13日の私の一般質問に対する答弁を報告します。
北陸新幹線はなんで取り上げたのかな?って方も多いかもしれません。奥能登も声を上げるべきだという原則的な思いと同時に、市長と自民党との距離感チェックです。風前の灯の米原ルートなのに、具体的なルートには触れず、早期整備への期待しか述べませんでした。
奥能登国際芸術祭関係は、結論部分については納得できないものもありますが、ご覧の通り総じてかなり丁寧な答弁です。成功に向けての市長の決意の表れということでしょう。一方、来年9月の開会に向け準備が本格化する中、問題点もさらに拡大すると思われます。これから1年間の珠洲の最重要課題です。
親子議会についての答弁は、具体的な対応を期待していましたが残念です。
全国学力調査関係の教育長答弁は、総じてはぐらかし答弁ばかりです。また、現場での弊害の大きさ少しなりとも認める言葉も全くありません。今回も平行線で終了です。
以下、答弁を報告します。
※文責:北野
※正式な議事録ではありませんので、引用は慎重に願います
※一般質問の原稿はこちら
1.北陸新幹線について
(1)敦賀‐京都間の3ルートについて、珠洲市や奥能登にとって最も望ましいルートはどれだと考えるか。
(2)奥能登2市2町で意見をまとめ、知事に対して要望していく機会を設けてもよかったのではないか。
<泉谷市長>
北陸新幹線の敦賀以西ルートにつきましては、今月に入り関係7府県の意見が出そろう中で、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの方針として、現段階では小浜京都案が採用される見通しとなっております。
本市は沿線自治体ではないことからこれまでルートについて要望活動を行ってまいりませんでしたが、できる限り早期に整備されることを願っております。
2.奥能登国際芸術祭について
(1)来年度の地域振興基金の芸術祭充当額は3億3千万円を見込んでいる。この額に平成26年度実行委員会決算、平成27年度実行委員会決算(余剰金を除く)、平成28年度実行委員会予算を合わせると約4億8千万円となるが、第1回の芸術祭開催の実行委員会予算総額はこれが上限か、さらに増える可能性はあるのか。
<泉谷市長>
奥能登国際芸術祭につきましては、平成29年秋の開催を目指し、平成27年度から実行委員会を改編するとともに、開催準備室を市役所内に設置し、これまで準備を進めてまいりました。
芸術祭の開催年である平成29年度の予算規模につきましては、北川フラム総合ディレクターとの協議を進めながら、現段階では概算事業費として約3億円程度を見込んでおります。
一方で、招待アーティストはほぼ決定できている状況ではありますが、具体的な作品設置場所まで決まったアーティストはいまだ少なく、具体的な各アーティストごとの費用につきましては、詳細には積算できない状況にあります。 こうしたことから、今後は現段階で概算で算定している予算枠を上限枠としながら市内各地で設置される作品制作にかかる費用を配分し、作品制作等の諸準備を進めてまいりたいと考えております。
(2)昨年公表された奥能登国際芸術祭基本計画でも、今春公表された実施計画でも予算は3億円とされている。増額要因は何か。
<泉谷市長>
平成27年度の実施計画においてお示しいたしました事業規模3億円につきましては、参加アーティストについての詳細や設置場所予定個所についての具体的な検討が進んでいない中でのあくまで概算であり、実施計画段階での作品製作費用やPR、運営費用など必要不可欠な項目の概算費用として計上したものであることをご理解いただきたいと思います。
(3)瀬戸内国際芸術祭や大地の芸術祭などでは、1自治体の3年間の実行委員会負担金合計が2億円を超える例はない。来年度の地域振興基金充当額の減額に向け、文化庁の補助金やパスポート販売などが期待されるが、見通しを聞く。
<泉谷市長>
これまで開催準備を進めてきた中で、その準備にかかる項目として、作品制作費用、PR・広報費用、受入体制整備・運営費用や受入基盤整備費用などが重要であることが明らかになってきました。今回が第一回の開催であることから、本市においてはアート作品の蓄積がないことや、作品展示施設などを含めた受け入れ体制などについてもほぼゼロからのスターであること、一方、北野議員ご指摘のように全国各地で芸術祭が数多く開催されている中、全国から奥能登珠洲に多くの方にお越しいただくには一定水準以上の作品の質や件数、効果的なPR、移動手段や作品展示施設等の整備など様々な要素が必要であると考えております。
継続開催している大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭につきましても、直近の開催時には準備年度を合わせた3年間で約6億円から10億円の事業規模で実施されています。その中で一自治体あたりの負担額がそれほど多くなっていないのは、パスポートの販売収入や企業協賛金を数億円単位で確保されていることに加え、複数自治体での開催であることが本市と大きく異なる点であります。さらに国からの補助金を有効に活用されていることから、北野議員ご指摘のような負担規模での開催が可能となっているものと考えております。企業等からの協賛金につきましては、今後積極的に取り組んでいくことといたしておりますが、開催実績がなく、開催イメージを説明しづらいことから容易ではないと考えております。
一方で国の補助金・交付金等につきましては、当該事業の所管庁である文化庁において全国各地で比較的大きな規模での交付実績があることから、当芸術祭においても平成29年度の交付を申請の準備を進めて行くことといたしておりますし、地方創生に係る交付金につきましても今年度中に地域再生計画を策定し、交付金申請の準備を進め、本市の負担額をできるだけ軽減できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
また、芸術祭自体のPRや入場者確保の観点からも重要となるパスポートの販売につきましても金沢21世紀美術館をはじめとした県内関係機関や県内メディアとの連携による金沢周辺の認知度の向上と販売促進に向けた諸準備をすすめているところであります。こうした様々な取り組みや連携によって、第一回目の単独開催という大きなハンディを軽減し、先ほど中板議員のご質問にお答えした通り、本市の実質負担な負担額において、当初計画した予算規模約3億円程度で開催が実現できるよう取り組んでまいりたい考えております。
(4)実行委員会予算以外の芸術祭関連予算で、すでに支出済みの予算、支出が確定している予算、今後支出が見込まれる事業について聞く。
<泉谷市長>
次に奥能登芸術祭に係る実行員会以外の予算についてでありますが、これまでも作品展開箇所であります遊休施設に係る予算につきましては実行委員会予算とは別に国際芸術祭基盤整備事業として予算化し、取り組んできたところであります。
具体的にはひびのこずえさんが作品を展開する予定の旧飯塚保育所や同じく作品展開箇所として活用を予定してる旧清水保育所につきましては施設の利活用にむけた現況調査事業をおこなったうえで今定例会において実施設計委託料等を予算計上させていただいたところであります。
現在のところ参加アーティストの作品制作プラン及び制作箇所について、多くは未確定な状況でありますが、今後、プラン及び箇所が確定次第、こうした遊休施設の利活用に向けた基本整備等の事業も順次実施していくことになると考えております。
(5)参加する各アーティストとの契約金額、公募企画のプロジェクト費への補助金額、それぞれについて、算定基準も含め公表すべきだと思うがどうか。
<泉谷市長>
作品制作につきましては、実行委員会として北川フラム総合ディレクターが代表取締役会長を務める株式会社アートフロントギャラリーに一括して委託しております。このため、各参加アーティストはアートフロントギャラリーとの契約のもと、作品制作をおこなうこととなっております。
委託先であるアートフロントギャラリーからは、参加アーティストとの契約情報等について実行委員会に報告いただくこととなっておりますが、各作品の具体的な費用等については個々のアーティストにかかる評価など個人情報を含むものである点から、他の開催地での例と同様、一般には公表できないこととなっております。なお、招待アーティスト以外での、一般作家向けの企画公募につきましては、10点程度の採用を予定し、採用された企画につきましては、アートフロンギャラリーがその内容により、プロジェクト費を1作品あたり最大200万円まで補助する旨を、募集要項等で公表いたしております。
(6)期間中の来場目標3万人について
①他の芸術祭を見れば、カウント方法次第で実数とかけ離れた数字が公表される例もある。どのようなカウント方法を採用するのか。
<泉谷市長>
奥能登国際芸術祭は、能登半島の先端をアート鑑賞しながらめぐる「岬めぐり」を意識して作品を展開する予定であり、広く市内一円にアート作品が展開される予定となっております。
現在、その具体的な周遊ルートや所用時間等について検討中でありますが、こうした利便性の観点からも、実際に来場される方々にとっては、主にパスポートをご利用いただくのではないかと考えております。したがいまして、来場者のカウント方法につきましては、各作品展示箇所の積算による延べ人数というよりは、現段階では、パスポートやチケットの売上等を基準として、いわば実数ベースで来場者数を把握したいと考えております。
②開催期間は秋祭りシーズンであり、3連休2回を含む秋の行楽シーズンでもある。過去の観光客の入り込み数を踏まえても、来場目標3万人という目標は妥当か。予算を増加するならば目標も引き上げるべきではないか。
③今年の瀬戸内国際芸術祭は、海外からの来訪者の急増が新たな傾向として指摘されている。反面、国内の参加者は減少しており、全国各地で林立する芸術祭の中で芸術祭ファンの分散傾向が進んでいる。来年も春には北川フラム氏が手掛けた中房総国際芸術祭、夏には北川氏が総合ディレクターを務める北アルプス国際芸術祭が先行して開催されるなど各地で芸術祭が目白押しだが、どのような誘客方針で臨むか聞く。
<泉谷市長>
北川総合ディレクターからは、瀬戸内や越後妻有など先進開催地では、来場者の割合として、県内から3割、東京など大都市圏や国外からが7割の比率で訪れているとお聞きいたしております。関東圏からの来訪者につきましては、北陸新幹線金沢開業効果もあり期待できると考えております。また、広報PRを進める中で、すでに韓国の旅行社による視察や、イタリアのメディアの取材、フランス在住の石川観光大使の来訪などもあり、海外からの関心も高まっております。
こうした中、金沢21世紀美術館とは、金沢周辺での情報の発信拠点として連携を図り、加えて金沢美術工芸大学との連携協力についても強化し、さらに、来春には金沢でのフォーラムの開催や、開催直前の7月には都内のアートギャラリー、渋谷ヒカリエでの告知イベントも予定いたしており、首都圏や県内でのPRを強化・実施していくことで、瀬戸内や越後妻有にはない、奥能登・珠洲ならではの魅力をアピールし、目標人数を超える来場者を呼び込みたいと考えております。
(7)ヨバレについて
①ヨバレは、今日では一般的に祭りの日に親戚や友人、職場の同僚、仕事などでお世話になっている人などを自宅に招いて、日頃の感謝の気持ちを込めてもてなす風習を意味してると思うが、芸術祭ではヨバレの風習が日本文化の源流として紹介されている。郷土史的に、ヨバレの起源や地域による違いなどは、どのように解明されているのか聞く。
<泉谷市長>
次に、珠洲市の祭り文化を特徴づけている「ヨバレ」の起源につきましては諸説あるようでありますが、五穀豊穣を祝う秋祭り等の際に、その年の収穫に感謝するとともに、キリコ等の担ぎ手に精を出してもらうために、自宅において主人がお酒や食をふるまう地域独自の風習が起源ではないかともいわれております。
②参加費を払い、初対面の人の家で、仕出し屋さんの料理をいただくヨバレ体験ツアーは、食の源流はおろか、一般的なヨバレともかけ離れていると思うが、ヨバレ体験ツアーは芸術祭参加者に何を伝える企画か。
<泉谷市長>
時代の変遷とともに、かつては輪島塗の御膳で、各ご家庭での手料理による「よばれごっつお」を頂くの一般的でありましたが、現在は、仕出し御膳によるものや、オードブル形式での「ヨバレ」の形も多くなっております。
総合ディレクターである北川フラム氏は、かつて日本各地において、様々な形で行われていたと思われるこうした地域独特の伝統文化や風習が、半島の先端という、いわば特異点である本市に今もなお息づいてることに大きな感銘を受け、地域で大切に受け継がれてきたキリコ祭り等や、地域の豊かな里山里海の食材をふんだんに使ったヨバレ料理、そして地域の温かみのあるおもてなしこそが、まさに現代人を日本文化のベースへ誘うものであるとの思いから、奥能登国際芸術祭のコンセプトを「日本の祭りと食の源流を探る」とされております。
こうした珠洲の地域文化を奥能登国際芸術祭で本市を訪れる方々に体験していただきたいいと考えておりますが、一般家庭において来訪者を受け入れし、いわゆる「ヨバレ料理」としてそのご家庭の料理を振る舞うことは、食品衛生法等の規制の関係もあり、難しい面もあります。
しかしながら、「ヨバレ」は単に食事を楽しむものではなく、受入家庭の皆さんによる温かいおもてなしや、座を同じくするそのご家庭の親戚や友人、知人の皆さんと、祭りをはじめとして、地域の様々な会話を通じて、その空間自体を楽しむことが一つの醍醐味であると考えております。
こうした秋祭りやヨバレの風習を通して、珠洲の持つ地域や人の魅力をより具体的に感じていただくことこそ、大きな意義があるものと考えております。
奥能登国際芸術祭の開催を契機に、ヨバレを含む祭り文化があらためて市民の皆様の地域に対する誇りの醸成へとつながるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
3.親子議会について
質問や提言がその後の市政運営にどのように反映されているかを明らかにし、成果を学校に還元することは、後に続く子どもたちの意欲の向上につながり、主権者教育としてもより意義あるものになると思うが、対応を聞く。
<泉谷市長>
次に珠洲市親子議会についてでありますが、親子議会は7月第4日曜日の「珠洲親子の日」にちなみ、珠洲市内の小中学生が身近な地域の問題や、将来のまちづくり、教育の問題など、珠洲市政に関するテーマについて、自由な発想による意見、提言を発表したり、質問したりすることを通して、親子が珠洲市についてともに考え、絆を深めるとともに、珠洲市政に対する理解と関心を育むことを目的として実施いたしております。
これまで、親子議会で出された質問や要望に対し、市内小中学校のぼーるの新調や学校図書館の予算の増額、正院小学校の校内通路の安全対策等、実現してきた例もございます。
こうした成果につきましては、児童生徒も理解しているものと認識しており、親子議会そのものが主権者教育であると考えております。
4.全国学力調査について
(1) 調査問題は、この間の議会答弁で「これぞ学ぶべき内容」と言われてきたが、例えば活用力を問う小学6年の算数B問題の石川県の平均正答率は53.5%、中学3年の数学B問題は48.8%である。この結果で全国1位ということは、日本全国の教育レベルが相当落ち込んでいるか、あるいは問題自体が学ぶべき内容を逸脱しているかのいずれかだと思われる。教育長の見解を聞く。
<多田教育長>
全国学力・学習状況調査は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てること、さらにそのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立することを目的としております。
先日の新聞報道にもありましたが、国際数学・理科教育動調査において、日本は小学校4年生、中学校2年生ともに算数・数学、理科のいずれも平均得点が前回より上昇し、過去最高となっております。また、経済協力開発機構OECDによる国際的な学習到達度調査においても、高校1年生で科学的応用力や数学的応用力において前回よりも順位を上げるなど、活用力を含めた学力の向上が図られているものと考えます。
(2)「これぞ学ぶべき内容」ならば、学習指導要領をもとに作成された教科書を中心に、教員の創意工夫により適切な教材を活用しながら活用した授業によって本来解答できる力がつくものではないのか。
<多田教育長>
市内の各学校においては、児童生徒が身に付けるべき力は何か、そのための指導方法はどうあるべきか共通理解を図り、指導改善に取り組んでいるところです。
(3)都道府県レベルでみると全国学力調査の結果と大学入試センターの成績との相関関係は見られない。原因はどこにあると考えるか。
<多田教育長>
なお、全国学力・学習状況調査結果と大学入試センター試験の成績との相関関係についてですが、全国学力・学習状況調査は同学年のほぼ全員を対象とする調査結果であり、大学入試センター試験は大学進学を希望する卒業予定者と過年度卒業生を含めた試験結果ですので、対象となる集団が違うため相関関係の有無を問うものではないと考えております。
(4)調査に参加する県内の小学校209校、中学校91校の成績ランキング一覧があり、市内各学校の管理職に配布されていると聞く。これではいやが上にも点数を意識し、競争に駆られるのではないか。
<多田教育長>
学力調査の点数を意識し、競争に駆られるのではないかということについてですが、校長会・教頭会において、学力調査の趣旨を教職員でしっかりと共通理解すること、つまり学力調査はあくまでも診断するためのものであり、その診断結果に対して一喜一憂するのではなく、児童生徒一人ひとりの学力を育むために、診断結果をいかに活用して授業改善につなげるかが大切であると繰り返し指導しております。
北陸新幹線はなんで取り上げたのかな?って方も多いかもしれません。奥能登も声を上げるべきだという原則的な思いと同時に、市長と自民党との距離感チェックです。風前の灯の米原ルートなのに、具体的なルートには触れず、早期整備への期待しか述べませんでした。
奥能登国際芸術祭関係は、結論部分については納得できないものもありますが、ご覧の通り総じてかなり丁寧な答弁です。成功に向けての市長の決意の表れということでしょう。一方、来年9月の開会に向け準備が本格化する中、問題点もさらに拡大すると思われます。これから1年間の珠洲の最重要課題です。
親子議会についての答弁は、具体的な対応を期待していましたが残念です。
全国学力調査関係の教育長答弁は、総じてはぐらかし答弁ばかりです。また、現場での弊害の大きさ少しなりとも認める言葉も全くありません。今回も平行線で終了です。
以下、答弁を報告します。
※文責:北野
※正式な議事録ではありませんので、引用は慎重に願います
※一般質問の原稿はこちら
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1.北陸新幹線について
(1)敦賀‐京都間の3ルートについて、珠洲市や奥能登にとって最も望ましいルートはどれだと考えるか。
(2)奥能登2市2町で意見をまとめ、知事に対して要望していく機会を設けてもよかったのではないか。
<泉谷市長>
北陸新幹線の敦賀以西ルートにつきましては、今月に入り関係7府県の意見が出そろう中で、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの方針として、現段階では小浜京都案が採用される見通しとなっております。
本市は沿線自治体ではないことからこれまでルートについて要望活動を行ってまいりませんでしたが、できる限り早期に整備されることを願っております。
2.奥能登国際芸術祭について
(1)来年度の地域振興基金の芸術祭充当額は3億3千万円を見込んでいる。この額に平成26年度実行委員会決算、平成27年度実行委員会決算(余剰金を除く)、平成28年度実行委員会予算を合わせると約4億8千万円となるが、第1回の芸術祭開催の実行委員会予算総額はこれが上限か、さらに増える可能性はあるのか。
<泉谷市長>
奥能登国際芸術祭につきましては、平成29年秋の開催を目指し、平成27年度から実行委員会を改編するとともに、開催準備室を市役所内に設置し、これまで準備を進めてまいりました。
芸術祭の開催年である平成29年度の予算規模につきましては、北川フラム総合ディレクターとの協議を進めながら、現段階では概算事業費として約3億円程度を見込んでおります。
一方で、招待アーティストはほぼ決定できている状況ではありますが、具体的な作品設置場所まで決まったアーティストはいまだ少なく、具体的な各アーティストごとの費用につきましては、詳細には積算できない状況にあります。 こうしたことから、今後は現段階で概算で算定している予算枠を上限枠としながら市内各地で設置される作品制作にかかる費用を配分し、作品制作等の諸準備を進めてまいりたいと考えております。
(2)昨年公表された奥能登国際芸術祭基本計画でも、今春公表された実施計画でも予算は3億円とされている。増額要因は何か。
<泉谷市長>
平成27年度の実施計画においてお示しいたしました事業規模3億円につきましては、参加アーティストについての詳細や設置場所予定個所についての具体的な検討が進んでいない中でのあくまで概算であり、実施計画段階での作品製作費用やPR、運営費用など必要不可欠な項目の概算費用として計上したものであることをご理解いただきたいと思います。
(3)瀬戸内国際芸術祭や大地の芸術祭などでは、1自治体の3年間の実行委員会負担金合計が2億円を超える例はない。来年度の地域振興基金充当額の減額に向け、文化庁の補助金やパスポート販売などが期待されるが、見通しを聞く。
<泉谷市長>
これまで開催準備を進めてきた中で、その準備にかかる項目として、作品制作費用、PR・広報費用、受入体制整備・運営費用や受入基盤整備費用などが重要であることが明らかになってきました。今回が第一回の開催であることから、本市においてはアート作品の蓄積がないことや、作品展示施設などを含めた受け入れ体制などについてもほぼゼロからのスターであること、一方、北野議員ご指摘のように全国各地で芸術祭が数多く開催されている中、全国から奥能登珠洲に多くの方にお越しいただくには一定水準以上の作品の質や件数、効果的なPR、移動手段や作品展示施設等の整備など様々な要素が必要であると考えております。
継続開催している大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭につきましても、直近の開催時には準備年度を合わせた3年間で約6億円から10億円の事業規模で実施されています。その中で一自治体あたりの負担額がそれほど多くなっていないのは、パスポートの販売収入や企業協賛金を数億円単位で確保されていることに加え、複数自治体での開催であることが本市と大きく異なる点であります。さらに国からの補助金を有効に活用されていることから、北野議員ご指摘のような負担規模での開催が可能となっているものと考えております。企業等からの協賛金につきましては、今後積極的に取り組んでいくことといたしておりますが、開催実績がなく、開催イメージを説明しづらいことから容易ではないと考えております。
一方で国の補助金・交付金等につきましては、当該事業の所管庁である文化庁において全国各地で比較的大きな規模での交付実績があることから、当芸術祭においても平成29年度の交付を申請の準備を進めて行くことといたしておりますし、地方創生に係る交付金につきましても今年度中に地域再生計画を策定し、交付金申請の準備を進め、本市の負担額をできるだけ軽減できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
また、芸術祭自体のPRや入場者確保の観点からも重要となるパスポートの販売につきましても金沢21世紀美術館をはじめとした県内関係機関や県内メディアとの連携による金沢周辺の認知度の向上と販売促進に向けた諸準備をすすめているところであります。こうした様々な取り組みや連携によって、第一回目の単独開催という大きなハンディを軽減し、先ほど中板議員のご質問にお答えした通り、本市の実質負担な負担額において、当初計画した予算規模約3億円程度で開催が実現できるよう取り組んでまいりたい考えております。
(4)実行委員会予算以外の芸術祭関連予算で、すでに支出済みの予算、支出が確定している予算、今後支出が見込まれる事業について聞く。
<泉谷市長>
次に奥能登芸術祭に係る実行員会以外の予算についてでありますが、これまでも作品展開箇所であります遊休施設に係る予算につきましては実行委員会予算とは別に国際芸術祭基盤整備事業として予算化し、取り組んできたところであります。
具体的にはひびのこずえさんが作品を展開する予定の旧飯塚保育所や同じく作品展開箇所として活用を予定してる旧清水保育所につきましては施設の利活用にむけた現況調査事業をおこなったうえで今定例会において実施設計委託料等を予算計上させていただいたところであります。
現在のところ参加アーティストの作品制作プラン及び制作箇所について、多くは未確定な状況でありますが、今後、プラン及び箇所が確定次第、こうした遊休施設の利活用に向けた基本整備等の事業も順次実施していくことになると考えております。
(5)参加する各アーティストとの契約金額、公募企画のプロジェクト費への補助金額、それぞれについて、算定基準も含め公表すべきだと思うがどうか。
<泉谷市長>
作品制作につきましては、実行委員会として北川フラム総合ディレクターが代表取締役会長を務める株式会社アートフロントギャラリーに一括して委託しております。このため、各参加アーティストはアートフロントギャラリーとの契約のもと、作品制作をおこなうこととなっております。
委託先であるアートフロントギャラリーからは、参加アーティストとの契約情報等について実行委員会に報告いただくこととなっておりますが、各作品の具体的な費用等については個々のアーティストにかかる評価など個人情報を含むものである点から、他の開催地での例と同様、一般には公表できないこととなっております。なお、招待アーティスト以外での、一般作家向けの企画公募につきましては、10点程度の採用を予定し、採用された企画につきましては、アートフロンギャラリーがその内容により、プロジェクト費を1作品あたり最大200万円まで補助する旨を、募集要項等で公表いたしております。
(6)期間中の来場目標3万人について
①他の芸術祭を見れば、カウント方法次第で実数とかけ離れた数字が公表される例もある。どのようなカウント方法を採用するのか。
<泉谷市長>
奥能登国際芸術祭は、能登半島の先端をアート鑑賞しながらめぐる「岬めぐり」を意識して作品を展開する予定であり、広く市内一円にアート作品が展開される予定となっております。
現在、その具体的な周遊ルートや所用時間等について検討中でありますが、こうした利便性の観点からも、実際に来場される方々にとっては、主にパスポートをご利用いただくのではないかと考えております。したがいまして、来場者のカウント方法につきましては、各作品展示箇所の積算による延べ人数というよりは、現段階では、パスポートやチケットの売上等を基準として、いわば実数ベースで来場者数を把握したいと考えております。
②開催期間は秋祭りシーズンであり、3連休2回を含む秋の行楽シーズンでもある。過去の観光客の入り込み数を踏まえても、来場目標3万人という目標は妥当か。予算を増加するならば目標も引き上げるべきではないか。
③今年の瀬戸内国際芸術祭は、海外からの来訪者の急増が新たな傾向として指摘されている。反面、国内の参加者は減少しており、全国各地で林立する芸術祭の中で芸術祭ファンの分散傾向が進んでいる。来年も春には北川フラム氏が手掛けた中房総国際芸術祭、夏には北川氏が総合ディレクターを務める北アルプス国際芸術祭が先行して開催されるなど各地で芸術祭が目白押しだが、どのような誘客方針で臨むか聞く。
<泉谷市長>
北川総合ディレクターからは、瀬戸内や越後妻有など先進開催地では、来場者の割合として、県内から3割、東京など大都市圏や国外からが7割の比率で訪れているとお聞きいたしております。関東圏からの来訪者につきましては、北陸新幹線金沢開業効果もあり期待できると考えております。また、広報PRを進める中で、すでに韓国の旅行社による視察や、イタリアのメディアの取材、フランス在住の石川観光大使の来訪などもあり、海外からの関心も高まっております。
こうした中、金沢21世紀美術館とは、金沢周辺での情報の発信拠点として連携を図り、加えて金沢美術工芸大学との連携協力についても強化し、さらに、来春には金沢でのフォーラムの開催や、開催直前の7月には都内のアートギャラリー、渋谷ヒカリエでの告知イベントも予定いたしており、首都圏や県内でのPRを強化・実施していくことで、瀬戸内や越後妻有にはない、奥能登・珠洲ならではの魅力をアピールし、目標人数を超える来場者を呼び込みたいと考えております。
(7)ヨバレについて
①ヨバレは、今日では一般的に祭りの日に親戚や友人、職場の同僚、仕事などでお世話になっている人などを自宅に招いて、日頃の感謝の気持ちを込めてもてなす風習を意味してると思うが、芸術祭ではヨバレの風習が日本文化の源流として紹介されている。郷土史的に、ヨバレの起源や地域による違いなどは、どのように解明されているのか聞く。
<泉谷市長>
次に、珠洲市の祭り文化を特徴づけている「ヨバレ」の起源につきましては諸説あるようでありますが、五穀豊穣を祝う秋祭り等の際に、その年の収穫に感謝するとともに、キリコ等の担ぎ手に精を出してもらうために、自宅において主人がお酒や食をふるまう地域独自の風習が起源ではないかともいわれております。
②参加費を払い、初対面の人の家で、仕出し屋さんの料理をいただくヨバレ体験ツアーは、食の源流はおろか、一般的なヨバレともかけ離れていると思うが、ヨバレ体験ツアーは芸術祭参加者に何を伝える企画か。
<泉谷市長>
時代の変遷とともに、かつては輪島塗の御膳で、各ご家庭での手料理による「よばれごっつお」を頂くの一般的でありましたが、現在は、仕出し御膳によるものや、オードブル形式での「ヨバレ」の形も多くなっております。
総合ディレクターである北川フラム氏は、かつて日本各地において、様々な形で行われていたと思われるこうした地域独特の伝統文化や風習が、半島の先端という、いわば特異点である本市に今もなお息づいてることに大きな感銘を受け、地域で大切に受け継がれてきたキリコ祭り等や、地域の豊かな里山里海の食材をふんだんに使ったヨバレ料理、そして地域の温かみのあるおもてなしこそが、まさに現代人を日本文化のベースへ誘うものであるとの思いから、奥能登国際芸術祭のコンセプトを「日本の祭りと食の源流を探る」とされております。
こうした珠洲の地域文化を奥能登国際芸術祭で本市を訪れる方々に体験していただきたいいと考えておりますが、一般家庭において来訪者を受け入れし、いわゆる「ヨバレ料理」としてそのご家庭の料理を振る舞うことは、食品衛生法等の規制の関係もあり、難しい面もあります。
しかしながら、「ヨバレ」は単に食事を楽しむものではなく、受入家庭の皆さんによる温かいおもてなしや、座を同じくするそのご家庭の親戚や友人、知人の皆さんと、祭りをはじめとして、地域の様々な会話を通じて、その空間自体を楽しむことが一つの醍醐味であると考えております。
こうした秋祭りやヨバレの風習を通して、珠洲の持つ地域や人の魅力をより具体的に感じていただくことこそ、大きな意義があるものと考えております。
奥能登国際芸術祭の開催を契機に、ヨバレを含む祭り文化があらためて市民の皆様の地域に対する誇りの醸成へとつながるよう、取り組んでまいりたいと考えております。
3.親子議会について
質問や提言がその後の市政運営にどのように反映されているかを明らかにし、成果を学校に還元することは、後に続く子どもたちの意欲の向上につながり、主権者教育としてもより意義あるものになると思うが、対応を聞く。
<泉谷市長>
次に珠洲市親子議会についてでありますが、親子議会は7月第4日曜日の「珠洲親子の日」にちなみ、珠洲市内の小中学生が身近な地域の問題や、将来のまちづくり、教育の問題など、珠洲市政に関するテーマについて、自由な発想による意見、提言を発表したり、質問したりすることを通して、親子が珠洲市についてともに考え、絆を深めるとともに、珠洲市政に対する理解と関心を育むことを目的として実施いたしております。
これまで、親子議会で出された質問や要望に対し、市内小中学校のぼーるの新調や学校図書館の予算の増額、正院小学校の校内通路の安全対策等、実現してきた例もございます。
こうした成果につきましては、児童生徒も理解しているものと認識しており、親子議会そのものが主権者教育であると考えております。
4.全国学力調査について
(1) 調査問題は、この間の議会答弁で「これぞ学ぶべき内容」と言われてきたが、例えば活用力を問う小学6年の算数B問題の石川県の平均正答率は53.5%、中学3年の数学B問題は48.8%である。この結果で全国1位ということは、日本全国の教育レベルが相当落ち込んでいるか、あるいは問題自体が学ぶべき内容を逸脱しているかのいずれかだと思われる。教育長の見解を聞く。
<多田教育長>
全国学力・学習状況調査は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てること、さらにそのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立することを目的としております。
先日の新聞報道にもありましたが、国際数学・理科教育動調査において、日本は小学校4年生、中学校2年生ともに算数・数学、理科のいずれも平均得点が前回より上昇し、過去最高となっております。また、経済協力開発機構OECDによる国際的な学習到達度調査においても、高校1年生で科学的応用力や数学的応用力において前回よりも順位を上げるなど、活用力を含めた学力の向上が図られているものと考えます。
(2)「これぞ学ぶべき内容」ならば、学習指導要領をもとに作成された教科書を中心に、教員の創意工夫により適切な教材を活用しながら活用した授業によって本来解答できる力がつくものではないのか。
<多田教育長>
市内の各学校においては、児童生徒が身に付けるべき力は何か、そのための指導方法はどうあるべきか共通理解を図り、指導改善に取り組んでいるところです。
(3)都道府県レベルでみると全国学力調査の結果と大学入試センターの成績との相関関係は見られない。原因はどこにあると考えるか。
<多田教育長>
なお、全国学力・学習状況調査結果と大学入試センター試験の成績との相関関係についてですが、全国学力・学習状況調査は同学年のほぼ全員を対象とする調査結果であり、大学入試センター試験は大学進学を希望する卒業予定者と過年度卒業生を含めた試験結果ですので、対象となる集団が違うため相関関係の有無を問うものではないと考えております。
(4)調査に参加する県内の小学校209校、中学校91校の成績ランキング一覧があり、市内各学校の管理職に配布されていると聞く。これではいやが上にも点数を意識し、競争に駆られるのではないか。
<多田教育長>
学力調査の点数を意識し、競争に駆られるのではないかということについてですが、校長会・教頭会において、学力調査の趣旨を教職員でしっかりと共通理解すること、つまり学力調査はあくまでも診断するためのものであり、その診断結果に対して一喜一憂するのではなく、児童生徒一人ひとりの学力を育むために、診断結果をいかに活用して授業改善につなげるかが大切であると繰り返し指導しております。
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