今日の一般質問の原稿です。
いつもよりちょっと短めですが、再質問含めて、持ち時間ちょうどの30分
ご笑覧を。
なお、正式な議事録ではありませんので引用は慎重に願います。
今月8日未明、日本の国のかたちを変えると言われる出入国管理法の改正案の採決が強行されました。事実上の移民受入れ政策への転換と言われます。確かに歴史的な法改正ですが、実はすでに日本は多くの移民を受け入れている移民大国でもあります。OECDは国内に1年以上滞在する外国人を移民と定義しています。2016年の統計では日本は42万人の外国人を受け入れ、OECD加盟35か国中第4位の移民大国です。その一方で国内的には移民と認めず、いないふりをするのが日本の国策でした。すでに都市部の24時間営業のコンビニや多くの外食産業、注文翌日の宅配など日本人の便利で快適な暮らしが外国人労働者なしで成り立たないにもかかわらずいないふりです。結果として労働者としての権利保障は不十分で、賃金の不払いや最低賃金以下の低賃金、長時間労働などの違法行為がまかり通っています。法案提出後にも技能実習生の劣悪な労働条件や死亡事故の多発が次々と明らかとなりました。にもかかわらずこの延長線上に新たな在留資格を創設し、受け入れ枠を拡大していく、これが今回の法改正の最大の問題点です。
「労働力を受け入れたつもりだったが、来たのは人間だった」。これはスイス人マックス・フリッシュが50年以上も前に語った有名な言葉です。すでに多くの外国人労働者を受け入れている日本、珠洲市も同じですが、彼らを労働力ではなく人間として、そして地域で共に暮らす住民として付き合う準備ができているのかが問われています。国会審議で明らかになった数多くの問題点、石川県内の技能実習生ももちろん無関係ではありません。石川労働局にも毎年、数多くの労働法制違反にかかわる相談や勤務中の事故の報告が寄せられています。もちろんすべての受入れ事業所が悪徳業者だとか、珠洲も同じだとか言うわけではありませんが、制度の欠陥は国会議員はじめすべての国民が直視すべき問題です。
こうした中、本市に住む外国籍の方ですが、平成19年には200人を数え、その多くが技能実習生だったと思われます。近年は、全国的な傾向とは逆に減少傾向のようですが、人手不足状況は本市も例外ではありません。新たな在留資格となる技能1号の対象となる14業種の中には珠洲でも人手不足の業種がいくつも含まれており、4月以降の制度変更を受け、再び増加傾向に転じる可能性もあるのではないでしょうか。自治体としても多文化共生に向けた課題を考えていかなければなりません。そこで以下6点お聞きします。
まず、現在、本市に住民登録をおこなっている外国籍の方は何人いて、そのうち外国人技能実習生は何人か、出身国別の内訳もお聞きします。
2点目、外国人の技能実習制度の創設は1990年に始まるわけですが、昨年1年間だけでも技能実習生の失踪は全国で7000人余り、犯罪に関わったケース、巻き込まれたケースもあります。本市在住の技能実習生が失踪したケース、犯罪に関わったケースはあるでしょうか。
3点目、私は日本社会も医療保険や教育制度などしっかり整えたうえでゆっくりと外国人を受け入れていくべきだと思いますが、市長の外国人技能実習生の現状や今回の外国人労働者の受け入れ拡大の方針についての所見をお聞きしたいと思います。
4点目、本市では平成17年に策定された第5次総合計画で「市内在住外国人との交流推進」が盛り込まれ、現在の総合指針ではさらに踏み込み「多文化共生のまちづくりを推進し、外国人が暮らしやすいまちを目指します」と記載されています。珠洲市成人式では二十歳になった技能実習生も招待し共に成人を祝う光景はとてもいいことだと思いますが、あらためて多文化共生のまちづくりに向けてこの間取り組んできた事業、特に技能実習生との関係で実施している施策をお聞きします。
5点目、総務省は平成18年に多文化共生の推進を計画的、総合的に実施するため、全自治体に多文化共生に係わる指針・計画の策定を求めています。本市の対応は総合計画や総合指針に1行書くだけで終わりなのか、あらためて今回の法改正を受けての対応をお聞きします。
6点目、技能実習生は2年前の制度改正で最長5年間の在留が可能となり、加えて今回の出入国管理法の改正による特定技能1号の資格取得による5年間の在留期間と合わせて最長10年珠洲に滞在できることになります。これまでは3年間いて母国に帰る外国人でしたが、まさに地域で共に暮らす住民となります。身近な生活相談や住民間のトラブル対応、医療、防災など様々な問題に対応できる相談窓口が市役所に必要となると思いますが見解をお聞きし、大項目1番目の質問を終わります。
木ノ浦ビレッジについてお聞きします。
珠洲市政60年の節目の年にオープンし、その後の4年余り、指定管理者である株式会社日置之国の経営は順調に推移していましたので、この度の来年度以降の指定管理者を辞退したいとの申し入れには正直大変驚きました。理由をお聞きし、やむを得ないとも思うわけですが、この間の日置之国のコミュニティビジネスの取り組み、午前中の答弁ではソーシャルビジネスという表現が使われていまいたが、地域が抱える課題を、地域資源を活かしながらビジネス的な手法によって解決しようとする側面が強いと思いますので私はコミュニティビジネスと言わせていただきますが、このような取り組みで木ノ浦の景観的な魅力を発信するだけでなく、市内でも最も過疎化が進む日置地区の活力となり、さらに市外から人を呼び込む核の一つとなってきただけに非常に残念な思いです。
そこで、まず市長に、コミュニティビジネスとしての「日置之国」のこの間の取り組みの成果についてどのように評価されているか、お聞きしたいと思います。
今後については、新たな指定管理者を募集することになりますが、この間の日置地区の皆さんが積み重ねてきた取り組みがさらに発展するよう期待をしたいと思います。そこで、新たな指定管理者の選定にあたっては、コミュニティビジネスへの理解や取り組み姿勢を判断基準に入れるべきと思うわけですが市長の所見をお聞きしたいと思います。
次に珠洲ビーチホテルについてお聞きします。
運営を担う珠洲鉢ヶ崎ホテルの経営基盤強化を図るための運営資金貸付金1億円が補正予算に計上されました。昨年度は芸術祭が開催されたにも関わらず7年ぶりの赤字となり、今年度もV字回復は厳しそうです。こうした中、資金繰りを安定させ、インバウンドの集客強化などの経営改善策を実施し、経営の安定化を図りたいとのことです。
振りかえれば、平成8年6月、豊かな海づくり大会直前にオープンした珠洲ビーチホテルは、初年度実に8千万円もの赤字を計上するという荒波の中のスタートでした。県議会の中では加賀方面の議員を中心に、民間でも経営の厳しいホテル業に、三セクとはいえ県が手を出すべきではなく、早急に方向転換すべきという意見まであったわけです。それでも電力会社の保養所契約という荒業が売り上げの底支えをし、諸々の営業努力、経費削減の取り組みもあり、今日まで奥能登の交流人口の拡大に一役買ってきたことは事実だろうと思います。特に昨年度、ホテル部門だけをみれば、平成17年に電力会社の保養所契約が解除されて以降、最高の売上とのことで、オープン当初を知るものとしては、その努力は評価したいと思います。
問題はこれからです。1億円の貸付が貸倒れなり、市民に負担が残るようなことがあってはならず、鉢ヶ崎ホテルには一層の経営努力が求められます。同時に、ホテルを所有する奥能登開発公社、ウェーブ部門を主有する県との関係が気になります。2年後の平成32年度でホテルを所有する奥能登開発公社の建設費の償還が終わります。今後、大規模補修など維持管理に一段と経費がかかる時代を迎える中、県が鉢ヶ崎から手を引くようなことがあってはなりません。
そもそもなぜ県がホテル建設も含めた鉢ヶ崎リゾートに大きく踏み込んだのか。当時、私は、石川県政は奥能登の過疎化を放置し、原発誘致を進めていると批判してきました。これに対して当時の中西知事は、「県は奥能登、特に珠洲の過疎化に対して決して手をこまねいて何もしていないわけではない」とし、原発誘致とは関係なく「珠洲鉢ヶ崎を本県の観光拠点として整備を進める」と述べ、奥能登開発公社を活用し珠洲ビーチホテルの整備に着手したわけです。平成5年の9月県議会、8期31年間の中西知事の最後の県議会での発言です。私は今でも中西知事の狙いは原発誘致だったと思っていますが、谷本知事も含め、県は認めるわけがありません。観光拠点という表現がいま適切かどうかはともかく、県の奥能登振興の拠点の一つに変わりはなく、建設費の償還が終わるこれからこそ県や奥能登開発公社は所有者としての責任をしっかりと果たすべきと思いますが市長の所見をお聞きしたいと思います。
もう一点、お聞きしたいのは珠洲鉢ヶ崎ホテルの経費削減策です。電力市場の自由化にもかかわらず北電管内では新電力の参入が遅れていたわけですが、ここにきて参入が相次ぎ、経費の削減から新電力への切り替えを進める事業所や家庭も増えてきています。この度、水道光熱費の外部機関による診断に取り組むとのことですが、新電力への切り替えも含めてぜひ検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
再質問
経費削減について再質問します。新電力への切り替えも含めて検討を、というのはまずは見積もりを取ってはどうですかということです。必ず新電力が安くなるとは限らず、契約内容によっては北陸電力の方が安く、現状でいいという結果もありえます。また、新電力が安くても、北電からもさらに安い料金メニューの提示がありかもしれません。
過去の諸々の経緯はあるにしても、経営に責任を持つのは県や奥能登開発公社ではなく、あくまで珠洲市であり、主体的な判断を求めます。
次の質問は子育て支援策についてです。
まず就学援助の中の新入学児童生徒学用品費の前倒し支給についてです。就学援助は、経済的で理由で就学が困難な児童生徒の保護者に、学用品の購入や給食費、修学旅行費など、就学に必要な諸経費を援助する制度で、本市では今年度、39人が受給しています。
就学援助費は年3回に分けて直接支給されるわけですが、対象となる経費のうち新入学の準備に必要な経費については、今年度は金沢市をはじめとした県内15市町が就学前支給を実施しています。一般の家庭ですら家計にとってかなりの負担となる新入学準備ですから、入学前の必要な時期での支給が望まれていました。こうした声を受け、従来から独自で前倒し支給をしていた自治体もあるようですが、悲しいかな財源の問題がありました。しかし文科省は昨年3月、入学する前の年度に前倒しで支給しても国庫補助対象とする交付要綱の改正を行い、これによって一気に前倒し支給の自治体が拡大したようです。残る県内4自治体のうち、珠洲市を除く3町も変更を検討しているとしていると聞きます。
日本一幸せを感じられる珠洲市を目指すという市長なら、真っ先に取り組んでいても不思議でないわけですが、最後に残る市となってもまだ実施の動きがないとは一体どうしたことでしょうか。新入学児童生徒学用品費の支給時期については早急に就学前の2月あるいは3月に前倒しすべきと思いますがいかがでしょうか。
もう一点は、国民健康保険料の子ども均等割についてです。
国民健康保険税の均等割は、社会保険等にはない加入者一人ひとりにかかる制度です。したがって収入のない子どもにも人数分の賦課(ふか)がされることとなり、子どもさんの多い家庭ほど負担感が大きくなります。そこで全国知事会は子ども均等割の廃止を国に要望しているわけですが、残念ながら実現には至っていません。こうした中、加賀市では今年度から、子育て世帯の負担軽減を図るため、子ども均等割を半額にする減免制度を導入しました。
本市では、国保加入世帯中、子どもがいる世帯は97世帯、子ども総数は171人とのこと。仮に子ども均等割を廃止した場合の必要額は年間約590万円となります。国保会計が赤字で一般会計からの繰り入れがあるような状態ならばこのような提案はしません。しかし、本市の国保の基金残高は約7億円、加入者一人当たりでみると県内断トツのトップです。健康増進の取り組みなど加入者への様々な還元策が講じられていることは承知していますが、国保会計で苦しむ自治体ではできない、珠洲市ならば可能な子育て世帯への還元策であり、子ども均等割の廃止あるいは減免をぜひ実施すべきと思いますがいかがでしょうか。
次は珠洲市民図書館についてお聞きします。
外観が姿を現し、市民の皆さんから「立派な建物やねぇ」という声がよく聞かれるようになりました。しかし多くの場合、そこには新図書館開館への期待というより、「あんな立派なハコモノつくってどうするがいね」という批判が込められています。3月末開館予定とのことですから、本来ならまもなく開館100日前、カウントダウンで期待を高めていってもいいと思うわけですが、残念ながら市民の皆さんの間でそのような気運は感じられません。
もともと現在の中央図書館を利用したことがないという市民の方も少なからずおられますから、そりゃ仕方ないと言って聞き過ごすわけにはいきません。9月議会で可決した珠洲市民図書館条例の第1条には珠洲市民図書館設置の目的が書かれています。従来の中央図書館設置条例にはない大切な記載であり、あらためて設置目的を紹介しますと、「すべての市民の知的自由を確保し、知りたい、学びたい、楽しみたいという欲求に応えることで、市民による主体的なまちづくり活動の推進及び文化的で心豊かな生活の実現に資するため」とあります。ポイントはいくつもあると思いますが、まず何より対象はすべての市民だということです。さらに知的欲求に応え、個人の精神的な豊かさだけでなくまちづくりにも役立つ施設だということです。病院や飯田高校、緑丘中学校の近くにあるからそれでいいとか、蔵書が増えるから大丈夫という話ではなく、この目的達成のためにはそれ相応の運営方針と、それを担う専門的職員が不可欠です。開館まであと100日余りとなった今でも、新図書館の運営は、現在の中央図書館の運営と比較し、何がどのように充実するのか見えてこないことが「立派な建物やねぇ」という言葉で終わってしまう原因ではないでしょうか。
こうした観点から、以下5点お聞きしたいと思います。
まず、基本的運営方針についてです。文科省が示す「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」では、基本的運営方針を策定し、公表するよう努めるとしています。本市の対応をお聞きします。
2点目、今定例会では図書館長の報酬を定める条例が提案され、施行日は1月1日となっています。新館長には新図書館の船出にあたり、しっかりとかじ取りを担っていただけなければなりません。決して単なる名誉職ではありません。司書資格は必要条件ではありませんが、先の文科省の基準では、館長には司書資格を有する者を任命することが望ましいとされています。新たに任命する館長には、司書資格を求めるのでしょうか。
現在、新図書館で図書館活動にかかわるボランティアの募集が行われています。近年、多くの公立図書館では、読み聞かせやイベントの補助、返却本の配架など様々な図書館サービスの分野でボランティアの方々が活躍しています。新図書館でも多くの方が関わっていただければありがたいことだと思いますが、注意しなければならないのは、運営がボランティア頼みとなってはいけないということです。ボランティアで図書館の骨格は作れません。そこは図書館に関する専門職である司書の重要な役割です。文科省の基準では、教育委員会は、図書館で専門的なサービスを実施するために必要な数の司書及び司書補を確保するよう、積極的な採用及び処遇改善に努めることが求められおり、全国平均では図書館職員の約半数が司書資格を持っています。そこで3点目の質問ですが、新図書館での司書の必要数をどのように考えておられるのか、そして司書の確保の方針についてお聞きします。
次に新図書館と学校図書館との関係についてお聞きします。図書館運営の大事な課題です。検討委員会の答申でも具体的な提案が何点も記載されているわけですが、どのような連携を考えているかお聞きします。
関連して、現在、学校図書館司書として司書資格を有する4人の方が配置されているわけですが、教育委員会の中の籍は学校教育係となっています。新図書館移行後は新図書館に籍を置き活動したほうが、学校図書館への支援体制を強化できるのではないかと思いますがいかがでしょうか。
最後の質問は、学校の多忙化解消の取り組みについてです。
昨年からようやく時間外勤務時間の記録が始まり、今年度は多忙化解消アクションプランに基づく取り組みも始まりました。持ち帰り仕事や休憩時間の把握などの面でまだまだ課題も残りますが、異常な多忙化の実態の見える化が進み、原因の分析や改善に向けた対策を議論しやすくなったことは前進だと思います。
県の多忙化改善推進協議会は先月29日、上半期の調査結果がまとめられたことから昨年度との比較や今年度の新たに取り組んだ8月のリフレッシュウィークや毎月の定時退校日の設定などの取り組みの効果を検証しています。そこで今回は、県全体との比較の中で見えてくる本市の課題について、まず2点お聞きしたいと思います。
上期の集計結果を県全体と比較しますと、目を引くのは本市中学校の時間外勤務時間の大幅な削減です。県全体では約7%の削減、これはほぼ部活の休養日設定の効果であり、校務分掌や教材研究の時間外勤務の削減にはつながっていません。これに対し本市の中学校では、削減率は16.8%と県全体の2倍以上で、部活の削減プラス校務分掌でも削減の成果を確認することができます。特に緑丘の削減は大きく、今年度から配置されたスクールサポーターの効果もしっかり現れているのではないでしょうか。
一方の小学校ですが、削減率はわずか1.3%。一日あたりで換算するとほんの1,2分で、これではほとんど多忙化解消の実感なしと言っていいでしょう。県全体でも小学校の削減率は3.8%と中学校より低くなっていますが、本市小学校はそれよりさらに低くなっています。中学校では校務分掌の削減が見られましたが、小学校でほとんど削減されていません。原因をどのように分析しておられるかお聞きします。
もう一点、気になったのが市内全校通じて宝立小中学校の時間外勤務時間の数字の高さです。中学にあたる後期課程も比較的高くなっていますが、特に小学校にあたる前期課程が顕著です。大谷小中の前期課程も昨年度は全小学校の平均を大きく上回っていました。小中一貫は縦の意思疎通を密にするため、どうしても会議が増えるようですが、大谷小中は、今年度は大きく減少しています。小中一貫制度ゆえの多忙化でしょうか。あるいは他の要因があるのでしょうか。
最後に、平成32年度は80時間超過の教員を全校種ゼロにするという目標に向けた取り組みについてです。上期、平均80時間を超えている小学校教職員の割合は昨年の7.7%に対して今年度は6.8%、中学校教職員は昨年の39.7%に対して今年度は22.3%となっています。小学校の割合は中学校と比べて低いとはいえ先ほど指摘した時間外労働時間の削減と同様、減少傾向は弱く、全校種ゼロが達成できるのかは不透明です。一方、中学校の減少率は小学校と比べ大きくなっていますが、80時間以上の割合自体が依然としてかなり高い状態です。
そもそも論となりますが、目標が過労死ラインの80時間でいいのかという問題があります。昨年の9月議会でも原則上限月45時間という労基法改正の動きを指摘してきましたし、実際、先日6日には中教審働き方改革特別部会で、同様の原則上限45時間の指針案が了承されています。また、数字で現れる課題を解決することも大事ですが、働き方の質にも注目しなければなりません。今年県内の教育界で広まった新語流行語に時短ハラスメントという言葉があります。早く帰れ、帰れ、まだ終わらないのか、この能力なしと批判するハラスメントです。実際はこのような露骨な表現まではないとしても、業務量を減らさず、短い時間で終わらせろというのは、民間企業で言うなら完全な労働強化であり、職場の軋轢、ストレスはさらに高まります。本来の目的である教職員が子どもたちと向き合う時間を確保する、子どもたちの豊かな学びの環境を保障するということを忘れず、取り組みを進めていただきたいと思います。このような課題もぜひ念頭に置いていただきたいわけですが、あらためて「平成32年度で全校種ゼロ」に向け、今後の進め方を教育長にお聞きして質問を終わりたいと思います。
いつもよりちょっと短めですが、再質問含めて、持ち時間ちょうどの30分
ご笑覧を。
なお、正式な議事録ではありませんので引用は慎重に願います。
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今月8日未明、日本の国のかたちを変えると言われる出入国管理法の改正案の採決が強行されました。事実上の移民受入れ政策への転換と言われます。確かに歴史的な法改正ですが、実はすでに日本は多くの移民を受け入れている移民大国でもあります。OECDは国内に1年以上滞在する外国人を移民と定義しています。2016年の統計では日本は42万人の外国人を受け入れ、OECD加盟35か国中第4位の移民大国です。その一方で国内的には移民と認めず、いないふりをするのが日本の国策でした。すでに都市部の24時間営業のコンビニや多くの外食産業、注文翌日の宅配など日本人の便利で快適な暮らしが外国人労働者なしで成り立たないにもかかわらずいないふりです。結果として労働者としての権利保障は不十分で、賃金の不払いや最低賃金以下の低賃金、長時間労働などの違法行為がまかり通っています。法案提出後にも技能実習生の劣悪な労働条件や死亡事故の多発が次々と明らかとなりました。にもかかわらずこの延長線上に新たな在留資格を創設し、受け入れ枠を拡大していく、これが今回の法改正の最大の問題点です。
「労働力を受け入れたつもりだったが、来たのは人間だった」。これはスイス人マックス・フリッシュが50年以上も前に語った有名な言葉です。すでに多くの外国人労働者を受け入れている日本、珠洲市も同じですが、彼らを労働力ではなく人間として、そして地域で共に暮らす住民として付き合う準備ができているのかが問われています。国会審議で明らかになった数多くの問題点、石川県内の技能実習生ももちろん無関係ではありません。石川労働局にも毎年、数多くの労働法制違反にかかわる相談や勤務中の事故の報告が寄せられています。もちろんすべての受入れ事業所が悪徳業者だとか、珠洲も同じだとか言うわけではありませんが、制度の欠陥は国会議員はじめすべての国民が直視すべき問題です。
こうした中、本市に住む外国籍の方ですが、平成19年には200人を数え、その多くが技能実習生だったと思われます。近年は、全国的な傾向とは逆に減少傾向のようですが、人手不足状況は本市も例外ではありません。新たな在留資格となる技能1号の対象となる14業種の中には珠洲でも人手不足の業種がいくつも含まれており、4月以降の制度変更を受け、再び増加傾向に転じる可能性もあるのではないでしょうか。自治体としても多文化共生に向けた課題を考えていかなければなりません。そこで以下6点お聞きします。
まず、現在、本市に住民登録をおこなっている外国籍の方は何人いて、そのうち外国人技能実習生は何人か、出身国別の内訳もお聞きします。
2点目、外国人の技能実習制度の創設は1990年に始まるわけですが、昨年1年間だけでも技能実習生の失踪は全国で7000人余り、犯罪に関わったケース、巻き込まれたケースもあります。本市在住の技能実習生が失踪したケース、犯罪に関わったケースはあるでしょうか。
3点目、私は日本社会も医療保険や教育制度などしっかり整えたうえでゆっくりと外国人を受け入れていくべきだと思いますが、市長の外国人技能実習生の現状や今回の外国人労働者の受け入れ拡大の方針についての所見をお聞きしたいと思います。
4点目、本市では平成17年に策定された第5次総合計画で「市内在住外国人との交流推進」が盛り込まれ、現在の総合指針ではさらに踏み込み「多文化共生のまちづくりを推進し、外国人が暮らしやすいまちを目指します」と記載されています。珠洲市成人式では二十歳になった技能実習生も招待し共に成人を祝う光景はとてもいいことだと思いますが、あらためて多文化共生のまちづくりに向けてこの間取り組んできた事業、特に技能実習生との関係で実施している施策をお聞きします。
5点目、総務省は平成18年に多文化共生の推進を計画的、総合的に実施するため、全自治体に多文化共生に係わる指針・計画の策定を求めています。本市の対応は総合計画や総合指針に1行書くだけで終わりなのか、あらためて今回の法改正を受けての対応をお聞きします。
6点目、技能実習生は2年前の制度改正で最長5年間の在留が可能となり、加えて今回の出入国管理法の改正による特定技能1号の資格取得による5年間の在留期間と合わせて最長10年珠洲に滞在できることになります。これまでは3年間いて母国に帰る外国人でしたが、まさに地域で共に暮らす住民となります。身近な生活相談や住民間のトラブル対応、医療、防災など様々な問題に対応できる相談窓口が市役所に必要となると思いますが見解をお聞きし、大項目1番目の質問を終わります。
木ノ浦ビレッジについてお聞きします。
珠洲市政60年の節目の年にオープンし、その後の4年余り、指定管理者である株式会社日置之国の経営は順調に推移していましたので、この度の来年度以降の指定管理者を辞退したいとの申し入れには正直大変驚きました。理由をお聞きし、やむを得ないとも思うわけですが、この間の日置之国のコミュニティビジネスの取り組み、午前中の答弁ではソーシャルビジネスという表現が使われていまいたが、地域が抱える課題を、地域資源を活かしながらビジネス的な手法によって解決しようとする側面が強いと思いますので私はコミュニティビジネスと言わせていただきますが、このような取り組みで木ノ浦の景観的な魅力を発信するだけでなく、市内でも最も過疎化が進む日置地区の活力となり、さらに市外から人を呼び込む核の一つとなってきただけに非常に残念な思いです。
そこで、まず市長に、コミュニティビジネスとしての「日置之国」のこの間の取り組みの成果についてどのように評価されているか、お聞きしたいと思います。
今後については、新たな指定管理者を募集することになりますが、この間の日置地区の皆さんが積み重ねてきた取り組みがさらに発展するよう期待をしたいと思います。そこで、新たな指定管理者の選定にあたっては、コミュニティビジネスへの理解や取り組み姿勢を判断基準に入れるべきと思うわけですが市長の所見をお聞きしたいと思います。
次に珠洲ビーチホテルについてお聞きします。
運営を担う珠洲鉢ヶ崎ホテルの経営基盤強化を図るための運営資金貸付金1億円が補正予算に計上されました。昨年度は芸術祭が開催されたにも関わらず7年ぶりの赤字となり、今年度もV字回復は厳しそうです。こうした中、資金繰りを安定させ、インバウンドの集客強化などの経営改善策を実施し、経営の安定化を図りたいとのことです。
振りかえれば、平成8年6月、豊かな海づくり大会直前にオープンした珠洲ビーチホテルは、初年度実に8千万円もの赤字を計上するという荒波の中のスタートでした。県議会の中では加賀方面の議員を中心に、民間でも経営の厳しいホテル業に、三セクとはいえ県が手を出すべきではなく、早急に方向転換すべきという意見まであったわけです。それでも電力会社の保養所契約という荒業が売り上げの底支えをし、諸々の営業努力、経費削減の取り組みもあり、今日まで奥能登の交流人口の拡大に一役買ってきたことは事実だろうと思います。特に昨年度、ホテル部門だけをみれば、平成17年に電力会社の保養所契約が解除されて以降、最高の売上とのことで、オープン当初を知るものとしては、その努力は評価したいと思います。
問題はこれからです。1億円の貸付が貸倒れなり、市民に負担が残るようなことがあってはならず、鉢ヶ崎ホテルには一層の経営努力が求められます。同時に、ホテルを所有する奥能登開発公社、ウェーブ部門を主有する県との関係が気になります。2年後の平成32年度でホテルを所有する奥能登開発公社の建設費の償還が終わります。今後、大規模補修など維持管理に一段と経費がかかる時代を迎える中、県が鉢ヶ崎から手を引くようなことがあってはなりません。
そもそもなぜ県がホテル建設も含めた鉢ヶ崎リゾートに大きく踏み込んだのか。当時、私は、石川県政は奥能登の過疎化を放置し、原発誘致を進めていると批判してきました。これに対して当時の中西知事は、「県は奥能登、特に珠洲の過疎化に対して決して手をこまねいて何もしていないわけではない」とし、原発誘致とは関係なく「珠洲鉢ヶ崎を本県の観光拠点として整備を進める」と述べ、奥能登開発公社を活用し珠洲ビーチホテルの整備に着手したわけです。平成5年の9月県議会、8期31年間の中西知事の最後の県議会での発言です。私は今でも中西知事の狙いは原発誘致だったと思っていますが、谷本知事も含め、県は認めるわけがありません。観光拠点という表現がいま適切かどうかはともかく、県の奥能登振興の拠点の一つに変わりはなく、建設費の償還が終わるこれからこそ県や奥能登開発公社は所有者としての責任をしっかりと果たすべきと思いますが市長の所見をお聞きしたいと思います。
もう一点、お聞きしたいのは珠洲鉢ヶ崎ホテルの経費削減策です。電力市場の自由化にもかかわらず北電管内では新電力の参入が遅れていたわけですが、ここにきて参入が相次ぎ、経費の削減から新電力への切り替えを進める事業所や家庭も増えてきています。この度、水道光熱費の外部機関による診断に取り組むとのことですが、新電力への切り替えも含めてぜひ検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
再質問
経費削減について再質問します。新電力への切り替えも含めて検討を、というのはまずは見積もりを取ってはどうですかということです。必ず新電力が安くなるとは限らず、契約内容によっては北陸電力の方が安く、現状でいいという結果もありえます。また、新電力が安くても、北電からもさらに安い料金メニューの提示がありかもしれません。
過去の諸々の経緯はあるにしても、経営に責任を持つのは県や奥能登開発公社ではなく、あくまで珠洲市であり、主体的な判断を求めます。
次の質問は子育て支援策についてです。
まず就学援助の中の新入学児童生徒学用品費の前倒し支給についてです。就学援助は、経済的で理由で就学が困難な児童生徒の保護者に、学用品の購入や給食費、修学旅行費など、就学に必要な諸経費を援助する制度で、本市では今年度、39人が受給しています。
就学援助費は年3回に分けて直接支給されるわけですが、対象となる経費のうち新入学の準備に必要な経費については、今年度は金沢市をはじめとした県内15市町が就学前支給を実施しています。一般の家庭ですら家計にとってかなりの負担となる新入学準備ですから、入学前の必要な時期での支給が望まれていました。こうした声を受け、従来から独自で前倒し支給をしていた自治体もあるようですが、悲しいかな財源の問題がありました。しかし文科省は昨年3月、入学する前の年度に前倒しで支給しても国庫補助対象とする交付要綱の改正を行い、これによって一気に前倒し支給の自治体が拡大したようです。残る県内4自治体のうち、珠洲市を除く3町も変更を検討しているとしていると聞きます。
日本一幸せを感じられる珠洲市を目指すという市長なら、真っ先に取り組んでいても不思議でないわけですが、最後に残る市となってもまだ実施の動きがないとは一体どうしたことでしょうか。新入学児童生徒学用品費の支給時期については早急に就学前の2月あるいは3月に前倒しすべきと思いますがいかがでしょうか。
もう一点は、国民健康保険料の子ども均等割についてです。
国民健康保険税の均等割は、社会保険等にはない加入者一人ひとりにかかる制度です。したがって収入のない子どもにも人数分の賦課(ふか)がされることとなり、子どもさんの多い家庭ほど負担感が大きくなります。そこで全国知事会は子ども均等割の廃止を国に要望しているわけですが、残念ながら実現には至っていません。こうした中、加賀市では今年度から、子育て世帯の負担軽減を図るため、子ども均等割を半額にする減免制度を導入しました。
本市では、国保加入世帯中、子どもがいる世帯は97世帯、子ども総数は171人とのこと。仮に子ども均等割を廃止した場合の必要額は年間約590万円となります。国保会計が赤字で一般会計からの繰り入れがあるような状態ならばこのような提案はしません。しかし、本市の国保の基金残高は約7億円、加入者一人当たりでみると県内断トツのトップです。健康増進の取り組みなど加入者への様々な還元策が講じられていることは承知していますが、国保会計で苦しむ自治体ではできない、珠洲市ならば可能な子育て世帯への還元策であり、子ども均等割の廃止あるいは減免をぜひ実施すべきと思いますがいかがでしょうか。
次は珠洲市民図書館についてお聞きします。
外観が姿を現し、市民の皆さんから「立派な建物やねぇ」という声がよく聞かれるようになりました。しかし多くの場合、そこには新図書館開館への期待というより、「あんな立派なハコモノつくってどうするがいね」という批判が込められています。3月末開館予定とのことですから、本来ならまもなく開館100日前、カウントダウンで期待を高めていってもいいと思うわけですが、残念ながら市民の皆さんの間でそのような気運は感じられません。
もともと現在の中央図書館を利用したことがないという市民の方も少なからずおられますから、そりゃ仕方ないと言って聞き過ごすわけにはいきません。9月議会で可決した珠洲市民図書館条例の第1条には珠洲市民図書館設置の目的が書かれています。従来の中央図書館設置条例にはない大切な記載であり、あらためて設置目的を紹介しますと、「すべての市民の知的自由を確保し、知りたい、学びたい、楽しみたいという欲求に応えることで、市民による主体的なまちづくり活動の推進及び文化的で心豊かな生活の実現に資するため」とあります。ポイントはいくつもあると思いますが、まず何より対象はすべての市民だということです。さらに知的欲求に応え、個人の精神的な豊かさだけでなくまちづくりにも役立つ施設だということです。病院や飯田高校、緑丘中学校の近くにあるからそれでいいとか、蔵書が増えるから大丈夫という話ではなく、この目的達成のためにはそれ相応の運営方針と、それを担う専門的職員が不可欠です。開館まであと100日余りとなった今でも、新図書館の運営は、現在の中央図書館の運営と比較し、何がどのように充実するのか見えてこないことが「立派な建物やねぇ」という言葉で終わってしまう原因ではないでしょうか。
こうした観点から、以下5点お聞きしたいと思います。
まず、基本的運営方針についてです。文科省が示す「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」では、基本的運営方針を策定し、公表するよう努めるとしています。本市の対応をお聞きします。
2点目、今定例会では図書館長の報酬を定める条例が提案され、施行日は1月1日となっています。新館長には新図書館の船出にあたり、しっかりとかじ取りを担っていただけなければなりません。決して単なる名誉職ではありません。司書資格は必要条件ではありませんが、先の文科省の基準では、館長には司書資格を有する者を任命することが望ましいとされています。新たに任命する館長には、司書資格を求めるのでしょうか。
現在、新図書館で図書館活動にかかわるボランティアの募集が行われています。近年、多くの公立図書館では、読み聞かせやイベントの補助、返却本の配架など様々な図書館サービスの分野でボランティアの方々が活躍しています。新図書館でも多くの方が関わっていただければありがたいことだと思いますが、注意しなければならないのは、運営がボランティア頼みとなってはいけないということです。ボランティアで図書館の骨格は作れません。そこは図書館に関する専門職である司書の重要な役割です。文科省の基準では、教育委員会は、図書館で専門的なサービスを実施するために必要な数の司書及び司書補を確保するよう、積極的な採用及び処遇改善に努めることが求められおり、全国平均では図書館職員の約半数が司書資格を持っています。そこで3点目の質問ですが、新図書館での司書の必要数をどのように考えておられるのか、そして司書の確保の方針についてお聞きします。
次に新図書館と学校図書館との関係についてお聞きします。図書館運営の大事な課題です。検討委員会の答申でも具体的な提案が何点も記載されているわけですが、どのような連携を考えているかお聞きします。
関連して、現在、学校図書館司書として司書資格を有する4人の方が配置されているわけですが、教育委員会の中の籍は学校教育係となっています。新図書館移行後は新図書館に籍を置き活動したほうが、学校図書館への支援体制を強化できるのではないかと思いますがいかがでしょうか。
最後の質問は、学校の多忙化解消の取り組みについてです。
昨年からようやく時間外勤務時間の記録が始まり、今年度は多忙化解消アクションプランに基づく取り組みも始まりました。持ち帰り仕事や休憩時間の把握などの面でまだまだ課題も残りますが、異常な多忙化の実態の見える化が進み、原因の分析や改善に向けた対策を議論しやすくなったことは前進だと思います。
県の多忙化改善推進協議会は先月29日、上半期の調査結果がまとめられたことから昨年度との比較や今年度の新たに取り組んだ8月のリフレッシュウィークや毎月の定時退校日の設定などの取り組みの効果を検証しています。そこで今回は、県全体との比較の中で見えてくる本市の課題について、まず2点お聞きしたいと思います。
上期の集計結果を県全体と比較しますと、目を引くのは本市中学校の時間外勤務時間の大幅な削減です。県全体では約7%の削減、これはほぼ部活の休養日設定の効果であり、校務分掌や教材研究の時間外勤務の削減にはつながっていません。これに対し本市の中学校では、削減率は16.8%と県全体の2倍以上で、部活の削減プラス校務分掌でも削減の成果を確認することができます。特に緑丘の削減は大きく、今年度から配置されたスクールサポーターの効果もしっかり現れているのではないでしょうか。
一方の小学校ですが、削減率はわずか1.3%。一日あたりで換算するとほんの1,2分で、これではほとんど多忙化解消の実感なしと言っていいでしょう。県全体でも小学校の削減率は3.8%と中学校より低くなっていますが、本市小学校はそれよりさらに低くなっています。中学校では校務分掌の削減が見られましたが、小学校でほとんど削減されていません。原因をどのように分析しておられるかお聞きします。
もう一点、気になったのが市内全校通じて宝立小中学校の時間外勤務時間の数字の高さです。中学にあたる後期課程も比較的高くなっていますが、特に小学校にあたる前期課程が顕著です。大谷小中の前期課程も昨年度は全小学校の平均を大きく上回っていました。小中一貫は縦の意思疎通を密にするため、どうしても会議が増えるようですが、大谷小中は、今年度は大きく減少しています。小中一貫制度ゆえの多忙化でしょうか。あるいは他の要因があるのでしょうか。
最後に、平成32年度は80時間超過の教員を全校種ゼロにするという目標に向けた取り組みについてです。上期、平均80時間を超えている小学校教職員の割合は昨年の7.7%に対して今年度は6.8%、中学校教職員は昨年の39.7%に対して今年度は22.3%となっています。小学校の割合は中学校と比べて低いとはいえ先ほど指摘した時間外労働時間の削減と同様、減少傾向は弱く、全校種ゼロが達成できるのかは不透明です。一方、中学校の減少率は小学校と比べ大きくなっていますが、80時間以上の割合自体が依然としてかなり高い状態です。
そもそも論となりますが、目標が過労死ラインの80時間でいいのかという問題があります。昨年の9月議会でも原則上限月45時間という労基法改正の動きを指摘してきましたし、実際、先日6日には中教審働き方改革特別部会で、同様の原則上限45時間の指針案が了承されています。また、数字で現れる課題を解決することも大事ですが、働き方の質にも注目しなければなりません。今年県内の教育界で広まった新語流行語に時短ハラスメントという言葉があります。早く帰れ、帰れ、まだ終わらないのか、この能力なしと批判するハラスメントです。実際はこのような露骨な表現まではないとしても、業務量を減らさず、短い時間で終わらせろというのは、民間企業で言うなら完全な労働強化であり、職場の軋轢、ストレスはさらに高まります。本来の目的である教職員が子どもたちと向き合う時間を確保する、子どもたちの豊かな学びの環境を保障するということを忘れず、取り組みを進めていただきたいと思います。このような課題もぜひ念頭に置いていただきたいわけですが、あらためて「平成32年度で全校種ゼロ」に向け、今後の進め方を教育長にお聞きして質問を終わりたいと思います。
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