ゆるい感じで。

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交錯恋愛19

2010-07-08 19:44:05 | 交錯恋愛(4人組長編/完)
「交錯恋愛18」の続きです(*´∀`*)

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オレは死にそうだった。
...空腹で。

「腹へったぁ~」
月末というのはいつも食費が足りなくなるものだ。
...まぁ、ちゃんと自炊しないで買い食いばっかりしてるから悪いのは自分でも承知している。

ベッドの中で転がって空腹をやり過ごす。
きゅうう...と腹から音がして切なくなった。
「アメリアぁぁ...」
社長令嬢のアメリアなら夕飯くらい奢ってくれたりするのだが、時間が時間だ。
午後9時。
こんな時間に女の子を一人呼び出すのは良くない。...確か男の家には行っちゃいけないとか言ってたしな。

オレはそろそろ耐えられなくなって、ベッドから起き出した。
...決めた。リナのところへ行こう。
米くらい分けてもらえるかもしれん。


ぴんぽーん。
呼鈴を鳴らすと扉の向こうからがたがたと音がした。
「どちらさまですかー?」
「すまん、リナ。助けてくれ!」
「..ガウリイ?」
声で分かったのか、彼女はすぐにドアを開けてくれた。

髪を無造作にまとめたTシャツ短パンの彼女は、突然のオレの訪問に困惑した表情だった。(当たり前か...)
「どしたの?」
「米を分けてくれないか」
「はぁ?」

変な顔をするリナに事情を説明すると、彼女は盛大にため息をついた。
「あなたね、自炊くらいしなさいよ」
「いやぁ、自炊しなくてもなんとかなるかと思って」
「現に今食うに困ってるじゃないの」
「...」
ジト目の彼女に反論する言葉もない。
「しょーがないわね、夕飯くらいご馳走したげるわよ」
腰に手を当てて、リナはやれやれといった風に苦笑する。
「え...?」
「だから、今日はあたしがご飯作ったげるっつってんの。分かったらさっさと上がんなさい」
オレはさすがに驚いた。
「え、良いのか?男なんて部屋に上げて..」
戸惑うオレにきょとんとするリナ。
「へ?別に良いわよ?...なによ、あたしの親切を無駄にするわけ?」
「や、すまん。ありがたくご馳走になります」
慌てて頭を下げたオレは、リナの無防備さ加減に驚き、少し心配になったのだった。


続く

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次回に続きます(´ω`)