9月26~28日の日程で市議会総務常任委員会の佐渡視察。
新潟港からの佐渡両津港への行きはフェリー「おけさ丸」で約2時間半の船旅。
帰りはジェットホイルで1時間。フェリーの2等席の方が安いということもあるが、船旅は早ければいいというものではない。
以前、武田鉄矢が佐渡へ渡った様子をラジオで紹介しているのを聞いたことがあったが、フェリーにカモメがついてくるのである。
目の前1メートルほどのところをカモメが悠々と飛ぶ姿もなかなかだが、さらに面白いのは餌やりである。
餌は売店で売っているかっぱえびせん。空に放り投げると見事にパッとくわえる。手に持って差し出すとパクッとこれまた見事に食べていく。
さて、視察の目的は、国連食糧農業機関(FAO)が今年6月、能登の里山里海と同時に世界重要農業遺産システム(GIAHS)に登録された「トキと共生する佐渡の里山」の取り組みを学ぶことである。
ところが、新潟港でも両津港でも目立つのはユネスコの「世界文化遺産」登録をアピールする看板、ポスターばかり。
ようやく両津港のフェリーから降りたところで祝GIAHS登録の看板が。
佐渡はGIAHS登録だけでなく、金と銀の島、日本海3000千万年の歴史をたどる島として世界ジオパークの認証、そして「金を中心とする佐渡鉱山の遺跡群」として世界文化遺産登録を目指しているのだ。島の生き残りをかけた戦略は遠く、大きく将来を見据えている。
さて、27日の視察のメインはトキである。
まず、環境省、新潟県、佐渡市で運営するトキの森公園を訪れる。年間24万の方が訪れる。
案内はボランティアのトキガイドさん。20名ほどおられるとか。
窓越しのその先約20メートルにある飼育ケージにトキが!
残念ながらケージのそばまでは行くことはできない。
1999年1月、中国から贈呈された「ヨウヨウ」「ヤンヤン」のつがいから繁殖がはじまり、いまでは234羽がいる。うち21羽はいしかわ動物園に来て分散飼育されている。
トキ資料展示館の中にはGIAHS認定を紹介するコーナーも。
トキをシンボルにしての佐渡の生物多様性保全の取り組みが進んでいる。
次に佐渡トキ保護センターの野生復帰ステーションへ。
この間の4回の放鳥(野生に戻す)で46羽が自然界に戻っている。うち一羽は昨年、珠洲まで飛来している。
ここでも残念ながら離れたところからしか見られない。双眼鏡で4羽が確認できた。
実は、非常にラッキーなことにこの日から5回目となるトキの放鳥がおこなわれるという。
今回の放鳥予定は18羽。情報では朝から7羽が飛び立ったという。
そして、さらにラッキーなことに視察団一行はこの移動中の車中から、この野生復帰ステーション上空を舞うトキを目撃することができたのである。
ここは第1回の放鳥の場所。ハードリリースと言って、箱に入れてきて放っている。
その後の放鳥はソフトリリースと言ってステーションのケージを開けて、自分から飛び立っていくのを待つ方式だ。トキは、籠の中の鳥で居続けるか、自由に空を舞う道を選ぶかの選択を求められる。
トキ交流会館へ寄り、相川地区へ。
金銀山の鉱山遺跡があるところだ。写真は北沢浮遊選鉱場。昨年11月、世界遺産暫定リストに登録されている。
宿泊の旅館の前にある夫婦岩。揃って窓岩になっている。
西向きでちょうど夕日が沈むところへ。
水田の風景は珠洲と見間違うよう。そして島の北側の海岸は、珠洲の外浦海岸。さらに旅館の前には製塩釜が。能登と佐渡の共通点は多い。
28日は佐渡市議会へ。
佐渡市は2004年3月に1市7町2村が合併して発足。市議会は本庁舎内にはなく、佐和田行政サービスセンターにある。
議会事務局および生物多様性推進室の職員から説明を受ける。
・佐渡の農業は金銀山の発展の歴史と切り離して捉えることはできない。
人口急増による新田開発、棚田
鉱山技術を応用した開墾、灌漑の土木技術
豊かな兼業農家
豊かな伝統芸能(能、鬼太鼓など)
・トキと共生する農業、トキをシンブルにした米の販売
トキ一羽あたり33haの水田やビオトープが生息環境として必要
(60羽で2000ha)
農薬・化学肥料を半減、生き物を育む農業
→ 「朱鷺と暮らす郷」のブランド化、認証米制度
現在1200ha H24年には全島6000haへ
お米屋さんとの連携、協力依頼(300超える)
・GIAHS認定の意義は大きいが、市民の間でも、全国的にも認知度低い
佐渡・石川共同で東京で情報発信できないか
市内では年内にフォーラム開催予定
・アクションプランは市民の声を十分に吸収する中で作成する時間がなかった。
JA青年部や婦人部、農業委員会などとの意見交換を通じてよりバージョンアップを
・GIAHSの取り組みと農家の認識、必ずしも一致していない。
現実には佐渡版価格保証制度が大きい
認証米の意義、徐々に浸透
・能登は4市4町に県が加わる ←→ 新潟は佐渡市の孤軍奮闘
(1市で大変だが、かえって動きやすい?)
・GIAHS、ジオパーク、世界遺産は総合政策課で課題を整理し推進する
・能や鬼太鼓など伝統芸能は農業とのストーリー性を大切にして活用していきたい
観光客には評判はいいが、まずは地元の理解と取り組みが前提
などなど、たくさんの話を聞くことができた。
今後、さらに交流を深める必要性を痛感。
珠洲市-小木町の姉妹都市の歴史を踏まえ、佐渡市との関係強化、いずれは姉妹都市提携を。
そのためにはもっと交流しやすいインフラ整備が不可欠。
※珠洲-金沢 2時間
金沢-新潟 4時間近く
新潟-佐渡 2時間半(フェリー)
飯田港-佐渡のフェリーの復活?ジェットフォイルは?
能登空港-佐渡空港、小型機飛ばせないか。
新潟港からの佐渡両津港への行きはフェリー「おけさ丸」で約2時間半の船旅。
帰りはジェットホイルで1時間。フェリーの2等席の方が安いということもあるが、船旅は早ければいいというものではない。
以前、武田鉄矢が佐渡へ渡った様子をラジオで紹介しているのを聞いたことがあったが、フェリーにカモメがついてくるのである。
目の前1メートルほどのところをカモメが悠々と飛ぶ姿もなかなかだが、さらに面白いのは餌やりである。
餌は売店で売っているかっぱえびせん。空に放り投げると見事にパッとくわえる。手に持って差し出すとパクッとこれまた見事に食べていく。
さて、視察の目的は、国連食糧農業機関(FAO)が今年6月、能登の里山里海と同時に世界重要農業遺産システム(GIAHS)に登録された「トキと共生する佐渡の里山」の取り組みを学ぶことである。
ところが、新潟港でも両津港でも目立つのはユネスコの「世界文化遺産」登録をアピールする看板、ポスターばかり。
ようやく両津港のフェリーから降りたところで祝GIAHS登録の看板が。
佐渡はGIAHS登録だけでなく、金と銀の島、日本海3000千万年の歴史をたどる島として世界ジオパークの認証、そして「金を中心とする佐渡鉱山の遺跡群」として世界文化遺産登録を目指しているのだ。島の生き残りをかけた戦略は遠く、大きく将来を見据えている。
さて、27日の視察のメインはトキである。
まず、環境省、新潟県、佐渡市で運営するトキの森公園を訪れる。年間24万の方が訪れる。
案内はボランティアのトキガイドさん。20名ほどおられるとか。
窓越しのその先約20メートルにある飼育ケージにトキが!
残念ながらケージのそばまでは行くことはできない。
1999年1月、中国から贈呈された「ヨウヨウ」「ヤンヤン」のつがいから繁殖がはじまり、いまでは234羽がいる。うち21羽はいしかわ動物園に来て分散飼育されている。
トキ資料展示館の中にはGIAHS認定を紹介するコーナーも。
トキをシンボルにしての佐渡の生物多様性保全の取り組みが進んでいる。
次に佐渡トキ保護センターの野生復帰ステーションへ。
この間の4回の放鳥(野生に戻す)で46羽が自然界に戻っている。うち一羽は昨年、珠洲まで飛来している。
ここでも残念ながら離れたところからしか見られない。双眼鏡で4羽が確認できた。
実は、非常にラッキーなことにこの日から5回目となるトキの放鳥がおこなわれるという。
今回の放鳥予定は18羽。情報では朝から7羽が飛び立ったという。
そして、さらにラッキーなことに視察団一行はこの移動中の車中から、この野生復帰ステーション上空を舞うトキを目撃することができたのである。
ここは第1回の放鳥の場所。ハードリリースと言って、箱に入れてきて放っている。
その後の放鳥はソフトリリースと言ってステーションのケージを開けて、自分から飛び立っていくのを待つ方式だ。トキは、籠の中の鳥で居続けるか、自由に空を舞う道を選ぶかの選択を求められる。
トキ交流会館へ寄り、相川地区へ。
金銀山の鉱山遺跡があるところだ。写真は北沢浮遊選鉱場。昨年11月、世界遺産暫定リストに登録されている。
宿泊の旅館の前にある夫婦岩。揃って窓岩になっている。
西向きでちょうど夕日が沈むところへ。
水田の風景は珠洲と見間違うよう。そして島の北側の海岸は、珠洲の外浦海岸。さらに旅館の前には製塩釜が。能登と佐渡の共通点は多い。
28日は佐渡市議会へ。
佐渡市は2004年3月に1市7町2村が合併して発足。市議会は本庁舎内にはなく、佐和田行政サービスセンターにある。
議会事務局および生物多様性推進室の職員から説明を受ける。
・佐渡の農業は金銀山の発展の歴史と切り離して捉えることはできない。
人口急増による新田開発、棚田
鉱山技術を応用した開墾、灌漑の土木技術
豊かな兼業農家
豊かな伝統芸能(能、鬼太鼓など)
・トキと共生する農業、トキをシンブルにした米の販売
トキ一羽あたり33haの水田やビオトープが生息環境として必要
(60羽で2000ha)
農薬・化学肥料を半減、生き物を育む農業
→ 「朱鷺と暮らす郷」のブランド化、認証米制度
現在1200ha H24年には全島6000haへ
お米屋さんとの連携、協力依頼(300超える)
・GIAHS認定の意義は大きいが、市民の間でも、全国的にも認知度低い
佐渡・石川共同で東京で情報発信できないか
市内では年内にフォーラム開催予定
・アクションプランは市民の声を十分に吸収する中で作成する時間がなかった。
JA青年部や婦人部、農業委員会などとの意見交換を通じてよりバージョンアップを
・GIAHSの取り組みと農家の認識、必ずしも一致していない。
現実には佐渡版価格保証制度が大きい
認証米の意義、徐々に浸透
・能登は4市4町に県が加わる ←→ 新潟は佐渡市の孤軍奮闘
(1市で大変だが、かえって動きやすい?)
・GIAHS、ジオパーク、世界遺産は総合政策課で課題を整理し推進する
・能や鬼太鼓など伝統芸能は農業とのストーリー性を大切にして活用していきたい
観光客には評判はいいが、まずは地元の理解と取り組みが前提
などなど、たくさんの話を聞くことができた。
今後、さらに交流を深める必要性を痛感。
珠洲市-小木町の姉妹都市の歴史を踏まえ、佐渡市との関係強化、いずれは姉妹都市提携を。
そのためにはもっと交流しやすいインフラ整備が不可欠。
※珠洲-金沢 2時間
金沢-新潟 4時間近く
新潟-佐渡 2時間半(フェリー)
飯田港-佐渡のフェリーの復活?ジェットフォイルは?
能登空港-佐渡空港、小型機飛ばせないか。
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