夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2014年 3月29日(土)「生産性の低下」

2014年03月29日 22時18分39秒 | 「政治・経済」
労働賃金は確かに企業にとっては生産コストなのですが、このコストを下げるために労働者相対の賃金を引き下げてそれを生産性の向上ととらえるのが今の社会です。
しかしこの考え方は根本的に誤っているのです。労働力にも価値があるわけでして、それはその労働力の再生産費によって決まります。社会的平均の生活費といってもよいでしょう。賃金コストの引き下げをこの価値以下にすればさまざまな弊害が出ます。たとえば企業で生産された商品を買い叩かれて価値以下で売れば再生産は難しくなるでしょう。それと同じように今の賃下げは労働力を再生産することが困難になりつつある段階にきています。そすすると少子化問題も含めて労働力の量と質は下がります。
物づくり日本の崩壊が以前から言われていますが、物づくり=人の労働なわけですから国内の製造業の労働の量と質は低下をしていくということです。企業にとっては安い労働力を海外に求めて現地生産や雇用をすれば生産は続きますが、国内は労働力の量と質が低下する。これは製造業だけではなくて今建築業の労働力不足が言われています。建設業は人の労働が直接に集約現場にありますから人の労働の質や熟練が問われます。それが低下をしているということですから深刻でしょう。
先日スーパーに行って洋服を買ってうろうろと探しながらレジカウンターに行ったのですが人がいない。金を払う場に人がいないというのは商売っ気がないではすまないでしょう。パートの女性は店内にまばら。こういった現象は案外テンポにも出ているのではないでしょうか?BLOGOSにすき屋騒動に見る、サボタージュの価値という記事がありましたが、まぁ、サボタージュかどうかは別として仮に人の労働力が集められないということならばこれも深刻なことです。
今失業率も下がり有効求人もあがっているそうですが、その労働の中身といえばお寒い現実ではないでしょうか?相対的に正社員は減少して非正規雇用が増える。この「相対的」というのは雇用者数が仮に増えても正社員は増えずに非正規雇用が増えるということです。ですから非正規雇用者数の増加とおなります。その中で低賃金労働者が増えます。その労働者が店舗などで責任を持たされる。労働力人口が減っているわけですからこういった職業から順に人が離れていくでしょう。
こう見てくると、今まで生産性の向上と見えていた低賃金化や非正規雇用の拡大が実は生産性を下げていることが見えてこないでしょうか?
生産性の低下が起きているとすれば、輸出産業という物づくりの停滞が形として見えてきて、そこに円安誘導の悪性の物価高が入ってくるわけですから当然に日本という国家が衰退をします。安倍総理が強い日本を取り戻すといっても現実は国家の衰退を拡大する成長路線しか描けない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする