オヤジの弁当箱

日々の手作り弁当だけが生甲斐のしょぼくれオヤジ。弁当メニューと併せて日々の雑感を付記。

牛スキ弁当と鮎飯の話

2016-11-09 | Weblog

11/9(水) 木枯らしが吹き、江戸の街も寒くなってきた。本格的な冬の到来を思わせる昨日・今日である。出勤途上で見かけた女性はコート姿が目立つ、男性は未だそれほどでもない。

到着駅の階段にうずくまったホームレスは、首をうなだれたままでピクリともしなかった。これからの季節、ねぐらを持たぬ面々にとっては辛い日々となろう。ホームレス、浮浪者・ルンペン、乞食と表現は変わっても実態に変わりは無かろう。自分がそうであったら、秋が始まると南へ、春になると北へ歩こうと常々思ってきた。が、幸か不幸か夜露をしのげるあばら家が在る。

我が住いの在る学芸大学で、台車に荷物を乗せてガード下で憩っている老人らしき姿を長く見ている。以前は近くに在った古本屋にマンガや週刊誌の類を持って入る姿を見かけたが、近頃目にするのはコンビニのゴミ場箱を探る姿である。或る時は、役所の者らしき背広姿の二人連れに、何やら訊かれている姿も見かけた。

この老人らしき姿を見かけると、弁当の一つも差し上げたい気になるが、そんなことは一度もしたことがない。一時の気まぐれは却って失礼になるのでは?と、面倒なだけだが。この老人にみすぼらしさは感じない、例えゴミ箱を漁っていようが・・・・。春も夏も秋も、これからの冬の季節も姿をみてきた。されど、何時まで元気にいられるのか・・・・。朝晩の冷え込みと、木枯らしが吹く時期になるとそんなことを思う。

さて、昨夕は渋谷村で友人のY氏と会うことになっていた。薄暗くなった時刻、YOSHIOとドトールでのコーヒータイムを済ませてから渋谷へ。暫くして携帯が鳴った。何かと思えば、急案件ができたのでキャンセルさせてくれとの連絡だった。泣くこと現役には勝てない。かといって、一人酒も面白くないし、人形町に戻るもしゃくだ・・・・。

かくして、学芸大学に帰ることにした。帰って何をするか?それが問題だ。本を読む!で、甦ったのが”池波正太郎”のエッセイに出ていた「鮎飯」のことだ。池正先生は、埼玉県寄居に在る鉢形城址の取材で宿泊した宿「京亭」で食した鮎飯を激賞していた。この料理宿は、鮎飯で有名なようだ。電車の中で、そのことが浮かんだのだ。

幸いに鮎は、冷凍物ながらも秋鮎の子持ち鮎が有る。鮎開きや鮎寿司がよく作るが、鮎飯或いは、鮎ご飯と云うのは作ったことがない。出汁と鮎で米を炊けばできるだろう・・・。念のためにネットで作り方を見た、、後は応用だ。

19時過ぎに帰宅、出汁を取るために鰹の削り節を買ってのことだ。二合半ほどの新米を、それもHIROKATUが作ったやつを。丸々の秋鮎もHIROKATUが獲ったやつだ。我が地元産の鮎と米で、鮎飯にチャレンジした。昆布と鰹節で出汁をとり、鮎は素焼きした。酒・醤油・塩・味醂を加えて、土釜で炊いた。素焼きした鮎は途中で入れたが・・・。最初から入れてもよかったか?

炊き上りが心配だったが、頃合いだろうと火を止めた。十分ほど蒸らしてから土鍋の蓋を取ると・・・・。醤油味醂でほんのりと焦げ茶色になったご飯の上に、鮎二匹が土鍋の寸法一杯に寝姿よく横たわり、鮎と醤油の匂いが香ばしく漂いのぼってきた。これを写真を撮ってないのだ・・・。

別皿に鮎を一旦取りだして、頭やヒレなどを覘いて釜の中に戻した。それを炊きたてのご飯と混ぜ合わせたのである。ただ、それだけのことだが、これが美味かったネ! 絶品だったとお伝えする。私の料理腕の確かさと?産地良しの鮎と米、これらがあいまった成果であろう・・・。

鮎飯のことは、スタッフのAOKI君が料理家のJIN先生のとこに私の鮎を持参し田ことがある。その時に鮎飯を作って振舞われたそうだ。その鮎味がとてもよかったと聞いてはいた。今度HIROさんとこへ行ったら、披露するか・・・・。

思いがけずに時間が出来、ゆっくりとすごせた夜であった。新メニューへの挑戦もできた、ドタキャン大いに結構である。

 

で、今朝の弁当となるが、「牛スキ弁当」である。日山で買ってあった牛スキ焼用きり落とし(880円/100g)を使ったスキ焼である。牛の他にタマネギとエノキが入っただけのシンプルなやつだ。他には、「ポテ&キャロ&マカロニ&茹卵のサラダ」たったそれだけ。ゆで卵を半分弁当に入れたか。

                         

長女は夜勤明けなので弁当不要。たった一つの弁当だぜ、料理人の腕も泣いてらぁな・・・・。なんて言いながらも、真剣だよ。唯一の趣味だからね

なんちゃって言ってるが、美味い物を喰わしたい、美味しく食べて欲しい。この気持ちがなくなれば弁当作りから撤退、廃業する。

 

 

 

 

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