北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

大飯再稼働に民主党内で異論噴出

2012-04-17 | 脱原発
 昨日の民主党参院議員総会では、野田内閣が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を要請したことに「党内の合意形成がないまま政府に決定が一任された。検証が必要だ」「民主党が国民の敵のように思われている」などと異論が相次いだという。
 今日(17日)の民主党内の原発関係作業チームの合同会議においても、大飯原発再稼働に異論が噴出したと報道されている。

 3年前の政権交代のとき、政治主導が叫ばれ、政策決定過程の転換が訴えられた。

 自民党時代、内閣の上に官僚があり、官僚と癒着した族議員が永田町を跋扈し、事実上政策を決めていった。そんな政治が低成長経済の時代にまかり通るわけはなく、官僚主導政治の打破を掲げた民主党が政権を奪取したのは、ある意味で時代の要請だったと思う。

 民主党はマニフェスト選挙を実施することによって、民意を根拠に、官僚に対する内閣の優位の政治を実現していった。官僚に対する優位にとどまらず、国会に対する内閣の優位という国家権力の新しい構図をつくり出した。さらに政策決定の一元化により与党に対する内閣の優位も確立していった。
 一昨年の参議院選挙の民主党の敗北、ねじれ国会の誕生で国会に対する内閣の暴走は一定の歯止めがかかったが、党との関係はいまだ変わらない。かくして党の存在感は薄れる一方の民主党政権3年間となった。

 今回の大飯再稼働への動きは、マニフェストに書いてあろうがなかろうが、内閣がなんでも決めるんだ!という究極の勘違い政治主導だ。

 昨日、今日の民主党内の動きは、インスタント安全基準による再稼働という恐怖政治に対する国民の怒りや不満、危機感を週末、肌で感じ、次期総選挙、参議院選挙への危機感を募らせた議員の行動といえる。

 選挙のことしか考えない議員は政治屋だが、選挙のことを考えない議員も有権者と乖離した政治屋だといえる。

 有権者への人気取りに走るポピュリズムもいけないが、有権者と適度な緊張感をもって民意を的確に反映する国会議員がもっともっと増えてほしい。

 民主党・仙石由人政調会長代理は全原発停止は「日本の集団自殺」と再稼働への執念むき出しの発言をおこなったが、大飯再稼働強行は民主党の集団自殺にとどまらず、政治の集団自殺に等しいと思う。

 私は先日のブログでも内閣ではなく国会による政治主導の必要性を指摘したが、「国権の最高機関である国会」(憲法第41条)は何をしてると言いたい。

 橋下・維新の会が示した再稼働8条件は、原発そのものへの賛否を別にし、広く有権者の賛同を得られるものである。極めて常識的な条件を、あの橋下市長が打ち出したという意味で、「劇薬」だと私は思う。 

 国民が「劇薬」を飲む前に、暴走する内閣を停止させるのが国会の大事な役割である。
 


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