さよなら志賀原発ネットワークとして志賀原発の廃炉を求め、志賀町と北陸電力原子力本部へ申し入れ。
志賀町の対応は庄田副町長(県庁からの出向・珠洲市出身)。
申し入れの1点目に対しては、有識者会合の見解が一致した段階であり、今後、評価書案がまとめられ、規制委員会で議論される段階であり、科学的知見がないと動きようがない、いまは見守るとしか言えないとの立場に終始。
2点目については、原発の有無にかかわらず地域振興の取り組みは当然必要。世界遺産の活用や若者を呼び込む取り組みも行っている。原発の財源で町財政が潤ったのは事実だが、現在はハコモノの維持管理も負担となっている。現町長になってからはソフト事業中心におこなっており、大きなハコモノは来春開校予定の統合志賀小学校が初めてとのこと。
地域経済からみても原発依存度は比較的小さく、全国の原発立地自治体では脱原発のまちづくりに一番近いところにある。脱原発のモデルに向かって廃炉を求めてほしいという要望が参加者から相次ぐ。
志賀小学校の模型が一階ロビーに。
町民の安全・安心の確保が大前提としつつも、廃炉の実現まで放射能の恐怖と付き合わなければならない。
役場一階入り口付近には放射線モニタリングの数値が表示されている。
その後、志賀町内の北電原子力本部へ。
以下、今日の申入書(志賀町長あて)。
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2015年6月4日
申 入 書
志賀町長 小泉 勝 様
さよなら!志賀原発ネットワーク
共同代表 岩淵 正明
南 高広
中垣 たか子
5月13日、北陸電力志賀原発の断層問題に関して、原子力規制委員会の有識者による評価会合が「敷地内のS-1,S-2,S-6断層は13~12万年前以降の活動が否定できない」との見解を全員一致で出しました。2012年7月、原子力安全・保安院(当時)から敷地内断層の再調査を指示されて以来、北陸電力は3年近く費やしても、活断層でないことを示す証拠を見つけ出すことはできませんでした。志賀原発は敷地内の重要施設の直下に、原子力規制委員会が定めた新規制基準の規則の解釈(2013年6月19日規制委員会決定)における「将来活動する可能性のある断層等」があると認定されたことになります。
「活動性が否定できない限り活断層とみなす」、即ち「疑わしきはクロ」という規制委員会・評価会合の判断は、地震や断層に関する科学には限界があることを認めた上で、原発が抱える潜在的リスクの大きさを考慮し、安全側にたって判断を下したものであり、あくまでも安全を最優先で考えるべき原子力規制としては、評価会合の判断は当然です。また、評価会合委員は、全員が過去の安全審査の際の個別の原発の活断層評価等には関わっておらず、予断を持たずに客観的審査をすすめるための妥当な人選であると、私たちは判断しています。
志賀原発は敷地内に活断層が何本もあるだけでなく、周辺には複数の活断層があります。北電がごく最近まで活断層とは認めなかった福浦断層、3本の断層に分割して評価していたものが2007年3月の能登半島地震で一体となって動き、北電の評価が誤りだったことが判明した笹波沖断層、金沢地方裁判所の志賀原発2号機差止め判決の根拠となった邑知潟断層帯、あるいは北電の評価よりも長い可能性が指摘されている富来川南岸断層など多くの活断層に囲まれていて、耐震安全性の観点から不適当な場所に立地しているのが志賀原発なのです。
2011年3月11日以降、志賀原発は2基とも停止していますが、電力需給に何ら問題はなく、経営面でも3年連続の黒字が続いています。ところが北電はいまだに原発再稼働に固執し、結論の先延ばしを図ろうとしています。断層の活動性に関する調査や審議をまだ続け、さらなる耐震補強工事を進めるなら、その間、危険性は放置され、膨大な調査費や工事費はいずれ消費者が負担することになります。
こうような状況を鑑みれば、万が一にも大事故が起これば町の存続自体を危うくするような、活断層の上にある原発は廃炉にするのが最も賢明な選択です。志賀町は原発への依存度が他の立地町と比べて低いのですから、他の立地町にさきがけて脱原発の町へ政策転換することは十分に可能です。
私たちは、志賀町がこの脱原発のチャンスを逃さずに、能登の里山里海の恵みを活かした町づくりを目指すという英断をされることを期待し、下記の要望をいたします。
記
1.北陸電力に対して、これ以上、調査に時間を費やすようなことはせずに、原発に依存しない電力会社へ経営方針の転換を求め、廃炉に向けた検討を速やかに開始するよう申入れること。
2.原発に頼らない、真に能登の里山里海の恵みを活かすことができるような新たな地域振興策のために原発関連の財源に依存しない財政基盤をいかにつくっていくか等、町として廃炉に向けた環境整備に向けて必要な措置の検討作業を始めるとともに、必要に応じては県などとも協議すること。
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