昨日の朝日新聞、小泉元首相と会食した朝日新聞大久保真紀編集委員のコラムが掲載されている。
かつての原発推進の旗振り役がなぜ「即原発ゼロ」に変わったのか、その一番の理由を聞き出したやりとりを紹介している。
フィンランドのオンカロに言って原発ゼロを確信したというが、小泉元首相はその前から原発ゼロを語ってきた。
そのきっかけは?ということである。
電事連はウソをついてきた。だまされたことに気がついた、そういうことである。
電力会社や官僚が言ってることを信じきってきた人が、3.11を目の当たりにし、原発に対する物言いを180度変えた人を私は珠洲で何人も見てきている。
小泉元首相も、年に何回も電事連幹部と懇談の場を持ち、あるいは接待を受け、大きな事故などがあったときには事務所でレクチャーを受け、安全神話漬け、必要性神話漬け、コスト安神話漬けの中にあったのは想像に難くない。
そして推進の旗を振ってきた。
3.11で目が覚め、彼らのウソに怒り、原発ゼロに変わった。
政治的な思惑(私はこれが一番大きいと思ってきたが)、独特の政治勘など様々な変節の理由が語られてきたが、少なくとも発端は「だまされた」ことに対する怒りである。
極めて普通の感覚だ。
それはいい。
今日のこの記事で私が一番気になったのは「オレたちにウソ言ってきた」という「オレたち」である。
この「オレたち」はいろんな枠組みがあるかもしれないが、さしあたり政権政党・自民党ということだろう。
同じようにウソをつかれてだまされてきた安倍首相はじめ政府・自民党の皆さんはなぜ怒らないのか。なぜ考えを変えようとしないのか。
なぜだまされ続けるのか。
珠洲では推進一筋、一生懸命頑張ってきた人ほど、神話の信仰から素早く解き放たれたような気がする。
さて、小泉元首相に続き怒りの声をあげる国会議員が自民党から出てこないのはなぜか。
もしかしたら、これまで真剣に原発に向き合ってきた国会議員はいないんじゃないか。
そしてこれからも原発に真剣に向き合おうとしていないんじゃないか。
ようするにウソだろうが、だまされていようが、どうでもいいんじゃなかろうか。
不思議でもあり、情けなくもあり、恐ろしいことでもある。
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