北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

予算修正案を提案 ~珠洲市議会3月議会閉会~

2012-03-13 | 珠洲市議会
 2月29日からはじまった珠洲市議会3月議会の最終日。
 平成24年度一般会計予算に対し修正案を提案、上程された。

 よその議会では修正案の提案はよくあることだと思うが、珠洲市議会としては初めて。
 市長は当然ながら不機嫌そう。政友会の皆さんからも「人気とりのパフォーマンスだ!」さらには「原発で対立していた時でさえこんなことはしなかった!(???)」とかつての反対派議員からピンボケもいいところの批判の声。

 修正案の中身への反論は結構だが、入り口段階での過剰反応にこちらの方がビックリ。

 以下、提案理由である。


「平成24年度珠洲市一般会計予算に対する修正案」提案理由

 今議会に提案されました平成24年度珠洲市一般会計予算に対して、濱田議員、地原議員、米田議員、そして私の4人が会派を超えて発議者となり修正案を上程させていただきました(下線部「となった修正案が上程されました」の間違い※北野)。以下、提案の理由を申し上げます。

平成24年度一般会計予算の編成にあたって市長は、本市の財政状況は、第4次行財政改革の断行により、一時期の危機的状況から脱することが出来たと述べています。
しかしながら、今年度予算では市税は約1億円余りの減少、地方交付税も1億7千万円余りの減額が見込まれるなど、歳入を巡る見通しは楽観を許さず、一方で歳出面でも今後は既存の施設の老朽化に伴う改修・修繕費などが増大することは避けられません。
こうした中にあっても、安全・安全のまちづくりへの取り組みは待ったなしであり、さらに地域の活性化に向けた取り組みも力強く進めなければなりません。
したがって、予算編成にあたっては不要不急の事業は極力削減し、また官民の役割分担を明確にし、市の予算は行政だからこそ取り組むべき分野に重点的に配分していくことが重要となります。

このような観点で平成24年度一般会計予算を見たとき、防災力の強化や泉谷市政最大のアピールポイントである「自然との共生」実現に向けた取り組みに様々な工夫が施されていることは評価をいたします。しかし、個々の事業を精査していったときに、財政が最悪の事態を脱したからと財布の紐を緩めたかのように見受けられる事業もみられます。

まず、すず市民交流センター改修事業費5千万円です。そのうち1千万円は昨年暮れの火災による保険で賄う火災箇所の現状復帰の工事であり反対するものではありません。しかしながら一般財源4千万円を投じる空調設備や電気系統の工事が今果たして必要なのか、以下3点の理由から疑問と言わざるをえません。
第一に、昨年の火災はエアコン室内機の老朽化が原因ではなく、長年差し込んだままのコンセントにホコリがたまって放電現象を起こす、いわゆるトラッキング現象による火災であり、ただちに本市所管のすべての施設で点検が実施されたはずです。果たしてこの4千万円の工事がなければ安全対策上問題があるのでしょうか。また、平成22年6月に市民交流センターを美術館に転用し、教育委員会も移す案が提示されましたが、この時には空調関係は修理の対象外であったはずです。今回の工事がなければこの施設で職務を継続することはできないのでしょうか。
第二に、仮に今、空調・電気系統の工事が入らなければ施設自体の継続使用が困難というならば、現在の観光交流課と生活環境課、そして地域職業相談室の機能を産業センターに移転し、空き室や会議室、生活改善改修室などのスペースの活用することで対応すべきだと考えます。一般行政職員は行財政改革の中で4分の3と大幅に減少しました。産業センターの活用で若干の窮屈さと会議室減少という不便さはあるかもしれません。しかし、会議室はすぐそばのわくわく広場も利用可能です。むしろエレベーターやスロープの設置などバリアフリー対応は産業センターの方が進んでおり、庁舎に適しています。部屋の移動に伴う若干の経費を考えても4千万円の投資と比べれば市民の皆さんの理解も得られるのではないでしょうか。
第3に、仮にすず市民交流センターを、多額の経費をかけて改修するならば、行政施設としてではなく、民間の事業者への貸し出しなど地域の活性化につながる使途が可能となる普通財産に転換し、その利用目的、あるいは利用形態を明確にしたうえで行うべきと考えます。使用料収入も見込めますし、地域活性化のための投資ならば一般財源の投入について市民の皆さんの理解も得られるのではないでしょうか。
以上、一般財源4千万円という重さを考えたとき、原案にあるすず市民交流センター改修費は不要、不急の予算と言わざるをえず、予算計上に賛成することはできません。

次に宿泊費改修費助成制度とおもてなし研修事業についてです。いずれも北陸新幹線金沢開業や能登有料道路無料化による交流人口拡大を見据えた「おもてなし力向上」の取り組みとして位置づけられています。
宿泊費改修費助成制度の予算は500万円。1件につき100万円を上限とし、改修費の2分の1を補助する事業です。もちろん市内の旅館や民宿の改修に反対するものではありませんし、交流人口拡大に向けた積極的な取り組みを期待するものです。しかし、そのための支援策が補助金制度の創設では、手段として違うのではないかと思います。
宿泊施設の改修に資金が必要ならば、基本は融資制度の活用です。県の制度融資では、旅館の設備資金の融資枠上限が1億円、民宿の場合は1千万円までの融資が可能です。小口融資も含め既存の制度の活用が筋だろうと思いますし、さらに積極的な投資を促すべきと考えるのであれば、たとえば現在珠洲市は小口融資への利子補給しか行っていませんが、旅館や民宿、レストランや土産物店など観光関係の施設を整備するための融資へも利子補給を拡大するなど、融資環境を整え、投資を促すのが行政の役割ではないでしょうか。
おもてなし研修事業の予算は20万円。宿泊サービス業者等に対する接遇研修等の実施とのことですが、これはまさに民間事業者自ら行うべき事業であり、税金を投入する性格のものではありません。わずか20万円の予算じゃないかという感覚がもし予算編成の段階であったとしたなら、珠洲市の財政はさらに悪化するのではないかと危惧します。
以上3件の事業について、歳入は基金繰入金を4500万円、市債を20万円、計4520万円減額し、歳出は総務管理費4000万円、商工費520万円の計4520万円を減額とする一般会計予算に対する修正案を提案させていただきます。議員各位のご賛同頂きますようお願い申し上げます。
 

 採決の結果、賛成4人で否決。
 一般会計予算が賛成多数で原案通り可決された(北野、濱田、米田の3人が反対)。

 震災がれきの広域処理の見直しを求める意見書は賛成5人(北野、濱田、米田、地原、赤坂)で否決された。


 今日は、午前中は三崎中学校の卒業式に出席。
 ちなみに在校生による送別の歌は「流れゆく雲を見つめて」、卒業生による卒業の歌は「YELL」。

 夜は連合石川能登地協の「2012春季生活闘争珠洲能登地区総決起集会」に参加。


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