小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

評価の中身,子どもには内緒?

2010-11-18 19:16:21 | 授業中の攻略法

どの教科,どの単元にのぞむにも,当然評価する目をもってのぞみます。

「この時間の,この活動を見て,評価をつけよう」

その際には評価基準というものをもってのぞみます。

(「規準」も使われますが,ここでは「基準」で)

3段階評価だとすれば,「どこまでできればA」「どこまでだったらB」「Bも満たしてなければC」といった具合です。

単純にテストの点数で評価をする場合には,この基準が点数で表されるでしょう。

テストでなく,発表や作品等によるものだったら,この基準はそれらに沿った具体的なものになるでしょう。

さて,ところでこれらの評価の基準ですが,先生の中では当然明確にもっておくべきですが,子どもたちに対してはどうでしょうか。

なにか,評価や成績といったことになると,子どもたちには「内緒」というイメージが強いように思います。

先生がもっている評価のものさしは,子どもたちには明かしてはいけないような思い込みがないでしょうか。

子どもの発達段階にもよるのかもしれませんが,

必要であれば,評価の基準は子どもたちにも示し,共有する!

こともあっていいのではないかと思います。

評価される側の子どもたちからすれば,なぜ「A」がとれたのか,なぜ「B」しかとれなかったのか,それを知る権利はあるはずですし,知りたいと思う子もいることでしょう。

小学校段階では,テストを除けば,通知表以外に露骨に成績が表わされるものはほとんどありませんが,その通知表の付け方だって,子どもに示しておく意味はあると思います。

直接,通知表への成績だけでなく,単元や活動ごとに,「今回は,~という基準で,3段階で評価をします。」ということを,示すことが,あってもいいのではないでしょうか。

例えば,

体育のマット運動

→それぞれの技で,「形よくできている,A」「形はくずれていても何とかできている,B」「できていない,C」

国語のスピーチ

→「声が大きく聴きやすい」「感情がこめられている」「顔を上げている」のうち,3つできていればA,2つならB,1つ以下ならC

図工の版画

→「場面や人を生き生きと表せている」「彫刻刀の使い方を工夫している」「けがなく安全に,正しく彫刻刀を使える」のうち,3つできていればA,2つならB,1つ以下ならC

「・・・ということで,先生は評価をつけます。」

と,活動にのぞむ前に,子どもたちに分かりやすく示します。

そうすることで,子どもたちも「がんばる目安」ができますね。

これからのぞむことで,何に気をつけなくてはいけないのか,何に工夫すればいいのか,自分の能力と照らし合わせて,目標はどこに置けばいいかが,考えられるようになります。

それは,活動にのぞむ上で大きな意味があると思います。

加えて,先生がつける成績に納得がいくようになります。

「なんで『◎』じゃなくて『○』しかとれなかったんだ?」なんて,不快な疑問が少なくなることでしょう。

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すべての活動に対してできることではありませんが,評価基準を子どもと共有する姿勢というのは,日頃から先生がもっていてもよいと感じます。


こんなこと知っておくと,会議の質も上がる

2010-11-16 22:08:59 | 教師の仕事術の攻略法

職員会議をしていて一番やっかいなのは,話し合いがうまく進まないときですね。

提案者の案が承認されず,いろいろな意見がぶつかり合って,話し合いがグダグダになっていく…

(はぁ,何分やってんだろ。議題があと5つも残ってるのに,もう5分しかないよぉ)

って感じてる参加者たちのため息で,職員室の空気が重たくなっていくのが分かります。

司会者の教頭先生も困った顔をしています。

たしかに,よりいいものを求めるために,意見を出し合うことは大切なことだし,必要な部分では検討を重ねていくべきですよね。

でも,ルールは守るべきです。

グダグダの職員会議にしないためにも,司会者と参加者はきちんと把握しておかなくてはいけないことがあります。

話し合いの種類というものです。

会議の在り方は主に2通りある!

1つは「形成合意」もう一つは「ブレーンストーミング」と言われるものです。

「形成合意」の話し合い

…話し合いの末,きちんと必要な決定をする話し合いです。

(例)運動会実施計画・お別れ遠足実施計画・3学期始業式実施計画…

「ブレーンストーミング」の話し合い

…特に決定事項はなく,自由に意見を出し合う話し合いです。

(例)学力調査の結果について・2学期の学校評価について…

この性格の違う2種類の話し合いがあるということをまずは知り,今からのぞむ話し合いがどちらなのかを明確にすることです。

「形成合意」の話し合いならば,ちゃんとゴール(最終決定)があるんだから,そこをめざして建設的な話し合いを進めるべきです。

もし残念ながら建設的なものにならなくても,ゴールにたどり着くことが絶対必要ですので,なんとか,強引にでも,曲りなりにでも,最終決定へ持ち込むことです。

それも,必ず与えられた時間内に。

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職員会議で話し合い議題のほとんどは,この「形成合意」であることが多いでしょう。

また「ブレーンストーミング」の話し合いならば,ゴールは必要ありません。

テーマについて,参加者が自由に意見を出し合うことが目的です。

だから,参加者は何も強烈に自分の意見を押し通す必要もありませんし,司会者も頭を悩ますことなく,時間が来たらサクッと終わればいいのです。

この話し合いをいいものにするためには,ただ活発に意見を出し合うことです。

特に研修会などは,このブレーンストーミングが多いでしょう。

この2種類を,会議の参加者がみんな把握していれば,話し合いの質も高まるし,グダグダの話し合いという事態は招きにくくなるでしょう。

特に司会者となる人が把握しておくことは必須ですね。


「せんせい,○○がなくなったぁ」また来たか!

2010-11-15 21:11:35 | 「教師-子ども」関係の攻略法

1年生の担任をしていて,子どもたちにとても多いのが,

「せんせい,○○なくなったぁ」

「せんせい,△△がいたぁい」

この2つですね(笑)

「なくなった」バージョンは,赤鉛筆がなくなったり,帽子がなくなったり,うわぐつの片方がなくなったり。

でも,慌てるなかれ。

子どもたちは,あまり探しもせずに,反射的に先生に言いにきていますので,

「困ったねぇ。床に落ちてない?」

「さっき体育館だったから,もう一回行ってみようか」

たいていの場合はすぐ見つかります。

「いたぁい」バージョンは,おなかが痛かったり,つこけてひざが痛かったり,指先の皮がむけて痛かったり。

これも,慌てるなかれ。

たいていの場合は,大事には至らないものばかりです。

かなり,ちょこっとしたことでも子どもたちは「いたぁい」で見せてきます(笑)

「ありゃりゃ,痛いねぇ。ちょっと見せてごらん。」

「少し椅子に座って,ゆっくりしてようか。」

先生が気にかけてくれたということで,痛みもおさまることも多いようです。

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もともと,それが目的で来ているとか?

こんなことばっかりだから,また「なくなったぁ」「いたぁい」が来ても,

(また来たか!)

と,軽く対応してしまいそうになるのが正直なところです。

だから反省します。

子どもの日常茶飯事的な訴えも,健康や紛失に関わるものは軽視しない!

急に大人っぽい文章になってしまいましたが(笑)

どういうことかというと,本当に重大な訴えであったのに,先生がとりあえずの対処をしたのち,子ども自身が忘れてしまっている,ということがあるのです。

本当に高価なもの,大事なものを原因不明で失くしていたのに,失くしたこと自体を子どもが忘れてしまった!

おなかや頭の,ひどい痛みを抱えているにもかかわらず,先生が「ゆっくりしてれば治るよ」と言ったので,ずっと我慢していた!

こんな事態が起きている場合があるということです。

これが稀に起こるので,(また来た!)と思いながらも,気が抜けません。

だから,毎度のことと思いながら,気の抜けた対応をしてしまっては,あとから大変まずいことになります。

「先生は何してくれたの?」

と,あとから保護者の方が問いただしたときに,「何も」なんてことになっては大きな責任問題です。

だから,健康に関わる訴えのときは,「休んでなさい」「保健室で熱を計っておいで」などととりあえずの対処をしたのち,必ず事後経過をみて,「どう?」と確認するくせをつけておきましょう。

紛失物に関するときも,「見つかっても,見つからなくっても,必ず先生に教えてね。いいね。」と約束させましょう。

高学年であれば,こういった訴えはあまりなくて,あったときには自然と心配もするかもしれませんが,低学年のうちには,とても多いので,こんなことも反省する日々です。

小さいうちは,こんな自己管理も,まだままならないんだといことを,改めて意識させられています。


久しぶりの再会「最近,学校はどう?」「えぇ…」

2010-11-13 09:45:17 | 教師力UPの攻略法

私たち,学校の先生は転勤がありますので,多くの仕事仲間ができます。

ほんの1年しか一緒に仕事をしない先生もいれば,転勤した後,何年間もずっと親しくする先生もいます。

定年するまでに,何人の先生と職場を同じにするのでしょうか…

まだまだ経験の浅い私でさえ,これまででご一緒させていただいた先生の数をかぞえてみると,かなりな数になりそうです。

(ちょっと,大変そうなので数えていませんが!)

時折,以前一緒だった先生と偶然の再会をすることもあります。

「おぉ~!先生,久しぶり!」

「わぁ~,久しぶりですねぇ!元気でしたか!」

うれしいものですね。

もうそれぞれ別の学校にいて,それぞれに忙しい毎日を送っている中で,少しだけ気持ちがホッとする感じです。

そこで,話題になることといったら…

「今,ABC小学校だったよね。」

「そうですよ。もう3年目になりますねぇ。」

「もう3年か~ 早いなぁ。学校はどう?」

「うーん,忙しいですよ。子どもたちも元気で… 先生のとこは?」

「そうねぇ 忙しいねぇ」

お互いの学校のことを知りたいものですよね。

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こんな場面で

自分の学校の「今」を伝えるネタをいつも1つは持っておく!

といいでしょうね。

親しい仲間との会話であれば,かしこまって学校を紹介する必要はないかもしれませんが,親しい仲間との再会だけでなく,

・地区の研究会での自己紹介

・出張先での学校紹介

・目上,年配の方とのとっさの面会

・地域,保護者の方との会合でのあいさつや話題

こんな場面で,自分の勤める学校について,サッと話せるといいですよね。

相手も感心してくれそうです。

単に「子どもが元気」「毎日忙しい」という先生の当たり前のフレーズだけでなく,その学校の今の特徴をパッと伝えられるといいでしょう。

「1月の研究公開に向けて,みんなで準備を進めているところです。」

「運動会では郷土芸能を披露したんです。好評でしたよ。」

「もうすぐ持久走大会だから,先生たちも子どもたちに付き合わされて走ってますよ。」

「うちの学校は校内に池があって,めだかややごがいっぱいなんです。子どもたちも喜んでますよ。」

簡単な,短い紹介でいいと思います。

自分の職場の特徴を,いつでも紹介できるように準備しておくことは,一社会人のマナーとも言えるかもしれませんね。


職員会議の基本中の基本2

2010-11-11 21:15:11 | 教師の仕事術の攻略法

職員会議の約束事「眠らないこと」

…いやいや,あまりにレベルが低すぎるのでやめときます(笑)

でも,いますよねぇ 結構多いですよね。

若い先生だけでなく,教頭先生や校長先生が居眠りしてるのも目撃したことがあります。

もちろん,私も眠気に襲われること,多いです。

うーん,この事態にどうこう責める気にはなりませんが,先生たちもお疲れなんですね…

それか,会議がおもしろくないかどちらかでしょうか。

たまに,さっきまで寝てた先生がちょっと目を覚まして,あーだこーだと発言しても,周りの人は(さっきまで寝てたくせに)と,若干冷めた視線で見ていることもありますね。

おもしろいものです。

あえて真面目に言うなら,会議では眠らないようにしましょう。。。

さて,会議の司会について。

以前にも述べましたが,会議は司会者の腕にかかっています。

上手な司会者がいてくれると,会議のルールが守られます。質が高まります。

主に司会者となる教頭先生(副校長先生)などは,司会者としてのノウハウを勉強してほしいですね。

さあ,その詳しいノウハウについてはさておき,まずは基本です。

司会者に絶対にしてほしくないことがあります。

それはこれです!

提案者の発言をリピートしない!

よくいませんか?こういう司会者。

朝の職員朝会での一コマ

提案者

「情報教育の係からです。パソコン室に新しいプリンターを設置しました。使用方法については,プリンター横に説明書を掲示していますので,よくお読みになってからお使いください。なお,子どもたちには勝手に触らせない,印刷ミスがないよう極力節約に心がけるということを,ご協力ください。以上です。」

司会者

「えー,パソコン室に新しいプリンターを設置されたようです。使用方法については,プリンター横に説明書を掲示してあります。子どもたちには勝手に触らせない,印刷ミスがないようにする,ということです。」

聞いてる方

(なんで2回言うんだよ…!それいらないでしょ!)

わざわざリピートする司会者は,もうリピートしないようにしましょう。

リピートする必要は絶対にないと思います。

1.たった今言われたんだから,ちゃんと聞いてれば頭に入るのが普通

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2.時間がもったいない

3.下手にリピートして,内容を間違えて混乱させることもある

子どもの話し合いじゃないんだから,リピートはいりませんよね。

司会者としては,親切でしているのか,自分の出番がほしいのか分かりませんが,司会者としての役目を果たそうとしている気持ちが,ちょっとからまわりしているような感じがします。

そんなことを心配するより,テンポよく話し合いを進めることに集中してほしいものです。

ただし,提案者の発言内容が不十分で,確認しなくてはいけないことなどが見つかった場合は,ただ進めるだけでなく,司会者は「 …という点について,~ということでよろしいですか?」などと,確認することは必要ですね。

そういったことができる司会者も,またうまい司会者だと思います。