タイトルのとおり
「今日の研修では一言も発言しなかった…」
なんて人がいると,さびしい感じがしますね。研修も。
でも,これって結構あると思います。
研究授業の研究会などの研修でも,「人権同和」のような各領域に関する研修でも,その内容や会の進め方によっては,一言も発言しない人が出てしまうことがあります。
発言しないから全く研修になっていないかというと,もちろんそうではありませんが,より多くの人が発言することで,研修がより充実すると期待できることは言うまでもありません。
なにより,発言できた人も,その研修に参加している意識の高さが変わってきます。
もし子どもたちの授業であったら,45分間一言も発言できずに終わった子どもがたくさんいたとすれば,いい授業とは言いづらいですよね。
(学校の先生だから,すぐ子どもの授業と置き換えて考えてしまう癖があります。)
研修で発言できない人が出てしまう原因は何か。
1.研修の内容が乏しくて,発言する意欲が上がらない。
2.研修の内容が難しすぎて,発言できない。
3.発言したいのだが,発言できる機会がない。
といったことが考えられるでしょうか。
「1」や「2」の場合は,研修係が内容を工夫することも必要ですが,参加している人の資質や意識のレベルにも左右されるものです。
だから,ある程度は「1」や「2」のような研修にだって積極的に参加できるようになるための,参加者の努力は必要だと思います。
問題は「3」ですね。
これはもったいない。
研修の内容ではなく,進め方がまずいということになります。
これを改善するための方法はいくつか考えられると思いますが,その一つとして,
研修ではワークショップや,グループワーク形式を多く用いる!
ことがお勧めです。
いわゆる,研修係が始終しゃべり通し,一部の頭でっかちの先生がしゃべり通しの研修にするのではなく,より広く,できれば参加者全員に発言の機会が与えられるようにするための形式の工夫です。
ワークショップは,全員参加型で体験的な活動をするなど,みんなで活動を共にして意見を言い合ったり,何かを創造していったりすることができます。
実技的な内容ができる研修では,参加者みんなを巻き込んだ,こんな形もいいですよね。
「研修」という堅苦しいイメージのものが,より楽しいものになります。
しかし,すべての研修でこれができるというわけではありません。
そこで,より広く,手軽に取り入れられるのがグループワークです。
例えば授業研究会。
研修係の「今日の授業の導入の発問について,意見はありませんか。」
という投げかけに対して,いつもなら「はい」と挙手して,一人の先生がしゃべるところを,
「今日の授業の導入の発問について,意見はありませんか。2分間同じテーブル内で協議してください。」
という投げかけに変えます。
これだけで,そのグループ内の全員に発言の機会が回ってくるわけです。
全体での発言と違って,少人数のグループでの発言ですので,気軽にできます。
普段は研修で発言できないようなおとなしめの先生も,勉強不足の初任者も,居眠りしがちだった先生も,みんな発言します。
そして,2分後に全体に返す。
発言した先生たちは,その他のグループの意見にも関心が高まっていることでしょう。
このように,研修の中の随所に,グループワークを適宜設けて,多くの人が発言できる機会を保証できるといいですね。
子どもたちの授業で,発表できない子たちに,より発言の機会を与えるのと同じですね。