北野進の活動日記

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「新たな危機事象」への対応

2018-02-14 | 平和

北國新聞(2月14日)


全国の学校で弾道ミサイル着弾に備えた危機管理マニュアルをつくるよう、文科省が手引書の改訂案を発表した。

すでに県内では昨年8月30日、輪島市内で小中学生を主な参加者とする避難訓練が実施されているが(ブログ:輪島市のミサイル避難訓練 主役はなんと小中学生!!」参照)、こうした動きを全国の学校に浸透、徹底させようということのようだ。

文科省の手引書によると、「学校における危機管理は、社会情勢の変化に応じて、適宜適切に見直しを図り、常に最新の状況にしておくことが重要」とのこと。
一般論としてはその通りで、今回の見直しでは、この他、「学校への犯罪予告・テロへの対応について」と「インターネット上の犯罪被害への対応について」なども盛り込まれている。

後者の2つと比べて弾道ミサイル避難訓練にはいくつかの観点から違和感がある。

まず、政府自体、本当に危機感を感じているのかということ。
仮に可能性が低くとも、本当に弾道ミサイルが飛来してくる可能性があるのならば、それに対して真っ先に対応しなければならないのは原発だ。核弾頭を用意しておいて、「ミサイルを打ち込んだら核兵器を打ち込んだのと同じ破壊力を発揮しますよ、さあどうぞ」と言ってるような状態は、一刻の猶予もなく解消してもらわなければならない。

そもそも危機回避に向けて、政府は最大限の外交努力をしているのかという点も疑問。
逆にチキンゲームを横から煽るだけ煽って、国民に万が一の時に備えよと言っているとしか思えない。

隕石落下と弾道ミサイル着弾ではどちらがリスクが高いのか私は知らないが(隕石落下のリスクも「杞憂」と見過ごせないほど可能性が高いことがわかっています。例えばこちらの論文参照)、それ以上に確実にリスクが高いと思えるのが、米軍や自衛隊機の墜落、あるいは部品の落下である。本当に子どもたちのリスクを回避するというのなら、こちらの方が優先度は高い。どうも、リスクを恣意的、政治的に選択してような気がしてならない。

平時から戦時の備えを進め、敵対心も煽り、気がついたら戦時体制という流れが何より怖い。
まさに安倍政権のこのような動き自体が国民にとって「新たな危機事象」だ。

このような危険な政府の暴走を阻止する平和教育、主権者教育こそ、学校に求められている。


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