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近頃は、流行したかと思うと、急にスパッと消える。多くの人がインフルエンザの抗体をしっかり持っているからであろう。
かっての昔は、同時にタイプの違うインフルエンザが流行するということはなかった。一つが流行すると、他のウイルスは、不思議に流行しなくなっていた。それが、今は、かなり長いこと、香港とソ連が同時に存在している(これは、珍しい現象)。驚いたのは、検査で時に、A型もB型も同時に検出されることがあることだ。
小児科では、経営上、喘息とこのインフルエンザで、かなりの収益を上げていると思われる。昨今、喘息に関しては、予防に重点が置かれる様になって、ひどいケースが激減した。あちこちの喘息患児を収容する療養所も、閉鎖に追い込まれている。インフルエンザに関しても、予防接種のせいか、流行時期がかなりずることが多くなった。リレンザやタミフルで、来院する回数も減っている。時に、4月や5月にインフルエンザが流行したりもしているが、ひどくなるケースが少ない様だ。
私なりに以下の経験をした。
かってインフルエンザが効かないと騒がれていた時、たはら小児科医院のスタッフとその家族の分だけを何とか確保して、インフルエンザの予防接種をした。何と、インフルエンザが大流行した時に、打った我が子ども達は、子どものクラスの殆どがインフルエンザになったのに、全く罹患しなかった。この時、私は、本当にインフルエンザのワクチンは効くなあと実感した。インフルエンザの連続変異の多くは、ヒトの体の中で行われる。思うに、今の様にワクチンを沢山のヒトが打ってしまうと、連続変異が起きやすくて、直ぐに変異してしまうのでないだろうかと考えてしまう(近頃は、かなりギリギリまで煮詰めて予防接種の型を決めているが)。
平成4年10月に、インフルエンザが佐伯で大流行したことがある。こんなに早く流行するはずはないと思いながらも、どうしてもインフルエンザと思わざるを得なくなり、定点になっていた関係で、報告した。その後、大分医大の先生が、その原因をB型だと突き止めて学会で発表した。当時の大分県のインフルエンザの報告数59は、全て私が報告した数で、その週は、全国一多い数になっていた。
http://plaza.rakuten.co.jp/nihonnokokoro/diary/200801090000/