徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

ブラタモリがあぶり出した負の遺産

2017-03-05 14:53:19 | 歴史
 昨夜のブラタモリは、「自然をいかした 奄美の“宝”とは!?」というテーマで、奄美自慢の特産品「大島紬(つむぎ)」や黒糖など、江戸時代からの厳しい環境と、人々の知恵が紹介されたが、図らずも「薩摩藩の圧政」という負の遺産があぶり出された。島のいたるところでさとうきびづくりが強制され、人々は蘇鉄を食べて飢えをしのぐしかなかったという。そこには島の人々を差別する内地の思想が透けて見える。これはけっして薩摩藩だけの問題ではなく、維新後も明治・大正・昭和と御代は変わっても続き、近年、「近代化産業遺産」として世界文化遺産となった三池炭鉱関連施設でも、重労働の石炭荷役に、与論島出身の人々を不当に低い賃金で働かせるという差別が存在したと聞く。



【付け足し】
 ブラタモリの熊本編が放送されたのは、1回目が昨年の3月19日、2回目が4月2日。
 2回目が放送されて間もない4月14日の震度7という前震に始まる熊本地震は、熊本・大分両県に甚大な被害をもたらし、やがて1年経とうとしている現在、復旧復興はまだ緒についたばかり。既に何度か再放送された熊本編を見る度、複雑な感情が湧き起こるのを禁じ得ない。