朝ご飯を食べさせる という話題になったとき,もちろん子どもたちにも指導するが,どちらかというと保護者に訴えたいことである。
なのでカテゴリーは「保護者への攻略法」とした。
今回の攻略法は,子どもたちに向けて指導すると同時に,学級PTAなどの際に保護者に向けて話をしてみたいことだ。
朝ご飯の重要性が言われだしてから久しい。
3時間目ごろ,授業中にぼーっとしているゆうすけくんが気になる。
「どうしたの?」いろいろと聞いてみると,「えぇ?朝ご飯食べてきてないの?そりゃいけないなぁ」
そこでゆうすけくんや,学級全体に向けて,「朝ご飯は大事ですよ!その日一日のエネルギーになるんですからね!」
また,ゆうすけくんにそんな日が続くようであれば,保護者にも連絡をするだろう。同じように朝ご飯の重要性を訴える。
ここで訴える朝ご飯の重要性に,より説得力をもたせたい。
説得力をもたせる一番の力は,数字がもっている。
「なんとなく重要」「重要だと前から言われている」ではなく,数字をもって「ほらね,重要でしょ」と伝えよう。
今回の攻略法はこれだ!
朝ご飯を食べないと脳が働かないメカニズムを示す!
である。
以下,名著「子どもの脳を育てる教育 永井誠司氏著 河出書房新社」からの引用である。
「脳のエネルギー消費量は,内臓の中でもとくに大きく全消費量の約18%を占めています。(中略)
脳のエネルギーは,すべてブドウ糖にたよっています。脳は,毎時5gのブドウ糖を消費します。
脳には,ブドウ糖を造る機能も貯蔵する機能もありません。それらの機能を主として担っているのは肝臓です。(中略)
しかし,その肝臓に備蓄できるブドウ糖(グリコーゲン)の量は約60gが限度なのです。そうすると,脳には12時間しかグリコーゲンを供給できないことになります。」
つまり,昨日の夜,7時に食べた晩ごはんによって蓄えられたブドウ糖は,翌朝7時には使い切ってしまうということだ。(眠っている間も脳はブドウ糖を消費する)
もし朝ご飯を食べなかったら,脳へのエネルギーは空っぽのまま,お昼の給食まで授業を受けることになる。
これでは学習に身が入らないのはもちろん,身体の生理的な活動も調子を崩すのは当たり前なのである。
ここまで話をすると,朝ご飯の重要性に説得力がある。
子どもの生活習慣を正すために教師が必死になって指導することも少なくない。そんなときは,こういった実証に基づく数字の入った話をすると,子どもや保護者の意識を変える力になる。
最近では脳科学をはじめ,子どもの生理的な機能を支えるための研究も進んでいるから,探してみると身近なところにためになる話がたくさんあるものだ。
ぜひ活用したい。
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