※人事委員会不服申立当該辻谷博子よりみなさまへ
※橋下教育改革で、大阪の子どもたちは笑顔になったのでしょうか?
2008年、橋下徹大阪市長が府知事として華々しく登場したとき、「子どもが笑う教育日本一をめざして」と公約しました。
ところが、大阪の子どもの状況はまったく良くなっていません。
経済的に厳しい家庭に給食費や学用品代を補助する就学援助制度の支給対象となった小中学生は2011年度に156万7831人に
上ったことが2012年9月30日、文部科学省の調査で判明しましたが、都道府県別にみると、大阪府は「27%」で、全国一です。
かつて、レイバーネットTVに出演された藤井啓之さんは、大阪の教育をよくするために、政治家がすべきことは、大阪の貧困問題に
取り組むことだと言われていました。
橋下教育改革は、貧困問題には取り組まず、競争原理と教育への市場の開放、教員の統制と管理にばかり力を入れてきた
結果がこれです。こうなると、橋下教育の狙いは、子どもの笑顔とは別にあったと考えざるを得ません。
下記に、藤井啓之さんの発言の一部を紹介します。
レイバーネットTV第19回放送「橋下さん、あんまりだっせ」全テキスト記録
http://www.labornetjp.org/news/2011/0923text
レイバーネットTV第19号・大阪教育特番「橋下さん あんまりだっせ」映像
http://www.ustream.tv/recorded/17451044
藤井:そもそも一番最初は、いやー大阪の人も芸人が好きだなあ、と(笑)、知事に通った時はそう思ってただけなんですね。
ところが私が急激に問題関心を持ったのは、学力テストがあって、大阪の順位が低い、ということで、テストの結果を公表しろ公表しろ、と。
公表することによって、学校間競争を煽る、というふうな動きに出たときに、おや待てよと。
教育の世界では、学力っていうのは、経済の状況、ですね、貧困と学力の関係ってのは密接にある、ってことが言われていたので、競争すれば済む話かな?というふうに思ったわけです。
そこでちょっと、昨日急遽作ったんですけど、フリップを流していただけますでしょうか。
<フリップ画像:2007年度、生活保護率上位順と中学学力テスト順位の併記>
藤井:これは、都道府県ごとの貧困率っていうのは、残念ながらデータがなかったので、生活保護の率を上位から、これは厚生労働省の資料から並べてみました。
2007年度のデータなんですけども、1位が大阪、2位北海道、3位高知、4位京都、と並んでいるんですが、これと丁度、2007年度の学力テストの中学校の日本の順位を並べてみたわけです。
多少、保護率とぴったり比例しているわけではないんですけども、見ていただければわかるように、非常に、貧困率というか、生活保護率の高い都道府県の順位が低くなっている。
これは都市と田舎とか、いろんな問題も絡んでくるので、単純には言えないんですけど、貧しい地域ほど学力は低い、という傾向が見てとれますよ、と。
逆にもう一つ、次のフリップを写していただきたいんですが。
<フリップ:2007年度、生活保護率下位順と中学学力テスト順位の併記>
藤井:今度は逆に、生活保護受給率の低い都道府県順に並べてみました。
富山、福井、長野、岐阜、と並んでいますが、見ていただけばわかるように、やっぱり生活保護率が低い所は、学力テストの順位が上位に来ているわけですね。
となるとこれは、競争を煽ってやっても、解決にならんだろう、と。
何よりも、知事の第一の仕事は、もしこれが、要するに貧困ということが学力の低さと結びついていると考えれば、その貧困をなくすことが、知事の第一の仕事なんじゃないか?というふうに思うんですね。(拍手)
それをやらずにおいて、教師を叩いて、競争させて、っていうふうな解決策を示した、っていう所で、ちょっとこれは危険だな、という所からハシズム分析に入っていった、ってことなんですね。