徒然なか話

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マーティン・スコセッシ版「沈黙」の映画化と “ じゃがたらお春 ”

2013-05-20 21:10:27 | イベント
 マーティン・スコセッシ監督による遠藤周作原作「沈黙」の映画化がやっと動き始めたようだ。渡辺謙の出演なども報じられている。映画化の話を僕が初めて知ったのが7、8年前。これまで話が出ては消え、出ては消えの繰り返しだった。スコセッシ監督が構想を抱いてから既に20年が経つという。今度こそ実現を期待したい。この「沈黙」はキリスト教が厳しい弾圧を受けていた「島原の乱」直後の日本に密入国したポルトガル人宣教師の過酷な運命を描いた物語。
 そんなことを考えていたら、ふと「じゃがたらお春」のことを思い出した。「じゃがたらお春」というのは同じ時代、イタリア人航海士と日本女性との間に生まれた混血児で、徳川幕府の外国人(混血児を含む)追放により、寛永16年(1639)、14歳の若さで長崎から「じゃがたら」今の「ジャカルタ」へ追放された女性。ジャカルタから日本の知人へ「日本恋し」と書き送った「じゃがたら文」が有名。下のザ・わらべが踊る「長唄 流れ灯」はそんなお春を思いやった唄で「一の瀬橋のほとりの蛍茶屋から精霊流しの舟にホタルを乗せてお春の待つじゃがたらへ流れ灯を届けたい」と歌っている。
※右の写真は篠田正浩監督版「沈黙 SILENCE(1971)」

▼「長唄 流れ灯」