北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

世界農業遺産の効果、こんなところにも

2012-07-10 | 雑感
 まもなく還暦を迎えるNさん。長年農業に取り組むがずっと独身である。
 
 数年前から「もう自分の人生どうでもいいがや。生きがいもないし、強いて言えばパチンコ通いが楽しみ」という言葉を何回となく聞いてきた。
 パチンコ代を稼ぐために農業をしていると言った方がピッタシかもしれない。

 月にパチンコにつぎ込む金額は決めていて、農業収入が少なかったら翌年はひかえめに通っているので、家計が破産することはないが、将来展望はみえない。

 そんなNさん。今年はやる気になったという。

 作った作物は農協と、数年前から一部は知人を通じて金沢の直売所にもだしているが、世界農業遺産に認定された能登から恥ずかしい作物は出せない、もっと本気でやらなきゃという気になったという。

 市議会の様子をケーブルテレビで見ていても農業遺産のことが取り上げられ、少しずつ自分たちの方に風が吹いてきたかなって気になってきたともいう。

 以前、これからは世界が食糧危機になるからこれからは農業の時代だ、なんて言われた頃もあったが、その時はこんな気持ちにはならなかったという。

 それでもNさん、今年の夏もパチンコ通いはやめるつもりはない。

 暑さ本番を間もなく迎えるが、畑仕事はまず早朝涼しいうち、そして暑くなったら引き上げて、冷房の効いたバチンコ屋さんへ、そして夕方涼しくなってきたらまた畑へ。

 節電、家計も節約、気分転換にもなってますます農業に精を出せるという。
 


コメントを投稿