初任のころ,同学年の女性の先輩先生に教えていただいた。
「日記ノート(生活ノート)は,子どもたちに2冊配るの。そうすると,宿題として1冊提出させ,それをその日のうちに返さなくても,次の日はもう1冊のに宿題ができるわ。日記もゆっくり見れるし,いいわよ。」
(・・・ってことは,子どもたちが帰ってから,夕方か夜に30人分の日記を読むってことか)
それはしたくないな,と初任ながらにすぐ思った。
この先輩先生はとても優しい先生で,子どもたちの日記もじっくりと読み,しっかりとコメントを書いて,字の間違いなども丁寧に書き直してあげていた。
とてもすごいことだと思うが,教師の仕事量を総合的に考えると,ここまで日記のチェックに労力を使うことは,望ましくないと判断した。
そこで,スキマ時間を利用して必ずその日のうちに全員分の日記をチェックし,返すようにした。
その毎日の作業を繰り返す中で,コツを見つけた。
日記を見るときの攻略法はこれだ!
日記の中の一文に注目し,アンダーラインをし,それに対してコメントする!
である。
少し詳しく示そう。
1 日記の全文を読むのではなく,全体をながめる。(一瞬で)
→子どもが書いた文の全部を読むと時間がかかる。しかしせっかく書いてきたものを無視するのはだめだ。だから,「ながめる」のだ。全体として「~のことを書いている」というのをとらえるのである。これを1~3秒ほどでしてしまう。
2 ここだと思う一文を選び,アンダーラインをする。
→子どもが一番伝えたいと思っている一文,一番工夫されている一文,一番教師の心に響く一文,他の子たちに伝えたい一文,そういった一文を選ぶ。これを選ぶ目は,繰り返しの作業の中でしっかり養いたい。そしてアンダーライン。このアンダーラインが,子どもを喜ばせるコツである。子どもは「あ,先生はちゃんと読んでくれている」「今日は,この文がよかったんだ。やっぱりね!」
3 その一文に対しての,コメントを具体的に書いてあげる。
→全体を読んでからコメントをすると,コメントも「楽しかったんだね。」「これからもがんばろうね。」などと,あいまいになってしまう。でなく,一文に対してコメントをすると,具体的なコメントになる。この方が書きやすいし,子どももよく読む。
この3ステップの日記チェックで,時間はグッと短縮できる。かつ,その作業を手抜きするわけでなく,子どもたちにもしっかり届くお返しができる。
慣れて,調子よくできた日は,朝の始業前にすべての日記をチェックし終えることだってできるようになる。
前の先輩先生のように,字の間違いなどは訂正できない。しかしそれは,日記を書かせることの目的が,家庭学習の習慣化と,教師との心の交流だとしているから,やむを得ない。字の指導は,別の学習でじっくりとしよう。
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