不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Cerimonia del Te

2004-05-01 23:54:12 | まち歩き
フィレンツェに暮らす日本人はかなり大勢います。
その中でも、学生ではなく独自の活動を展開している様々な人たち。
長く暮らしても、そういう人たちとの接点がなかなかない私ですが、
今日は久々に「お茶の先生」である友人のところへ出向いてきました。

彼女はこちらにきて7年になる、非常に落ち着いた女性。
広い自宅の一部を開放して
イタリア人対象に茶道のお稽古をしています。
私が友人を連れて四人でご自宅に伺ったときには
まだイタリア人男性にお稽古をしている最中でした。
お稽古をしている着物姿の彼女はとても凛々しくありました。

少しだけ見学させてもらいましたが、興味深いものですね。
(イタリア人がお茶をたてているというのも既に興味深いけれど)
一つ一つの動きが計算されていて、そして優雅で。
こういう作法の一つ一つをイタリア人がどこまで理解できるのだろうと
それよりも、現代に生きる我々日本人だって
どこまで本当に理解して嗜むことができるのだろうとつい考えてしまいます。

ちょうどお稽古をしていた男性は
始めてから6ヶ月ということでしたが
彼女も絶賛するほど優秀なお弟子さんのようです。

そして、彼のお稽古が終わると
彼女自身がお茶を立ててくれて「お手前」を受けます。

今回伺ったのは我々4人もお勉強のため。
実は5月22・23日にModenaで野点の
エキシビションがあり、それに彼女が招かれているということで
もちろんお茶を立てるのはお師匠である彼女ですが、
そこに「お客さん」として参加し、
お手前を受ける係をさせていただくかもしれないので。

ということで、お稽古が終わったばかりの彼(フランチェスコ君)に
一客をやってもらい、それを真似してお勉強。
基本は「茶器を大事に扱い」「常に自分の前で所作を行い」
「参加している全員に気を配る」ことができれば、
そう作法違いなことはないわけですね。
といっても、一つ一つの動きに戸惑ってしまうんですけどね。

私はこういう日本の文化に触れずにやってきて
どちらかというとがさつで野蛮なことばっかりなので
内心どきどき。

でもここのところ疲れていた心がすっと解き放たれるような感じで
これって一種の癒しなんだなって実感しました。
イタリアの住宅の中に畳を広げ、掛け軸がかけられ
花が生けられ、お茶のセットが置かれている。
なんとも不思議な空間でのひとときでした。

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