もともとこの地上の聖所制度は、神が私たちをどのように救われるかを示す福音でした。実物教訓です。聖所制度と儀式を通して、神様が私たちをどのように救わるか、実例で示してくださるのです。聖所は神様が私たちを救われるときに、どのような方法で、どのような段階を踏まれるかを教えてくれます。つまり、皆さんと私たち罪人の心に、カチカチにこびりついた隠れた罪を、どのように溶かし、取り除き、再び私たちを罪と関係ないものとしてくださるのか、その過程と福音の働きを示したものが聖所制度です。
この聖所制度はどのように制定されたでしょうか。モーセが、地上の幕屋を建てる時に、神様は、人の手によって作られたものでない、天にある聖所を、啓示を通して教え、それを模して作るように命令されました。かつて、神様はノアには寸法まで指示し、箱舟を作るように命じられました。どんなに主を信じるといっても、箱舟に入らなければ救いがなかったように、今日も、「主よ、主よ」と言うものが天国に行くのではなく、主の御心の通りに生きる人だけが救われるのです。つまり、聖所を建て、その聖所制度に示された福音の段階を踏み、主のご計画された通りに罪から清められた魂にしか、救いはないのです。
「ところがキリストは、はるかにすぐれた務を得られたのである。それは、さらにまさった約束に基いて立てられた、さらにまさった契約の仲保者となられたことによる」(ヘブル8:6)。
少し説明を加えたいと思います。
(ヘブル9:1-12)
さて、初めの契約にも、礼拝についてのさまざまな規定と、地上の聖所とがあった(ヘブル9:1-12)。
初めの契約とは何でしょうか?旧約聖書に記された、モーセによって伝えられた様々な教えです。