今朝の北國新聞。
「等伯と一門 ルーツ探訪」の専門家による調査で、「七尾生まれの画聖長谷川等伯が寄進した涅槃図の中に、ひそかに自画像を描いていた可能性が出てきた」と紹介している。
今まで想像するしかなかった等伯の相貌が生き生きと浮かび上がったとのこと。
あれっ?
等伯の自画像?
どっかで読んだような・・・と確認してみると8年前に出版され直木賞を受賞した安倍龍太郎氏の「等伯」ですでに指摘されている。
等伯の晩年、息子久蔵の7回忌に描いた涅槃図をもう一度見ておきたいと本法寺を訪れたときのこと。
その涅槃図について
「さりげなく自画像も書き込んでいる。一番左の沙羅双樹の根本に座り込み、緑色の僧衣を着て頬杖をついている男がそれである」(下巻第10章P362)
安倍龍太郎氏はこの「等伯」を書き上げるにあたり、現存する等伯の作品に触れ、バックボーンの日蓮宗と法華経の教えを学び、また既に刊行されている本はもちろんのこと全国の大学の等伯に関する研究論文も集められる限り集め、さらに等伯の研究者からも教示を得ている。
それら数多の情報を踏まえ、小説家としての創造力・洞察力を発揮し、「これぞ自画像」との思いに至ったのだろう。
さすが直木賞作家。
歴史小説家おそるべしである。
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