梅にうぐいす

次第に春の色を帯び始めた、我々日本人の食卓に風流な名前は欠かせない。それはこの季節だけに限らず、それぞれその時期に見られる自然や風物になぞらえてつけられる、楽しく素晴らしい日本の文化だ。しかも、以前なら料理本や外食でしか聞くことのなかった名前でも、インターネットが普及した今となっては、ちょこちょこ目にし、作ってみたり使ってみたり。

で、今日のお弁当。

＜もち豚の豚キムチ＞＜素揚げ大根・梅にうぐいす、柚子胡椒添え＞＜明日葉と山芋のレモン煮＞　です。

＜もち豚の豚キムチ＞
*フライパンにサラダ油を薄くひき、豚肉を焼く。半ば火が通ったら、キムチを入れ、さらに炒める。仕上げに、醤油、みりんをふりかけ、全体を混ぜながら炒め合わせる。
＜素揚げ大根・梅にうぐいす、柚子胡椒添え＞
*大根は2センチほどの厚さに切り、厚く皮をむく。皮をむいた大根を半月に切り、片面に隠し包丁を入れ、油でじっくり揚げる。大根に楊枝を刺してみて、すっと通るくらいになったら油から引き上げ、軽く塩を振っておく。梅干を包丁で叩き、梅ペーストを作る。揚げた大根の半月分に梅ペーストとわさびを、もう半月に柚子胡椒を添える。
＜明日葉と山芋のレモン煮＞
*明日葉は3センチ長さに切り、山芋は皮をむいて、拍子木切りにしておく。鍋に、材料が半分隠れるほどのダシ汁を入れ、塩、醤油、レモン汁で薄く味をつける。明日葉、山芋を鍋に入れ、軽く煮含める。

脂が美味しいもち豚は、キムチの軽い酸味とあわせてうま味たっぷりに。
普段は煮ることの多い大根も、揚げてこっくりとしたうま味を出して。精進料理のページに載っていた、この素揚げ大根は、梅ペーストとわさび、柚子胡椒でバリエーションを楽しむのだが、わさびをうぐいすに見たてた風流さと相まった、大人の味が美味しい。
身体にいい明日葉と山芋は、レモンで煮てさっぱりと。夏にキーンと冷やして食べるのもいいかも。

ベランダの復活

昨年秋以来、外壁塗り替えやハッチ交換、防水塗装と、断続的に、大迷惑な感じで進んでいたベランダの工事が、ようやく終了しました。
本当はちびくんにすっかり元に戻ったベランダでもう一度、日向ぼっこをさせてあげたかったけれど、それは叶わず。

「また一緒に薔薇を見ようね」
と約束したことが思い出され、胸が痛みます。

けれど、一歩一歩進まねば。
今も定位置にいるはずのちびくんに、咲き乱れる薔薇を見せてあげたいから。
以前通り、陽の当たる場所でちゃあこが遊ぶ姿を、見せてあげたいから。

ここまでの工事期間中。
とてもたくさんの植物が犠牲になりました。
避難中に日照不足でダメになってしまったもの。
行き届いた手入れが出来ず、虫に食われてしまったもの。
根腐れしてしまったもの。

眠れる姫のペルディータ、グラミスキャッスル、ノーブルアントニー.....
3種の大切な薔薇たち。
大切に大きく育てたオリーブ、サンショウにランタナ、赤い葉を持つゼラニウム、美しく蔓を伸ばしたカロライナジャスミン、小さな花々.....。

本当に、思い出すだに腹立たしい、悪夢のような工事期間でした。
おまけに工事がすべて終わったはずと、ウッドデッキや鉢を一部戻したら、
「一部だけ直したいところがあるんですが」
と言われ、思いっきりブチキレそうになり、実際
「ハァ～ん!？」
と、半分、罪のない工事のあんちゃん相手にキレました。

が。
結局その後1時間ですべての工程が終了。
ここ数日で新しい面々も仲間入りし、心機一転、ベランダの再出発です。
今年はユリイカ、アンブリッジローズが薔薇群に加わり、サンショウも新しいものを買いました。
ヘデラも新たに2種。
羽衣ジャスミンに姫うつぎも.....。

厳しい条件の中、頑張ってくれた植物たち。
ありがとう。

新しく我が家に加わった植物たち。
頑張ってお世話するから、どうぞよろしく。

ちびくん、ちゃあこ。
もう春だよ。

本当に本当に小さなベランダですが、ここは私たち家族の大切なお庭です。