猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

猫の腎不全   - 食事編 -

2006年03月19日 10時18分38秒 | 猫たち
皆さん。
ここまで。
病と闘うちびくんのために、また私たちのために。
温かなたくさんのメッセージをありがとうございました。
また、ちびくんが旅立ってから、私たちのことを心配して下さり、本当にありがとうございます。

私たちは、今までどおり、変わらぬ日々を過ごそうと努力しています。
ちびくんが暮らした、「我が家」であるために。

月曜の朝、ちびくんが旅立ち、私も本当に色んなことを考えました。
いや。
何も考えられなかったともいえるのですが、ひとつ。
ちびくんが病と闘った行為が、ちびくんや私たち家族のためだけではなく、誰かのためにもなったら。
そう考えるようになりました。
猫が、家族の一員として大切にされ、長生きになってきたからこそ、逃れられない病気との闘い。
ちびくんと私たち家族が、腎不全と闘うために得た知識とか体験が、今も闘う、誰かの大切な子のために役立てば.....。
そう思うのです。

ちびくんが慢性腎不全と診断され、私たちはそれこそネット上の情報を読み漁り、また人間の腎不全の情報などと照らし合わせて、様々に試行錯誤を重ねてきました。
そしてまた、その中で「これが正しい」という絶対的方法がないのを知りました。
食べてくれない、食欲を落とす療法食よりは、大好きで喜ぶ食事。
医者がゴリ押す、態勢だけは整った入院加療よりは、穏やかに家で過ごす時間.....。
結局、人間と同じように猫だってストレスがかかればかかるほど、元気を失っていくということでしょう。
実際。
ちびくんは幼い頃から、猫にはタブーとされる、塩分が多い食べ物。
ハムを毎日のように食べていました。
ハムは彼の生きがいであり、それがなければ日も夜も明けないほどの大好物。
「こんなモノを食べ続ければ、絶対に長生き出来ない.....」
そう考えながらも、それを彼に与え続けたのは、ひとえに、ちびくんが一日中、ハムを期待して繰り返す冷蔵庫前との行き来に、尋常ではない執念を感じたからでした。

そして。
彼は17年と9ヶ月7日を生きた。
おそらく、世間では長生きと言われる部類に入るのではないかと思います。
ちびくんがハムを食べるときの目の輝き。
冷蔵庫へおねだりに来るときの軽い足どり。
ハムをあげていなければもっと長生きしたかもしれないけれど、やはりあの生きがいがあったから、ちびくんは頑張れたのかも、とも思うのです。

それに.....。
キャットフードが、とてもしょっぱいことを考えれば、ハムなんてどうってことがない気もしてきます。
ですから、今日は猫の食事について、ここで取り上げたいと思います。

基本的に、猫の食事は高たんぱくです。
しかし、たんぱく質を分解する過程で、どうしても窒素化合物(老廃物)が生まれてしまいます。
窒素化合物はそれを尿としてろ過しようとする猫の腎臓に大きな負担をかけるので、腎疾患をわずらいやすいのです。
また、ドライフードの塩気や、缶詰の塩気。
食べてみたことがある方ならご存知でしょうが、もの凄いものなのです。
私たちは、ちびくんが腎不全と診断されてから、様々なドライフードを買い漁りました。
添加物や、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、たんぱく質の含有量.....。
それこそ、店頭で穴があくほどパッケージを見つめ、比較し、延々と論議しながら。
そして、そこには「ちびくんが食べてくれる」ことが絶対条件としてつくわけで、買っては食べてもらえず諦め、買っては食べてもらえず諦め、という結果がつきものでした。
もちろん、療法食を食べてくれるならそれが一番だったけれど、そこにはまた、人間には使ってはならない添加物が入っているというのも問題(発ガン物質)。
一説には、「枯葉剤に成分として使用されていたもの」「ゴムの保存料に使用されているもの」そんな情報もあったくらいでした。
療法食は猫にとって美味しくないのか、なかなか食べてくれないのも問題ですし。
(私たちも実際食べてみたけど、正直味の違いはわかりませんでした。味付けの違いはわかったけど)

猫や犬と暮らす皆さん。
どうかフードを選ぶときは実際にご自分で食べてみて下さい。
塩分が多いものについては、「塩分を多く摂らせてその分水を多く飲ませ、そのぶん排尿を促し、腎疾患を防ぐ」という考えらしいですが、それが本当に正しいのか.....
私にはわかりません。
また、「糞尿の匂いを軽減」なんて効果が、本当に、必要なのかどうか。
人間だって、おしっこの色や、ウンチの状態が健康のバロメーターであるのに。
ちびくんの病気と闘う上で私が感じたのは、もしかすると、キャットフードなんてものは、人間が手間を省くためのものなのかも、ということでした。
総合的に栄養は考えられていますけど。
また、腎不全の猫に必要といわれている、低蛋白高カロリー食も、猫がその体内のたんぱく質を分解してエネルギーを出し始める段階以前にしか、意味がない、という先生もいます。
つまり、その考え方では、猫が腎不全になり、痩せ始めたときは、猫が自らの筋肉を分解してエネルギーを作り出しているのだから、高たんぱくの食事でそれを補わなければならない、ということのようです。

しかし、基本的には、腎不全の猫には、低蛋白・高脂肪の食事、特に炭水化物を多量に摂取することで、糖質を作り出し、そこからエネルギーを生み出させる、という考え方だと、私たちは理解しました。
猫は、その腎機能の75%を失って初めて、腎不全の症状を見せるそうです。
ですから、腎不全と気づいた時には、すでに静脈点滴、輸液治療が目の前ということと考えたほうがいいということでしょう。
腎不全は血液検査ですぐに判明するものですから、定期的に健康診断さえしていれば、早期に発見し、対応出来るでしょう。
添加物の問題を考えなければ、療法食の効果は大きいもののようですから(添加物等考え、メーカーをきちんと選べば)。

以前と比べて水を飲むようになった。
おしっこの回数が多くなった。
また、以前はしなかった粗相をするようになった。
体重が減ってきた。
これらはすべて、猫が出している「具合が悪いよ」のメッセージです。
どうか、どうか一日も早く病院へ.....。
私たちのような後悔をしないためにも。
そして、誰より、あなたの大切な猫ちゃんのために.....。
「今日一日、様子を見よう」
は、命取りになりかねないのです。

そして、最後に、私が基本的に参考にさせて頂いたページのご紹介を。
王様館
(他にも多数あります)

どうかすべての猫や犬たちが、その一生を愛する者の元で、幸せに送ることが出来ますように。

いつになるかははっきり明言出来ませんが、次回は加療と費用について取り上げたいと思います。