担任という立場であれば,クラスが今いい状態なのか,よくない状態なのかはとらえることができる。
というのも,その担任の経験や力量にもよるが,一般的には学級を運営するリーダーである立場から,いつもクラスの状態には敏感であるはずだ。
クラスにまとまりがでてきたり,やる気に溢れていたり,落ち着いて授業にのぞめていたりするときは,担任としてとてもうれしいし,子どもたちをほめてあげたい。
逆に,クラスでトラブルが多くなったり,元気がなかったり,そわそわしているとき,担任は頭を悩ませ,子どもたちを指導する。
一年間の学級経営においては,これらの状態を様々に経験するものだ。
いいときもあるし,悪いときもある。
そんなことを繰り返しながら,よりよいクラスになるようがんばっていくのだ。
この一年間のクラスづくりについては,子どもたちにぜひ主体的に取り組んでほしいと願う。
担任の先生だけが四苦八苦するのでなく,子どもたちが,いつもクラスの状態を自覚し,課題があればその解決に向けて積極的に取り組めるクラスにしたい。
ここで必要なことは,「子どもたちが自分のクラスの姿を自覚する」ということだ。
これは,なかなか難しいことなのかもしれない。
担任のように広い視野でクラス全体を見渡している子などはあまりおらず,基本的には自分と,周りの友だち数人くらいのことなら把握しているだろう。
そんな子たちに,今のクラスの姿を見つめ,考えられる機会を与えたい。
そんなときの攻略法は,これだ!
クラスの「よいとき」と「悪いとき」を具体的に記録しておき,今と比較させる
である。
子どもが何かを考えるときに,とても有効な手段が,この「比較」である。
何かと何かを比べれば,その違いや,どちらがよいかを考えられる。
だから,学級経営に関しても,担任は,クラスの状態がよいときと,悪いときを記録しておくようにしたい。これからの学級経営のために。
記録の方法としては,担任がそのときの出来事をメモしたり,印象に残る場面を写真にとっておいたり,授業記録として残しておくこともできる。
しかし,一番の記録の方法がある。
とてもリアルで,子どもにも分かりやすくて,手軽な記録の方法がある。
それは,子どもの「日記」だ。
この日のことは記録しておきたいと思ったら,宿題の日記にその出来事について書かせるようにしよう。
そして書いてきたら,よく書けているものをコピーしておく。
これが一番のクラスの記録になる。
そして,日が経つごとに,時折その記録を子どもたちに紹介する。
「これは,5月30日のゆうきさんの日記です。『クラス全体が授業に集中できていなくて,先生に強くおこられました。5年生として,こんなことではいけないと,クラスみんなで話し合いました。』
子どもたちは「あぁ,そういうこともあったなぁ」という顔をする。
「どうですか。9月になりましたね。今,この日記のときと比べて,クラスはどんな姿だと思いますか。」
「比較」するものがあると,子どもたちは考えやすい。
日記のほかにも,学級日報をつくっている場合は,それもいい記録となるだろう。
学級経営に限らず,子どもに何かを自覚させたい,考えさせたいというときは,「比較」できるものを準備してあげるとよい。
※「隣のクラスと比較する」ということもできるが,これはお勧めしない。どちらがよい,悪いとなっても,やはり後味が悪いだろうし,比べること自体ポイントがずれている。
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