北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

安倍再登板内閣をどう見るか

2012-12-27 | ニュースコメント
 さくじちゅ発足した(わざとではなくつい打ち間違えてしまったがそのままにする)安倍内閣について、昨日から今日にかけて様々な評価が飛び交っている。

 概ね参議院選挙までは安倍色を控えて安全運転内閣、重厚な布陣を敷き経済対策最優先といったところか。かつての「お友達内閣」の反省が十分に生かされていると、何人かの政治評論家が評している。
 森喜朗元首相に至っては適材適所、総合力、チームワークの内閣とベタほめである。

 北陸中日新聞「こちら特報部」はおなじみの辛口有識者に新内閣を命名してもらっている。
 「福島圧殺内閣」、「ネトウヨ内閣」は読んで字の通り。
 「厚化粧内閣」は女性を使った参議員選挙対策内閣という意味。
 立憲主義をいまだに理解せず改憲を掲げていることを指摘し「学力低下内閣」なども。

 私は、安全運転の重厚内閣内閣という評価には大いに違和感を感じる。
 かつての自公政権は、安倍内閣以降次々と1年交代だったから、安倍氏、麻生氏と二人の総理経験者がいても特段重みはない。谷垣前総裁の入閣も、重みというより、同情人事でむしろ軽く感じるる。

 原発推進シフトは予想通りだが、推進と規制の分離どころか規制担当大臣には石原伸晃氏ということで、推進-推進の布陣である。
 そういう意味ではいくら福島出身者を二人入閣させようと、まさに「福島圧殺内閣」である。福島から学ばない、学ぼうともしないという意味では「学力低下内閣」ともいえる。

 原発以上に注目したいのは、菅義偉、古屋圭司、岸田文雄、下村博文、根本匠、山本一太、稲田朋美、新藤義孝らである。
 このうちかつて菅義偉、古屋圭司、岸田文雄、下村博文、根本匠、山本一太の6氏は、かつて安倍氏が事務局長を務めていた「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」のメンバーであり、河野談話の見直しを求めてきた。
 党政調会長に就任した高市早苗氏も同様である。
 稲田朋美氏は南京大虐殺や従軍慰安婦の強制連行を否定し、新藤義孝氏は領土問題で過激な行動を展開している。

 安倍首相よりもさらにタカ派と言われるほどのメンバーがこうして閣僚に名前を連ねている。周辺諸国はじめ世界各国が警戒を強めるもの当然といえる陣容である。
 参議院選挙までは安倍カラーを控えめにするとの予想がもっぱらだったが、ここまで露骨に出すとは意外なくらいである。安倍首相のタカ派発言の刺激を緩和することが狙いかと勘繰りたくもなる。
 ここにさらに麻生氏が加わる。

 これだけ極右、タカ派がいれば「ネトウヨ内閣」が一番適当かとも思えてくる。
 そんな中で目に留まったのが今日の朝日新聞オピニオン欄に掲載されていたおなじみ小林よしのり氏のインタビュー記事である。

 私は小林氏の主張に共感することはほとんどなかったが、安倍氏は「ネットを中心にわき上がる愛国心のバブル」に精神的に依存している、とか「ネット右翼のような人たちの個をどう安定させるか。それを政治家がやらなければならない」、言葉だけタカ派自民党との対立軸として(愛国心を体現する)リベラルな政党をつくりたい、などなど興味深い発言が続く。

 タイトルは「ネット右翼ともたれ合う」。


コメントを投稿