立山山麓・東福寺野の雪(8)・・・淋しくないのかしら

　雪雲が低く垂れ込め、雪の山がわずかに見えるものの、一面真っ白のなかにお墓がひとかたまりになって立っていました。
　墓そのものは富山の例にもれず立派ですが、そのシチュエーションは、自然に囲まれているとはいっても、あまりに淋しいなあと思いました。吹雪が吹きすさび、雪が大量に降り積もり、訪れる人どころか人影を見ることも少なく・・・。「死ぬほど淋しい・・・・」などと言えば冗談が過ぎますが、私にはそんな感じがぬぐえません。
　富山の人たちの自然観というか対人間観というか、そういうものが現れているのかも知れないと思いました。人間の間にいるよりは、自然の中でこうしている方が、落ち着くとか・・・

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立山山麓・東福寺野の雪(7)・・・高圧鉄塔と白い雪原と

　田んぼか畑か分かりませんが、真っ白な雪原になっています。その向こうには高圧鉄塔の頂上部だけが見えるという滅多に見ない風景です。そしてその向こうには立山の高い峰へとつながる山が見えます。
　関西から来た人間には、こういう景色も不思議に心引かれたりします。景色が大きいというのでしょうか。関西の風景は、良くも悪くも人間が飼い慣らしたという感じがあるのですが、ここでは大きな自然に人間がちょっとだけかかわっていると感じてしまいます。高圧鉄塔も高圧線もおとなしく自然に溶け込んでいます。

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立山山麓・東福寺野の雪(6)・・・平地から遠望すると

　連載中の「立山山麓・東福寺野」は、私の住むところから見るとこのようです。立山の山裾にかなり広々と白く拡がっている、ゆるやかな傾斜地がそれです。平地よりわずかに高いのですが、気象的にはかなりの違いを見せてくれます。
　ここの白い広がりが消えると、春がやって来るという感じになります。そこへ上れば、まだまだ冬の最中なのです。そしてこの高台からは富山市・滑川市の平地がわずかに見えるだけで、海の広がりほうがよく見えます。下から見るのと、高台に上ってみるのとでは、大きく異なった感じになります。

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雪降ったり止んだり、天候定まらず

　富山の天候は、毎日猫の目のように変わります。雪が降ったり止んだり、一瞬晴れたかと思うともう雲に覆われていたり、暖かくなったかと思えば急に冷えて「低温注意報」が出たり、・・・。雪で白くなったかと思えばすぐに解けて、また白く一変したり、立山もめったに姿を現わさなかったり、雲間から少し見えたかと思っていると、全体が見事に現れたりと・・・・
　常ならないというか、定まらないというか、そのもとで暮らしている人間は、なにか落ち着かずうろうろとしています。私も風邪気味で、直ったような、また悪くなったような、・・・・油断するともっとひどくやられそうな、びくびくしています。

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