリアが選んだと言っていた。
「あまり良い趣味とは言えんな...」
呟いて再び歩き出す。

代わりに携帯を引っ張り出すと、青く点滅している。
「メールか...」
開くと、リナからのメール。
『明日って暇?』
何かあるのだろうか?
『すまん、明日もバイトだ』
文章を打って送り返す。
しばらくすると、思ったより早く返信が返ってきた。
『そっか、了解。バイトお疲れ!』
『おう』

俺は返事を返して携帯を閉じた。
...明日、何かあっただろうか?
何かを忘れているような気がする。

「.....」
しかし、地下鉄の改札を抜けた辺りで俺は考えるのをやめた。
忘れたものはしょうがない。

疲れているし、早く寝よう。
...明日になれば思い出すかもしれん。
ぼんやりとそんなことを考えつつ、俺は駅のホームで電車を待つのだった。


続く

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なぜかガウリイ以外に行き渡るクラゲ(笑)
次回に続きます!