※2012年3月27日、卒業式「君が代」不起立2次処分15名への伝達の日に向けて、東京の根津公子さんか
ら寄せられらメールを掲載します。
根津公子さんは、職を賭して君が代「不起立」を最後まで貫いた教員です。私たちは、彼女をはじめ東京の君
が代「不起立」の闘いにどれほど勇気づけられたかわかりません。
東京の根津公子です。
大阪の皆さんの連日の行動に頭が下がります。共感します。奥野さんおっしゃるように、どんどん拡散して大きな動きにするのが大事だと思います。それが最大の防御につながると、体験を通して思います。そういう視点から、私と同僚であった田中聡史さんの不起立について以下、報告します。きっと、皆さん、勇気づけられると思います。この報告は22日に記したもので、すでに昨日、都教委事情聴取がなされました。
22日、都立あきる野学園の卒業式で私と同僚だった田中聡史さん(43)が「君が代」で不起立し、現認されました。子どもたちが下校した後、校長は田中さんを呼び確認したので、既に「事故報告書」を都教委にあげたはずです。
今年度の入学式の不起立処分は東京で、田中さんただ一人でした。一言でいえば、「東京の不起立をゼロにしてはいけない」と考えての不起立でした。
今回の不起立についても、悩みに悩んだであろうに、「不起立をしてよかった」ときっぱり。「不起立をゼロにしてはいけない」との危機感の他に、「大阪で悩み闘っている人と連帯したい」「教育にあってはならない強制。この現実を子どもたちに見せておきたい」と考えての不起立でした。(レイバ―ネットの速報)http://www.labornetjp.org/
「レイバーネットTV」では田中さんのインタビューが流されました。アーカイブの7分のところから。http://www.ustream.tv/recorded/21278890)
とっても共感します。と同時に、現場で闘っている人がいる限り、とりわけ退職教員は現場を支える(保護者や子どもたち、教員たちに見える)行動を強力に進めなければ、と思います。そうすることが、教育破壊を少しでも食い止める力になると思います。
私は卒業する中・高の生徒たちを担当したので、21日の高等部の卒業式にも22日の小・中学部の卒業式にも出席し、お祝いをしたいと申し出たところ、断られました。「旧職員の出席は許可しない。生徒、職員、保護者以外で参列できるのは、招待した来賓のみ」(校長)というのです。そこで、校門前で一人お祝いをし、保護者・職員には事実を伝えるチラシを手渡しました。
チラシは、
http://kaikosasenaikai.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/index.html#entry-72059522)
今日の下校時、田中さんがかつて担任した高等部の生徒に、「田中先生、今日『君が代』の時起立しなかったよ」と告げると、「聡史先生に『ありがとうございました』と伝えてください。なぜ、処分までしなくてはいけないのか、私は疑問です。(社会の)自由が奪われるのは絶対にいや。聡史先生はそれに闘ってくれているのだから」とその生徒。教員にとって生徒の支持に勝る支えはありません。この生徒のことばに、田中さんはどんなにか励まされたことでしょう。私も本当にうれしかったです。
保護者の中にも、私たちが闘っていることを支持してくださる人たちがいることがわかります。高等部の一人の保護者は、「根津先生、いつもありがとうございます。私たちの間で根津先生のことはよく話をするんです」と言ってくださいました。お子さんのことでは一切接点のない方でした。闘っていることに対して感謝してくださったのです。田中さんのことについては私から伝えました。事実を明らかにすることから、理解が始まると思うからです。
私は昨年、免職にならずに定年退職になりました。逃げ切れた世代です。比して、若い人たちは、と考えると、外からできる支援は何でもしようと思います。皆様に対しても、ご支援・ご協力をお願いすることが出てくると思いますが、どうぞその時にはお力をお貸しください。(3月22日記)
追伸:高等部の卒業式に出席した職員が言っていたということで聞いた話です。「君が代」斉唱時、3人いる副校長は会場を忙しく動き回っていたそうです。不起立者の現認だとピンと来たとのこと。「それこそ、厳粛な式を壊している」と言っていた、ということでした。
小・中学部の時には一人は田中さんの現認担当、あとの二人は高等部の時と同じように、動き回っていたのでしょうね。その様子は保護者や生徒たちも目にしているはずです。