小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

犯人は,透明人間

2010-01-23 06:49:43 | 学級生活の攻略法
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クラス内で,先生の知らぬ間にトラブルが起きてしまいました。

犯人探しはしたくありません。(「犯人」という言葉も使いたくはありません)

ある子が報告しにきました。「先生,大変!」

いやな予感がします。「どうしたの?」

「ほら,ここ見てください。落書きが…」

教室後ろの棚の端のほう,あまり見えないようなところに「しょうこバカ」と。

(あいたたた・・・)

前にこんなものはありませんでしたので,明らかに「誰かが」したいたずらです。

いえ,「いたずら」にとどまらず,これは「いじめ」を視野に入れた方がいいかもしれません。

さあ,どうしましょうか。

長い時間をかけて犯人探しをするようなことはしたくありません。

しかし,これをしてしまった子には厳しく指導しなくてはいけない。

クラス全員にこれは悲しいことで,よくないことだと教えなくてはいけない。

そこで…

透明人間をしたてあげ,厳しく叱る!

ということをしてみました。

「は?」と思われるかもしれませんが・・・ 

クラス全員を席につけ,先生の指導が始まります。

先生「かべに落書きがありました。人を傷つける言葉を書いています。先生はこういうことが大嫌いです。絶対に許しません。やった人は正直に立ちなさい。」

誰も立ちません。しかし・・・

先生「よし。よく立った。前へ来なさい。」

子どもたちは「えっ?」という顔をしています。(誰も立ってないよ。先生だれに言ってるの???)

先生は,誰かを目で追うように,前に来た子を眺めています。

「ここに立って,みんなのほうを向きなさい。みんな,ここに落書きをした本人がいます。とても悲しい顔をしています。しっかり見つめなさい。」

そう言って,先生は,教室の一番後ろに行きました。

そう,先生は透明人間の「犯人」をつくったのです。

今,教室は,透明人間の犯人が一人前に立ち,クラス全員の方を向いています。他の子たちと先生はみんな,その子をガンとして見つめています。

そして指導が始まります。ここは,厳しくやります。

先生「ひろきくん,前に立っている子に言いたいことがありますか。」

ひろき「なんでそんなことするのかな… ひきょうだと思う。」

他の子も「絶対にしちゃいけないと思う。」「やられたしょうこちゃんのこと考えるとすごくかわいそう」「もし自分がされたらどうするの」「せっかくクラスみんなで仲良くなろうとしているのに」

どんどんと言葉を浴びせます。その透明人間に向かって。

先生も正義感の強いその子たちの味方です。厳しい目で犯人をにらんでいます。

みんな,犯人が目に見えない透明人間だから,とまどうことなくストレートに非難の言葉を浴びせています。

今,教室は「犯人1 対 他のクラスメイト大勢」という強烈な形になっています。

そして,その中で,「クラスメイト大勢」に混じっている本当の当事者が,心を痛めていることでしょう。

居たたまれない気持ちでいるでしょう。(本当は,私があそこに立ってるんだ…)

そして反省してほしいです。それがこの時間の目的ですから。

こうして,先生は犯人は見つけないけど(見つけられないけど),犯人を厳しく指導しました。

同時に,クラス全体にも「これは許されないことだ」という意識をもたせました。

最後に先生は,みんなの前に立ち,こう言います。「落書きをした人。次,同じようなことがあったら,今度はあなたをここに立たせます。絶対にです。覚えておきなさい。」

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クラス内で「これ,誰がやったの!?」

2010-01-21 21:44:55 | 学級生活の攻略法
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先生の知らぬ間に,教室内ではトラブルが起きます。

「しょうたくんのくつが隠されてます!」

「みゆさんの机に中に,ゴミが入れられています!」

といういじめに関する陰湿なものから

「うわっ,ろうかに落書きがしてあるよ!」

「だれ!?水道の水全部出しっぱなしにしてるの!」

という悪質ないたずらもあり,

「そこにゴミが山のように散らかってるんだけど…」

「給食こぼしてるね,そこ…」

というだらしなさもあります。

やっかいなのは「誰がやったか分からない」ということです。

トラブルを起こしたその子を直接指導することができない。

こんな状況は,とても先生の頭を悩ませますし,ひどくため息をつきたくなるものです。

そして,いわゆる「犯人探し」が,先生にも子どもたちにも頭をよぎります。

私が小学生だったころにも苦い思い出が。

教室の床にゴミが落ちていました。

紙を手形に切り取ったあとのようなゴミでした。

当時の先生(おじちゃん先生でした)が「だれだ!」と,激しくクラスみんなをどなりつけました。

「よし!全員並べ!この手形を当てはめていって,ぴったりだったものが犯人だ!」

とても長い時間をかけて,犯人探しが行われました。

今思えば,ゴミが一つ床に落ちていただけだったのに,こんな苦い思い出になってしまいました。

このように,誰がしたか分からない教室内でのトラブルが発生してしまったとき,(もちろんそのようなトラブルを起こさない学級経営に努めることが何よりですが,それでも)どのように対処するか。

小学校教員のだれもがぶち当たる壁の一つでしょう。

まず,共通して言えることは

「犯人探し」は,極力やらない!

ということだと思います。

「犯人探し」のさびしさは…

・関わりのない大多数の子が,いやな雰囲気の犠牲となる

・その子は,たまらないほど居たたまれない気分だろう

・その子が見つかる可能性は低い

・見つかったとしても,さびしさは消えず増すばかり

・先生のストレスも増すばかり

・とにかく,それに費やす時間の中で,よくなるものは何もない

私も,つまらない「犯人探し」から20年以上経つ今でも覚えているほどです。

やらないに越したことはないだろうと思います。

根本的な考え方としては,まずは「犯人」というとらえかたをやめるべきでしょう。

トラブルを起こした子も,その経験を経て,これから育てていく教え子の一人であり,決して「犯人」ではない。

そして,先生の目の届かぬところでトラブルが起きた,いや,起こさせてしまったという自分の未熟さを率直に反省することでしょう。

言い方は変ですが,その場に限っては「負けを認める」ことでしょう。

その場で,できるかぎりの償いをして,次に同じ負けを経験しないように全力を尽くすことです。

では,具体的に,その場ではどのような対処をしてばいいか・・・ また次回に

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校長より「子どもは『さん』づけで呼びなさい!」「えっ」

2010-01-18 20:23:19 | 「教師-子ども」関係の攻略法
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前回お知らせした「EDUPEDIA」教育情報満載です。よろしくお願いします!

さて,教え子に「太田ゆみこ」という子がいたとします。

「太田さん」

「太田」

「ゆみこ」

「ゆみこさん」

「ゆみこちゃん」

「ゆーみん」

先生が子どもの名前を呼ぶ,その呼び方は様々です。

自分なりの信念をもって,クラス内で差をつけず,呼ばれるその子の気持ちも大事にして,保護者への配慮も忘れずに,名前の呼び方を考えましょう。

それと同時に,時折,学校によってはこういうこともある場合があります。

そんなときは,また新たな配慮が必要です。

それは

学校内で,子どもの名前の呼び方を統一しようという場合は,十分に考慮する!

ということです。

と,ここで紹介するまでもなく,そういった話題が学校内であれば当然のことだとは思いますが,そういう学校もあるということを認識しておく,ということで。

それは校長先生の学校経営方針で「子どもには『さん』づけを!」だったり,

生徒指導主任の指導理念で「子どもには『くん』『さん』づけを!」だったり,

人権同和教育係の願いで「子どもを絶対に呼び捨てにしない!」だったり,

学年主任のやり方で「子どもは下の名前を親しみこめて!」だったり。

そういった提案をされることもあるようで,私も経験があります。(そのときは人権同和教育係の提案でした)

ここで「十分に考慮する!」とし,「必ず従う!」とは書かなかった(書けなった)のは,やはり担任の先生の信念やスタンスというものもあるだろうから,それも大事にしてほしいためです。

「考慮する」とは,そういった提案がある場合は,自分の考えと十分に照らし合わせて,必要なら一緒に検討して,これからのやり方を探っていくということです。

何かのきっかけでそういう提案があったからといって,サクッと名前の呼び方を変えてしまうようでは,担任の先生として少し考えが不足しているようにも感じます。

かといって,学校全体で決まったことを全く無視して,自分だけ別のやり方をするのはよくない。

やはり「十分に考慮する」ことが必要だろうと思います。

校長方針であったり,学校の伝統的な流れもある場合は,その部分を汲み取って合わせなくてはいけないことも多いとは思いますが…

しかし,もし名前の呼び方で意見の食い違いがあったとしても,自分の担任としての思いや願いというものを,精一杯伝えれば,また事態は変わってくる可能性もあると思います。(名前の呼び方を統一されることに違和感を感じている他の先生もきっと多く,応援してくれるでしょう!)

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小学生攻略法より お知らせ

2010-01-17 12:00:21 | 雑談
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教育実践が多く紹介さている,有益なサイトをご紹介します。

「教育WEB辞典 EDUPEDIA」

というサイトです。(すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが!)

このサイトは,ウィキペディアが採用しているwikiというシステムを使って、関東の学生さんたちと一緒に立ち上げているボランティアベースの教育サイトです。

積極的に情報発信をする教員が少なく、教育情報がなかなか蓄積、共有されていないという現状の中,このサイトでは,多くの方々の幅広い実践が辞典的に紹介されています。

このたび,私「小学生攻略法」管理人も,この「EDUPEDIA」に記事を提供させていただくことになりました。

過去のバックナンバーから再度練り上げたものや,新たな実践をできるかぎり提供していければと思っています。

こうして,コツコツと奮闘している教育関係者のネットワークが広がり,子どもたちによりいいものを還元していけるシステムができることは,大変うれしいことですね。

みなさんも,ぜひ「EDUPEDIA」をご活用ください。

よろしくお願いします!

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保護者より「うちの子の呼び方が気になる…」

2010-01-16 11:22:26 | 雑談
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私は子どもたちの名前を,これまでどのように呼んできたか。

5年生や6年生を担任することが多かった私は,「こうすけ」「さやか」といったふうに,下の名前を呼ぶことが多かったです。(授業中は別ですが)

いわゆる呼び捨てです。

前回「人権の面から『くん』『さん』づけを」という話題を紹介しましたが,こうした呼び方をする私にも,私なりの信念がありました。

家族のように,親密でありたい。

深い信頼関係を築きたい。

そういう思いや願いを子どもたちに,学級全体に込めていました。

特に6年生を受け持つときなどは,その思いが一層強くなりました。

それと同時に,受け持った学級も,みんながお互いに「こうすけ」「さやか」と呼び合うことに抵抗がなく,自然な感じで呼び合える雰囲気だと感じていました。

私のこういったスタンスは,当然子どもたちの間にも浸透しました。

これまで名字で呼び合っていた男子と女子どうしでも,クラス全員が名前で呼び合うようになりました。

そして,(もちろん名前の呼び方が全てを表すわけではありませんが)担任として,いいクラスになったと感じています。

だからといって,もちろん「こうすけ」「さやか」などという名前の呼び方を勧めるつもりはありません。

私も,低学年を受け持ったときは「たくみくん」「ゆかりさん」という呼び方を通した年もあります。

やはり,クラスの子どもたちの実態も様々。

担任の先生の人間性も様々。

そんな中で,名前の呼び方も様々だと思います。

そして,今回のシリーズの中で繰り返しになりますが,大事なことは,名前の呼び方にも,担任なりの意図や信念が込めてあるということだと思います。

さて,それと同時に,今回もう一つ強調したいことがあります。

以前に5年生を受け持っていたとき,学年はじめの家庭訪問で,ある保護者からこう指摘されたことがあります。

「うちの子が,友だちを○○!と呼び捨てにするんですけど,ちょっと気になって…」

ということでした。

正直,下の名前を呼び合うことで息をそろえたクラスだったので,担任としてはドキッと冷汗をかきましたが(笑)

しかし,素直に伝えました。

子どもの名前の呼び方に込める,担任としてスタンスや思いは,保護者にも伝える!

これも大事なことかもしれません。

この家庭訪問で私が話したことは,

○担任とて,名前の呼び方にクラスの中で差をつけたくない

○5年生という時期と,このクラスの子たちの雰囲気から,下の名前を親しみを込めて呼び合えるようになりたい

ということでした。

この5年生クラスは,この年に再編成されたクラスでしたが,子どもたちどうし顔なじみの多いクラスでした。

そして,以前に学級崩壊を経験している子たちでした。

「たしかに,クラス全員,下の名前で呼び合うようになっています。それは,私が子どもたちと話し合いながら,そういう呼び方でいこうと,投げかけたからだと思います。」

「私としては,このクラスの中でも,「こうすけ」「中嶋さん」などと,様々な呼び方があったことに気づき,そこにクラス内での差や,気持ちの行き違いを感じていました。」

「そこで,まずは名前の呼び方に差をつけるのをやめようという話を,子どもたちにしました。名前の呼び方は,人と人との関係を表す。クラスメイトはみんな平等だよねという話に,子どもたちもうなずいてくれました。」

「そして,5年生という時期と,このクラスの子たちの雰囲気から,下の名前を親しみを込めて呼び合えるようになりたいという話をしました。」

という話に,その保護者の方も納得してくださいました。                               

ある年は,隣のクラスの女性の先生はクラスみんなを「みきさん」「たけしさん」と,下の名前に「さん」をつけて丁寧に呼んでいました。

優しい雰囲気のしっかりした先生で,その呼び方ぴったりのように感じられました。

しかし,ある保護者から「先生が子どもを『さん』付けするのはおかしい。」と言われたことがありました。

非常に「一方的なクレーム」のように感じられるものでしたが,その先生も丁寧に自分の思いを説明されていました。

きっと納得してもらえたのでしょう。

先生は,年間を通してその呼び方を一貫していました。

そのとき,名前の呼び方というのは,保護者も気にしていることであり,担任として説明が必要なときもあるのだと,気付かされました。

※繰り返しますが,どのような呼び方がいいと勧めるものではありません!

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