※北電作成資料。緑の〇✖は北野が記入
志賀原発の新規制基準の適合性審査会合が4カ月ぶりに開催された。
前回9月21日の北陸電力の悲惨な状況は「北電またもボロボロ」(2018.9.22)で紹介したが、あれから4カ月、前回に続き、敷地内と海域部含め21本ある断層の中から活動性を評価する(活断層かどうかを判断する)ための対象断層の絞り込むための審査が行われた。
北電が示したのは陸域(敷地内)の6本と海岸部の2本。
陸域部の6本については原子力規制庁側の要求を北電が受け入れた内容なのでパス。
ただし、なぜこの6本が他の断層を代表できるのかという説明をわかりやすくという注文はついた。
次回以降、活動性についての審査が行われることになる。
今回議論が集中したのは海岸部の評価対象断層の選定についてである。
海岸部には現時点でK-1からK-11まで11本の断層があるとされる。
桟橋に沿った海底には原発の冷却水を汲み上げる取水路、そして万が一の事故の場合に原子炉を冷却する補機冷却取水路が走る。
いずれも重要施設であり、仮に活断層となれば原発の運転はできなくなる。
※北電作成資料。水色、赤色の横線、及び50mの文字は北野が記入
北電からはK-2とK-3の2本の断層を調べれば事足れりという方針が示されたが、規制庁の審査官らからは次々と疑問点が指摘された。
地表に現れた海域部の断層は冒頭の図面にある通りだが、取水路は水面から50メートル下の海底に設置されている。
地表に現れた断層面は斜めに延びて地面を切り裂いているので、この50メートル下の取水路設置位置の断層の露頭を把握しなければならない。
さらに今日の審査では、従来把握されている11本の断層以外の断層の存在可能性も指摘されている。
結局、本日の新審査会合では評価対象断層を絞り込むことはできず、次回に持ち越しとなった。
新潟大・立石雅昭教授の案内による原告団現地視察時の様子(2014.6.1)
海岸部には、この写真のように素人目にも鋭い断層の裂け目が何本も確認できるが、北電は当初、これらはすべて波の浸食によってできたものとして、断層であることすら否定してきた。
次回以降、海岸部の評価対象断層の選定、そしてその後は活動性を否定する理由、その根拠、そしてそのバックデータを示していかなければならない。
「波の浸食」と捉え、安全性の検討対象から除外してきた裂け目だが、海底50メートルの状況を把握し、その活動性を否定しなければならない。
北電にとっては陸域(敷地内)の断層評価以上に苦戦を強いられることになるかもしれない。
今回は、前回のようなお粗末な記載ミスの指摘はなかったものの、ドカ~ンと積み上げられた北電提出資料に対し、「量があればいいのではなく、議論に必要なデータが入っているかが重要だ」との厳しい指摘が。
規制庁側からは他の電力会社の審査会合に学ばない北電に対するいら立ちが随所に。
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