これまでに,保護者の方々からどのようなクレームを受けたことがおありだろうか。
本当にためになるもの,全くもって理不尽なもの,自分だけはどう対処しようもないもの・・・
教育に対する保護者,社会全体の目が厳しくなっている今,これらのクレームにうまく対処していくのも,教師に必要な能力の一つである。
クレームへの対処の仕方として,教師にありがちな,まずいやり方がある。
「私は教師であり,教育に関して多くの実績をもっています。今回ご指摘いただいた点も,私の理念から行っていることであり,そこには・・・という深いねらいがこめられているのです。もし,それがおかしいというのであれば,・・・」
学校の先生は,えらそうになりがちである。
普段,子どもの前でえらそうにするのに慣れてしまって,保護者に対してもこのような態度をとってしまう人がいる。
このような対処の仕方では,どれだけそれがもっともらしいことを言っていても,保護者との溝は深まるばかりだろう。
保護者のクレームに対処するときの,攻略法はこれだ!
1.心から謝罪する
2.お礼を述べる
3.クレームの内容を徹底的に聴く
である。
謝罪「そうでしたか。それは,私の配慮が欠けていました。誠に申し訳ありませんでした。」
お礼「たくまくんのことを(クラスのことを)思い,ご丁寧に教えてくださって,ありがとうございます。」
聴く「・・・という点について,ぜひ詳しくお聞かせください。今後の学級経営に必ず生かしていきたいと思います。」
「クレームに対する自分の考えを述べる」というのは入っていない。それは二の次である。
大事なことは,教師と保護者の関係をよくするということだと思う。
どんな理不尽なことであっても,まずは謝罪しよう。
熱心にも手間をかけて連絡してくださったことにお礼を言おう。
そして,相手の意見をとことん聴こう。これでもかというほどつっこんで聴くことで,相手の気持ちはおさまってくる。そのクレームが正しいことなのかが,明らかになってくる。
このような真摯な態度の教師に,保護者は信頼を感じるようになる。
教師としては,それが一番のねらいだ。今後も長く付き合っていく保護者である。
もちろん,すべてのクレームに対して「おっしゃる通りです」とこびをうるわけではない。
この「謝罪」「お礼」「聴く」のあとに,教師という立場から伝えたい必要なことがあれば,それは丁寧に伝えよう。
この対処の仕方は,一般企業の社会人と同じである。企業は顧客の信頼を損ねて,顧客を失うことは絶対にあってはならない。相互の良質な関係こそが,企業の運営の命なのだ。
このことは,ある意味教師という仕事も同じであると思う。「先生」としてえらそうにするのではなく,一社会人として,学ばなければならないことも多い。
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