猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

三つの買い物。

2009年01月22日 20時00分00秒 | つぶやき

 

旧岩崎邸を出て、二人が向うのは。

 

美の極致といえる、旧岩崎邸への道のりに、
ささやかながら、美しい花瓶を手に入れたのは、
やはり運命なのだろう。

思い返せば返すほど、そういう出会いが確かにあるものだと......
今は自然に思えるから。

 

心を満たしたあとは、おなかを満たさないと!(笑)
上野といえば.......【精養軒】の『ハヤシライス』。

 

少々無理を押してでも、手に入れる価値のあるもの。

そこにあるだけで生活を変え、気の持ち方さえ変えるもの。

たとえば小さな貴石。

たとえばとっておきのグラス。

.......たとえば美しい家具。

 

岩崎邸にあったものと比べたら、おもちゃみたいなものかもしれないけど、
それでも我が家には、贅沢すぎる宝物。

 

かつて、二人で見つけた二つの家具は、
確かにそんなものだった。

この、小さく古い部屋には、
あまりに贅沢すぎると、思わないでもなかったけれど。

それでも「あのとき勇気を出してよかった」と。

今になって心底思う。

 

ちなみにこちら、アンティークショップとかではなく、
リサイクル屋で買いました。
大使館流れのものがあるという噂の.....
いえ、由来などどうでもいいんですけどね。
一目見て、「欲しい!」と思った、それが大事。
値段を見て、ちょっとびびったけど(笑)
(リサイクル品の値段としてはという意味で)
今では「安い買い物だった」そう思います。

 

いや。

まあ、普通から考えれば、
それらは「勇気を出して」といえるほど高価なわけでもないのだろうけど。

それでも、私たちにとっては、
ほんの少し、「清水の舞台」。

何より素人には、相場のわからぬそれらのものは、
それこそどう価値を見出すのか。

決めるのは己の勘のみ、だったから。

 

こちらも幾度か登場してますね。
イギリスからやってきた60年ほど前のもの。
いや.....うちにやってきた年を数えると、
もうすぐ「70年ほど前のもの」となるのかな?

 

そして........
勘は当たった。

少なくとも、二人にとっては。
あのとき決断していて、本当によかったと。

.......あとは、手に入れたのち、それをどうするかだ。

 

「あの.....ワタクシ、いくつかあの家具に小さな傷を.....」
「知ってます」(笑)
爪とぎ以外では絶対に爪をとがないちゃあこだが、
後ろ脚の爪だけはコントロールが利かないので
(猫の体はそういう仕組み)
上に乗ったりしたとき、時折間違って傷がつく。
それでも、二人が大事にしてるのを知ってるのか、
ちゃあこもものすご~く気を使って乗ったりしてるけど(笑)

 

モノの運命を決めるのは、それを思う心。

愛しみ、育て、受け継ぐのか。

または消費し、捨てるのか。

私は......

共に生きたいと思う。

 

ちなみに極度の寒がりのこのお方は、「寒い~、お膝に乗せて~」と、
べったりべたべたの毎日を送っておられます。
それでもまだ寒いのか、足がきゅ~っと縮こまってるけど(笑)

 

作った人の思いと、持った人の思いと.......
めぐりめぐって、受け継いで。

ふたつの家具と、ひとつの花瓶を.......

次の手に、渡すまで。

 

そういえば、「上野といえば」のこの風景が、もうすぐ変わるようです。
一階店舗は皆、板でふさがれ........
窓から見える上階の様子も、取り壊し前を思わせました。