猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

案山子になった女。

2007年07月24日 23時56分35秒 | 
つい先日。
すくすくと育った実の姿を、皆様にお見せした我が家の畑のすいかであるが.....。

実は台風後。
酷い悲劇に見舞われていた。


          
              現在美しい芽を伸ばしているショウガ。
              それを、元に植えた根っこは残したまま
              土の中から掻き取って食べると...
              爽やかな辛味と香りがたまらな~い♪
                   う~ん、旬の味。


私が、伸びに伸びきった蔓を整理しようと、まだ水滴がたくさん残ったままのそれを持ち上げて、ハサミを入れると.....

あれ?
切り取ったはずの蔓が妙に重い.....。

で、『まさか!?』と思って自分が手に持った蔓を見てみると、そこにはなんと!

『ただ今急成長!』といった感じで大きくなりつつある実が二個もぶら下がっている!?

.....そう。
私は決して切ってはいけない、実のついた蔓を切っていたのである(泣)


          
          あの台風のあとはサイクリングロードも水没したっけねぇ。
        でもあのオジサン。ためらうゴンザを尻目に、その水没した道も
               ものともせず突っ込んでるの(笑)



思えば。

小さな小さな赤ちゃんすいかが確認されたときから。
あんなに大事に見守ってきたのに。

この蔓だけは踏んではいけない、切ってはいけないと、慎重に慎重に、ことを運んできていたのに。

何をどう間違ったのか、貴重な実が二個もついた蔓を切ってしまうなんて.....

あまりのショックに数分、その場で呆然と立ち尽くす私。

右手にはハサミ。
左手にはずっしりと水分を含んだすいかの実二個がぶら下がった蔓をダランと持って.....
しばしの間、案山子になる。


     
                 最近鳥たちの動きがとみに活発
            少し前から多く見かけるようになったアオサギに.....

     
         一瞬カラスかと見紛うほど、たくさん電線にとまったカワウ


そういえば
『お前の馬鹿さ加減には父ちゃん情けなくって涙が出てくらあ!』
と言ったのは「あばれはっちゃく」の父だったが、まさにそのときの私は自分の馬鹿さ加減に涙が出るよう。

ああ.....


     
            ううっ...将来あるキミをこんな姿にしてしまって...
                      ごめんよぅ~!


しかし、いくらそこで立ち尽くしたとて、一度切り落とされたすいかが元に戻るわけでもない。

しばらくすると私は、案山子となったままそこで不毛な生涯を終えるよりも、何か建設的な方向へ物事を運ぶことは出来ないものかと考え始めた。

.....そうだ!
こいつを漬物にしよう。
そういえばいつだったか、すいかやメロンの摘果のお漬物を食べたけれど、アレってとっても美味しかったもの。
それに、成った実を全部成長させていては、美味しいすいかは出来ないとも聞くし。


     
            おそるおそる包丁を入れてみれば断面はこんな感じ。
                   まさしく瓜科の植物だなぁ。


そう.....
そうよ!
これは間違って切り取ったんじゃない。
私は美味しいひとつのすいかを作るための摘果をあえて施したんだわ。
この子は尊い犠牲なのよ!

私は自分の過ちをなんとか忘れようと理由をこじつけ、その切り落としてしまった未熟果を持って家路を辿った。

んでもって、作ってみたのがこれ。


     
薄くスライスしたすいかちゃんをめんつゆ・お酢・唐辛子等で漬けてモミモミしてみました♪

     
                 でもって半分はぬか漬けに~♪


果物としてのすいかが大嫌いなゴンザも大喜びで食べるほどに美味しい『すいかのお漬物』

普通の瓜ほどの青臭さもなく、歯ざわりはあくまでコリコリと爽やか。
とってもクセになりそうなお味♪

しかし.....
いかにこのすいかのお漬物が美味しかろうと。

私は二度と過ちを繰り返してはいけないんだわ。

そう。
また、同じような過ちを犯したときには.....
そのときには。

今度こそ、畑で一生を案山子として終える覚悟の私である。


     
              最近はファミレスのスウィーツも侮れない
                デニーズは今、桃フェア真っ最中