グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

映画『フタバから遠く離れて』を観て

2012-12-20 18:36:10 | 当該から

※グループZAZAの一員である山田肇さんの鑑賞記です。ご覧ください。

映画『フタバから遠く離れて』を観て

映画『フタバから遠く離れて』(舩橋淳監督)を見に行きました。
 
福島第1原発の爆発から、映像がはじまった。
そうだ。すべてはここから、この福島原発の爆発から
双葉町民はじめ、福島県民の避難がはじまったのだ。
この爆発によって、放射能がばらまかれ、住むところを追われた。
東電と国の原子力政策が元凶だ。
 
そして、騎西高校に避難した双葉町民の生活を映し出す。
毎食、弁当の生活。狭い一人一人のスペース。
家に帰れない。故郷には、もう住めない。
「人生そのものを奪われたに等しかった」
補償の分厚い書類を手に、
口ではない、腹で怒っていると話す人。
 
騎西高校の入り口に飾られた七夕飾り。
井戸川町長が、その短冊を手にとった。
「放射能がなくなって、家に帰れますように」と書いてあった。
なんという切実な願い。こう書かずにはいられなかった、子どもの思い。
だれが、このような思いにさせたのか。東電と国だ!
 
そして、チェルノブイリでは1ミリシーベルト以上で避難の権利があったのに、
この国は認めない。20ミリシーベルトだという。
さらに、東電は「賠償となれば牙をむく」
自分の住んでいた家は、半額以下に値切られ、新しい家など手に入れられない。
「人生、終わりだ」
「事故があったら、時間が止まっちゃうのよ」
「おおい町の人に教えてあげたいね。
もし、事故がおきたら、ウチも、土地も、家具も、庭のお花も畑も、
近所の仲間も、みんななくなっちゃうんだって。」
 
井戸川町長の「悔しいです」のことば。
一時帰宅で自分の家から、思いでの品を探しだす人々。
牧場でミイラと化した牛たち。
 
東電も国も誰も責任をとらない。
こんなことでいいのか。
国は福島県民の生命と安全を守らず、福島県民を棄民する。
この国のありようを変えねばなない。
 
 
ほかにも、いいたいことがありますが、あとは、映画をご覧になって下さい。
 
十三のシアターセブンで、12/21までは15:25から(12/22は休映)
              12/23~28までは11:00から、やっています。
 
 
最後に、映画をつくられた舩橋淳監督の立ち位置も素晴らしいです。
「私は、福島の避難民の窮状を正しく理解し、そこから原発を考えていくべきだと考えている。
そのためには、被害者意識ではなく、当事者意識に訴えることが肝要である、と思う。」
と、映画と同名の『フタバから遠く離れて』(岩波書店)で書かれている。
 
そうです。
この映画は、「まったくの他人事として」とられてしまう映画として作られていないのです。
原発をどうするか、この国のありようはどうなのかを問う映画でもあるのです。
 
『フタバから遠く離れて』(岩波書店)、この本も、ぜひ、読まれるといいと思います。
コメント
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