我が家では例年。
ゴンザ友人たちとの、新年会に出かける。
今年も皿盛り、我が家のおせち。
erima作の酢蓮になます、市場で買ったかまぼこ、ハモンセラーノ、
ゴンザ作たたき風ユッケにスモークサーモン、いくら、こはだ粟漬。
きんかん甘露煮は、マーマレードを作る際に一緒に煮て。
閑静な住宅街に自宅を持つ、M君の家で開催されるそれは、
毎年、鍋をつつきながら、
録画した格闘技番組を鑑賞するというパターンが、すでに確立されており、
今では『今度も開催するのかしないのか』、ではなく、
「今回は何日にする?」と、彼らの間で、正月の恒例行事ともなっている。
このハモンセラーノは、以前も紹介の通り、
市場で、目の前でスライスしてもらうもの。
香り高く、美味い。
で、だ。
ほぼ毎回、ゴンザと共に参加している私としては、
今回、ふと、その中で、
男と女の、二つの面白い違いに気づいた、と、そういうわけだ。
......それは、M君の彼女が、帰省先からUターンのため、
会に遅れてやってくるというところから始まった。
今ではすっかりトロが苦手となった私には、
赤身の美味い店こそが、『美味い魚屋』『美味い鮨屋』
優しいM君は、まだ来ない彼女のために、
一通り鍋をつつき終わった面々に、
「彼女のために、今ある具材を残してあげておいていい?」
と、そう尋ねた。
もちろん、M君同様、心優しい男子たちはそれを快くOKし、
「ああ、そうだ。そうだね。彼女、きっとおなか減らして帰ってくるもんね~」と、
口々に言っては、「もうそろそろ空港に着くころじゃないのか?」とか、
「迎えに行ってやらなくていいのか?」と、
共に彼女の到着を待ちわびた。
......が。
面白いことに、実際彼女が到着し、
「では」と、鍋に新たな具材を放り込んで煮込んだところ.......
男たちは、先ほどまでの心配を忘れたのかと思うほど、
途端に鍋にどっと集中し(笑)
そりゃあもう、
まだ何も食べていないM君の彼女が手を出す隙もないほど、
一生懸命、アツアツのそれを食い始めたのだ。
「大丈夫?おなか減ってない?」
「食べてる?」
そう聞きながら.....(笑)
もちろんお煮しめもどっさり作りました。
こちらもタイミングが合わず、エスパー妹&弟に、
食べさせられなかったのが非常に残念。
これを見て私は『ああ、やっぱり彼らは男なんだなぁ』と思ったものだ。
獲物を目にしたら、突撃せずにはいられない男の本能は、
アツアツの鍋を目にした途端、火を噴いたのだ(笑)
気遣いはしながらも、ひたすら鍋をつつく彼らを見て、
なるほど、古には、男は草原を駆けまわり、
獲物を求めて狩りをしていた動物なのだなぁと、
実感を深めた私である。
おそらく、これが女の集団なら、「ねぇこれは?」「こっちもどうぞ」と、
我先にと母性を発揮して、彼女の世話を焼いたことだろう。
そういえばこんなのも食べた。
チロルチョコ、お正月バージョン(?)。
かわいい♪
......そしてもうひとつ。
これは、友人の中の一人、仮に名前をK君としておくが、
彼の家族の近況を、みんなが尋ねたことにはじまる。
いろいろ尋ねられる中で、K君は、いくつか答えを濁し、
ここで私は「ああ、細かいことはあまり聞かれたくないのだな」と思ったのだが.....
男たちは構わず、いろんな質問を矢継ぎ早に浴びせる(笑)
もちろん、彼らは心からK君のことを考えていて、親友とも思っており、
悪気などはこれっぽっちもないのだが......
『これが女なら......』と、ここでも私はその違いを認識せざるを得なかった。
古には、狭い洞窟内で、子どもと留守を守り、
他者との円滑な関係を築く仕事を請け負っていた女なら、
こんなとき、ちょっとした言葉の端と空気を読み、
さりげなく他の話題を振ったことだろう......と。
男たちならきっと、
「そんなの冷たい。親友のことなら、どこまでも突っ込んで一緒に考えないと!」と、
そう言うだろうが。
ああ、面白いなぁ。
そういえば昨日は七草でしたが、
我が家ではなぜか、七草粥ではなく、八宝菜を作り、
どんぶりにして食べました(笑)
冷蔵庫にあるものだけで作ったので、キャベツとかほうれん草とか、
およそ本来は八宝菜に使わないものが入っているけど。
つまり、これは、男と女、どちらが良いとかではなく、
また、どちらが優れているとかでもなく、
ただ単に『違い』の問題なのだ。
そして、この違いは本当に、とても面白いと私は思う。
なにしろ、この『違い』があってこそ、世の中はうまく成り立っているのだし、
だからこそきっと、これからもそれは変わらないだろうと。
ただ......
今、私が気になるのは。
あの日、M君の彼女が夜中空腹に悩まなかったかどうか。
それだけである(笑)