北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

安全協定-奥能登は後ろ向き競争

2014-09-12 | 志賀原発

北國新聞(9月11日)

9月議会最終日。
本会議前の議員全員協議会で、1昨日の輪島市議会での梶市長の答弁について説明がある。
なんのこっちゃ?!と思われるかもしれない。
少し解説すると、上記記事にあるように輪島市議会9月定例会で、志賀原発の安全協定を巡る質問に対して梶市長は「万一事故があれば、奥能登は孤立する恐れがあり、同じ課題を抱える2市2町が協調して取り組むのが効果的だ」と述べ、奥能登4市町共同で北陸電力と協定締結の事前協議を行う考えを示したとのこと。
つまり珠洲市も一緒になって北陸電力と安全協定の事前協議をおこなうと梶市長は表明したのである。

2市2町が共同行動するのは結構なことと思われるかもしれない。
しかしこれでは私の3年前の12月議会の質問に対する市長答弁と食い違いが生じるのだ。
このとき市長は、安全協定は志賀町と県が結んでおり、県は県内市町を代表して安全協定を結んでいるという認識を示し、事故情報の通報は安全協定ではなく覚書で十分という立場を表明した。
もちろん私はこのような認識や対応には真っ向から反対だが、いずれにしても梶市長の答弁は珠洲市の方針が変わったかと思わせる内容なのである。

寝耳に水の珠洲市は、輪島市はもちろんのこと、能登町や穴水町にもそんな話があるのかとさっそく確認の電話を入れた。
結論から言えば、事前に関係市町との相談はなく、いずれは2市2町で協議したいとの思いを持っているとの釈明があったようだ。

ここから先は私の分析を紹介したい。

輪島市は志賀原発から30キロ圏に位置し、七尾市や羽咋市、中能登町と同じような立場にある。
七尾市や羽咋市、中能登町は、立地町である志賀町と同等の権限を盛り込んだ安全協定を求めている。
七尾市は武元市長から不嶋市長に代わり、スタンスが後退するのではと心配したが、さる8月29日の記者会見で不嶋市長は従来通り「再稼働の同意権など同等の権限を勝ち取れるよう粘り強く交渉する」と表明した。

私は梶市長が万一の事故時には孤立する奥能登4市町が結束して再稼働の同意権(拒否権)を含んだ協定を求めているのならば支持したい。
奥能登ブロックと中能登ブロックそれぞれで同意権を求めていくのならそれも有りかと思う。
しかし、上記記事にある通り梶市長は「同等の権限までは必要ない」としている。

つまり梶市長は30キロ圏の仲間である七尾市、羽咋市、中能登町と一緒に同意権を求める行動はしたくないのである。

しかし、中能登ブロックと比べ、輪島市が後ろ向きとは見られたくない。
そこで奥能登4市町が孤立化対策で共同するというパフォーマンスで、問題から住民の目を逸らそうとしているのである。
孤立化対策は、基本的には防災対策で対応する問題だし、安全協定の同意権を獲得してこそ意味を持つ。
梶市長のパフォーマンスに珠洲市は付き合わされた形だ。

もっとも珠洲市は安全協定どころか、覚書で十分という立場で、後ろ向きの輪島市のさらに後ろに位置する。

志賀原発の危険から目を逸らして、課題から逃げろや逃げろの後ろ向き競争である。
情けない。









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