まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

旅は道連れ バス車中 オジサン二人

2018-01-12 08:52:06 | 旅行

集合場所の上大岡からバスに乗り込んだ。後ろの座席で挨拶の声。
お互いに「○○です。よろしくお願いします」と聞こえてくるから、ああおひとり同士の方たちなんだなと。

 (バス車窓から 常陸利根川)

バスが発車するやいなや神武寺氏(お住まいの場所、以後この呼び名で)がいきなり、
「いやあ、入れ歯を忘れてきて、まいっちゃいますよ。こりゃあ昼は柔らかいものしか食べられないな」
なんて。それを聞いてお隣の席の文庫氏(お住まいの場所、以後この呼び名で)、
「私も入れ歯ですけどね、それは大丈夫なんですよ、柔らかいもの、ありますよ」
と優しくフォローしている。
あっ、言っておきますけどね、私決して耳をダンボにして聞いていたわけではありません、自然に聞こえてくるんです。
で、入れ歯話でしばらく。

「猫が3時ころに布団の中に入ってきて起こすんですよ、餌寄越せって」と神武寺氏。かわいいもんです。
そういや猫ばかり撮っている番組がありますよね、と文庫氏。
猫話でしばし。

「2、3日前から咳が出て止まらないんですよ、いや熱は出てないんです。風邪かと思ったけど熱はないし。
薬局行って咳止めの薬買って飲みました。止まってよかったですよ」と神武寺氏。
「風邪なら熱が出るよね、来れてよかった」と文庫氏。

私ね、会話はご挨拶の意味を込めてせいぜい横浜までの30分ぐらいで終了するかと思っていたのよ。
いやいや甘かったね。最初の成田山新勝寺まで途切れることなくお話している。
神武寺氏7割、文庫氏3割。
我らオバサンたちだってひと息入れて沈黙の時があるというのに、オジサン二人は飽きることなく話している。
文庫氏の聞き上手なこと。私なら話しかけないでオーラ出すところなのにそんな気配もない。
話の内容からお二人ともひとり暮らしの方だと判明。

ホテルのランチバイキング。
席を一つ挟んだ先にお二人。神武寺氏白ワイン、文庫氏ビール、夫日本酒。
私がコーヒーを取りに行ったら夫の大きな声が聞こえてきて。
「あっちまで聞こえていたよ、恥ずかしい」と苦言を呈したら、神武寺氏が、
「奥さん、声の大きい人に悪い人はいませんよ。浮気をする人はこそこそ声の人ですよ」と。
そこで文庫氏が、
「ご主人に逆鉾だと教えてもらったんですよ、ふたりとも名前が出て来なくて。スッキリしましたわ」ですって。

そういや、相撲問題でも盛り上がっていたものね。
まつ毛のおばさんとか言って、TV情報貴乃花のあれこれを取り上げてどうたらこうたら言ってたわ。
夫も聞いていたのね、それで口を挟んだわけか。はああ。

でもそこは男性だ。3寺社はすべて別行動、つるんで歩いたりしない。己の行く道歩く。

 (利根川)

で、バスに乗り込むとすぐに会話が始まる。
帰りだって鹿島神宮から上大岡までの約3時間しゃべりっぱなし。神武寺氏7割文庫氏3割、変化なし。
マンションと戸建ての自治会の苦労話。
エンディングノートに書き記す内容。
私、かくなるうえはとメモッたわ。話に聞き入ったわ。

神武寺氏。新勝寺では大吉、香取神宮では中吉、鹿島神宮では半吉のおみくじ引いて。
吉揃いで縁起がいいって話は3回くらい繰り返し。
凶もいいんですよ、と文庫氏。
そのほかお酒の話、ひとり暮らしレシピの紹介、ボランティア活動の苦労話もろもろ。
神武寺氏の障害児支援の活動には聞いていても頭が下がったわ。

ようよう終点上大岡に着いた。降りるとき神武寺氏が、
「すみません、うるさかったでしょ。ごめんね、二人とも年が同じなんですよ77歳で。
私8になったばかりでこちらこれから。いつもなら寝ているけど、いい人が隣に座って話を聞いてもらえて。
よかったですよ」
文庫氏、
「来週は頭に小松まで雪景色撮りに行きます」って。

旅を楽しむ人生の先輩お二人の姿みて、自分の心がけひとつで日々の彩りは増すのねと思ったわ。
素敵なお土産もらった。

 

コメント
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