猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

鎌倉ものがたり

2009年01月14日 00時10分28秒 | お出かけ

またまた鎌倉へ行ってきました。

 

私の好きなマンガのひとつに、【鎌倉ものがたり】というのがあるが。

最近、JR鎌倉駅で下車したことがある方なら、
このマンガの大きな看板に、見覚えのある人もいるだろう。

 

今回の目的は、ここ、以前にも登場した上行寺さんに、
お守りをいただきに行くこと。
ここは瘡守稲荷とも呼ばれ、病魔退散に特にご利益があると.....。
ある方に、ここのお守りを差し上げたくて。

 

作者は、西岸良平さんという、
最近では、『三丁目の夕日』の作者として有名な人だが......

私はこの人の書く、ほのぼのしていて、
しかし、それでいてどこか不思議な、風刺に満ちた世界が大好きだ。

 

お寺さんでお守りをいただき、
なんとお茶まで御馳走になってしまったあとは。
気になっていた、並びにあるパン屋さんでパンを買い込み。

 

鎌倉に住む、ミステリー作家の一色先生が、
周囲で起こる様々な事件を解決してゆく、この【鎌倉ものがたり】だが、
それは、ただ単に殺人や、難事件を解き明かす過程を描くというのではなく......

鎌倉という古い都の歴史や、その霊気みなぎる空気に事件をからませて、
ちょっと変わった世界を紡ぎだす。

 

江ノ電が走る脇にある、『ポケットパーク』で、
「せっかくきたのだし、さて、どこへ寄ってくか」と作戦会議。
ちなみにこのポケットパーク。
かつて、江ノ電・大町駅のあった場所らしい。

作戦会議を開きながら、かじるのはもちろん先ほど買い込んだパン。
この、日進堂さんの、『辛いカレーパン』(フツーのもあった)。
私の人生史上「もっとも美味しいカレーパン」に決定!!
パン屋さんならではの、荒く挽いたパン粉が、かじるほどに、
「バリっ!サクッ!」と香ばしく音をたて、美味さが口いっぱいに広がる~♪
絶対また近いうちに食べたい!

 

わかりやすい絵とストーリーで、簡潔に話の面白さを伝える一方で、
生きることの意味や幸せ、人のあり方まで読み手に考えさせるその内容は......

なにより、大人から子供まで、広く理解することが出来て、
とても素晴らしいと思うのだ。

 

この、由比ヶ浜六地蔵のある通りは、
とても雰囲気の良い建物でいっぱい。
こちらはとぎ屋さん(刃物屋さん)。

そして、一見古い銀行の支店の正体は、実はバー。
一度、入ってみたいな。

 

加えて、ここに登場するのは人間だけでなく、
魔物や神様、動物......
あるいは仏様まで顔をのぞかせて、それも楽しい。

警察署の署長の名前は大仏さんだし(笑)
源氏山の赤鬼さんや、亀ヶ谷の猫王といった面々は一色先生と親しく.....

荒唐無稽といえばそうだけど、それでも私はこの世界が大好きなのだ。

 

なんか、いろいろほしくなってしまう古道具。

そして、散策を楽しんだのち、到着したのは。
そう!【銭洗い弁天】

 

そして。

こうして実際、鎌倉を訪れたときには、
「ああ、ここが猫王さんの住んでいる亀ヶ谷ね~」とか、
「一色先生の家は、あるとしたらこのあたりかな♪」などと、
勝手に親しみを覚えたりしては、また違う楽しみを見出したりもする。

おそらく、『鎌倉ものがたり』の看板が、駅であれほど大きく扱われているのも、
そんな風に、私同様の思いを抱く人が多く訪れるゆえ、なのだろう。

マンガをひとつの文化として扱う我々には、その効果は絶大なものがある。

 

手水鉢で手を清め~。

お線香を買って籠をお借りしたら、お金を入れて~。
ふと見れば、中には万札を洗っている人も.....(笑)
昨日UPしたのは、お線香の上でそれを乾かす人々の写真ね。

 

ちなみに、この鎌倉ものがたりの主人公、一色先生によれば、
銭洗い弁天でお金を洗うのは、
お金が増えるようにお祈りするということよりも、
『お金に対する妄執を洗い流すというのが、本当の意味』なのだそうであるが。

なるほど、それを神様も望んでおられるだろう。

 

浄智寺さんの脇を抜けて、歩いていると......
「ん~、なんだかすごくいい匂い!」
見上げると、民家の庭先で蠟梅が静かながら力強く咲き誇っていました。
私はこの花が大好きです。