庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

梅花の凍死  耐凍温度

2010年02月08日 | 偕楽園公園

今日の偕楽園の梅花は一見して元気がありません。寒さのために花びらがしおれているものがおおいためです。早咲きでかなり咲きそろった八重寒紅の花弁も鮮やかな紅色のものは少なく、薄茶色に変色してしおれているものが多い。他の梅の花がまだ咲かないうちは、きれいだとお客様を喜ばせてくれましたが、これからは、他品種の花が咲き出すと、実にみすぼらしく見えてくるものです。というわけで、八重寒紅の出番はまもなく終わります。

ところで、どんなに花びらがしっかりしていても、めしべが茶色に変色したり、すでになくなっている花が虎の尾などでたくさん見られます。これが凍死した梅花です。めしべはマイナス6℃くらいで凍死するそうです。品種によってもこの温度には差があるようです。柳川枝垂と玉英が並んでいますが、玉英のめしべは害をうけていません。画像は虎の尾です。めしべが凍って枯れてしまい、しおれためしべが残っています。多くの花ではめしべが落ちてしまって花に残っていませんでした。このようにめしべが枯れた花は、どんなにきれいな花びらがあったとしても死んだ花です。

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 ところで、樹木の枝はどのくらいの低温に耐えられるのでしょうか。樹木の種類にもよりますが、同じ固体でも、寒さに耐えるための準備ができているかどうかで違うそうです。夏の成長中の枝は全く準備ができていないので弱いそうです。秋口に耐えられるように変化しますが、この変化の過程によっても、真冬の厳冬期の耐えられる度合いがちがうそうです。つまり、温暖な地方での秋冷を体験されるのと、より寒い地方で体験するのとでは、より寒い地で体験したほうが強いようです。より寒い体験といっても、種類により体験する温度が違いますので、寒すぎる体験ではダメのようで、種類によって決まった温度があるようです。最強は柳などで、マイナス15度くらいの温度にある期間おいて準備させると、耐凍温度がより低くなって液体窒素にも耐えられるそうです。種類により違いがあるが、植物ごとに、ある期間、ある低温を体験することにより、さらに低い温度にでも耐えられるように植物体が変化するようです。つまり夏の成長モードから、準備期間を経て冬の低温にまでは耐えられる冬モードに変わるのですね。人も急に冷え込むと11月の気温でも寒くてやり切れませんが、真冬のいまごろに11月の気温になったら暖かいと感じ、現に1月のマイナス気温に耐えています。人も準備期間を経てより低い温度に耐えられるよう変化しているようですね。

そういえば、長崎から送っていただいた、トラノオスズカケはとても水戸の寒さに耐えられないのではと思いましたが、どうやら寒さの峠を越えたいまでも、屋外で葉を赤紫色にしながらも生きています。これは、水戸の寒さをはじめから体験したので、より低い耐凍温度に絶えられるように植物体が変化したのかもしれません。もしも、真冬になってから長崎から葉が緑色をしたままのを水戸へ連れて来たのだったら、急な寒さのために絶えられずに枯れてしまったかもしれませんね。また、もし水戸よりさらに寒い地方に連れて来られたとしたら、冬モードに変化する暇もないためにやはり枯れてしまったことでしょう。

コメント
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