電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

村上もとか『JIN~仁~』第8巻を読む

2011年11月21日 06時02分41秒 | 読書
集英社漫画文庫版の村上もとか著『JIN~仁~』全13巻シリーズも、第8巻まで到達しました。前巻に続き、川越から江戸への帰路で、物語は始まります。

旅籠の娘お初が川から転げ落ち、木の枝が突き刺さって腹部出血、緊急に手術をすることになります。血液型はO型で、同じ型の咲さんが血液を提供し、輸血しながら執刀することにしますが、なぜか南方先生は消滅しそうになり、お初ちゃんは助かりませんでした。このことで、咲さんは三重の痛手を負います。一つ目は、輸血により相当に多くの血液を失ったこと。二つ目は、にもかかわらず少女を助けられなかったこと。三つめは、尊敬し愛する南方先生が眼前で消えかかったこと。咲さんの迷いは深いようです。

一方、江戸の仁友堂には、全国から40名異常の医師たちが、ペニシリンの製法と使用法を学ぶために集まって来ていました。その中には、シーボルトの子である楠本イネも混じっています。咲さんは、表紙イラストのように描かれた楠本イネ先生から励まされ、少し元気になります。産科が苦手な仁先生、楠本イネさんの経験を手助けに、幕末期無麻酔帝王切開を敢行!痛そう……(^o^;)>
生まれた赤ちゃんを「お初」と命名したと聞き、大井宿で助けられなかった少女のトラウマから、少しだけ解放されます。ここも、いい場面です。

そして南方先生は、幕府の軍艦で長崎へ。出島の精得館の医学所で、ペニシリンの講義と実習を行いますが、ボードウィン医師は経歴不明の南方先生を疑っています。そこへ起こったのが、グラバーへの傷害事件です。命に別状はなかったものの、刀傷を受けた箇所が、治療の難しいところです。南方先生は、ルーペと針金を用いて、涙小管断裂の手術に成功し、眼科が専門のボードウィン医師も、南方先生の実力に感服してしまいます。

長崎では、さらにからくり儀右衛門こと田中久重と知り合い、坂本龍馬が結成した亀山社中の面々とも大宴会(^o^)/
龍馬クンは、咲さんに顔向けできないようなことを画策するのですが、堅物の仁先生には残念ながら空振りに終わります。さらに坂本龍馬クン、グラバー邸では東修介の白刃を前にして、「新しい世界が見てみたい」と豪語します。うーん、このあたり、どうしても坂本龍馬=内野聖陽のイメージになってしまいます(^o^)/


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