小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

今日の研修では一言も発言しなかった…

2010-11-09 21:49:39 | 教師力UPの攻略法

タイトルのとおり

「今日の研修では一言も発言しなかった…」

なんて人がいると,さびしい感じがしますね。研修も。

でも,これって結構あると思います。

研究授業の研究会などの研修でも,「人権同和」のような各領域に関する研修でも,その内容や会の進め方によっては,一言も発言しない人が出てしまうことがあります。

発言しないから全く研修になっていないかというと,もちろんそうではありませんが,より多くの人が発言することで,研修がより充実すると期待できることは言うまでもありません。

なにより,発言できた人も,その研修に参加している意識の高さが変わってきます。

もし子どもたちの授業であったら,45分間一言も発言できずに終わった子どもがたくさんいたとすれば,いい授業とは言いづらいですよね。

(学校の先生だから,すぐ子どもの授業と置き換えて考えてしまう癖があります。)

研修で発言できない人が出てしまう原因は何か。

1.研修の内容が乏しくて,発言する意欲が上がらない。

2.研修の内容が難しすぎて,発言できない。

3.発言したいのだが,発言できる機会がない。

といったことが考えられるでしょうか。

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「1」や「2」の場合は,研修係が内容を工夫することも必要ですが,参加している人の資質や意識のレベルにも左右されるものです。

だから,ある程度は「1」や「2」のような研修にだって積極的に参加できるようになるための,参加者の努力は必要だと思います。

問題は「3」ですね。

これはもったいない。

研修の内容ではなく,進め方がまずいということになります。

これを改善するための方法はいくつか考えられると思いますが,その一つとして,

研修ではワークショップや,グループワーク形式を多く用いる!

ことがお勧めです。

いわゆる,研修係が始終しゃべり通し,一部の頭でっかちの先生がしゃべり通しの研修にするのではなく,より広く,できれば参加者全員に発言の機会が与えられるようにするための形式の工夫です。

ワークショップは,全員参加型で体験的な活動をするなど,みんなで活動を共にして意見を言い合ったり,何かを創造していったりすることができます。

実技的な内容ができる研修では,参加者みんなを巻き込んだ,こんな形もいいですよね。

「研修」という堅苦しいイメージのものが,より楽しいものになります。

しかし,すべての研修でこれができるというわけではありません。

そこで,より広く,手軽に取り入れられるのがグループワークです。

例えば授業研究会。

研修係の「今日の授業の導入の発問について,意見はありませんか。」

という投げかけに対して,いつもなら「はい」と挙手して,一人の先生がしゃべるところを,

「今日の授業の導入の発問について,意見はありませんか。2分間同じテーブル内で協議してください。」

という投げかけに変えます。

これだけで,そのグループ内の全員に発言の機会が回ってくるわけです。

全体での発言と違って,少人数のグループでの発言ですので,気軽にできます。

普段は研修で発言できないようなおとなしめの先生も,勉強不足の初任者も,居眠りしがちだった先生も,みんな発言します。

そして,2分後に全体に返す。

発言した先生たちは,その他のグループの意見にも関心が高まっていることでしょう。

このように,研修の中の随所に,グループワークを適宜設けて,多くの人が発言できる機会を保証できるといいですね。

子どもたちの授業で,発表できない子たちに,より発言の機会を与えるのと同じですね。


子どもの「忘れ物」で,イライラしだしときは…

2010-11-07 10:18:54 | 学級生活の攻略法

忘れ物対策のために,できるだけの指導を繰り返し,忘れ物に関するクラスのシステムもつくってきました。

しかし,依然クラスには忘れ物をする子が続きます。

ぽつ,ぽつといろんな子が忘れ物をすることもあるし,特定の子が続けてすることもあります。

毎日のように,忘れ物指導が続きます。

そのうちに…

先生もイライラしてきました!

いくら手短な指導,子ども相互によるアドバイスを心掛けていても,さすがに頭に血が上ってきました。

こりゃあ,奥の手を使うしかない!

「今日から忘れ物のグラフをつけます!多い日には罰の宿題です!!」

「みんなの名簿をはって,忘れ物をした回数のシールを貼っていきましょう!授業参観で保護者の方に見てもらいます!」

「忘れ物をだれもしない日が何日続くかチャレンジしましょう!30日続いたらパーティーです!」

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いやいやいや… それは絶対にしてはいけないことだと思います。

センスが悪いです。

忘れ物をそんな風に取り扱っているクラスは,質の低いクラスと言えるように感じます。

それはイライラしたくない先生のためであって,子どものためにはならないことです。

忘れ物。学校に永遠に続く産物。

基本,こうです。

忘れ物は,必ずあるもの!なくなりはしない!

という認識を教師がもったほうがいいでしょう。

「そりゃあ,忘れ物はしますよ。一日の授業に向けて持ってこないといけないものはたくさんあるわけだし,子どももなかなか忙しかったりします。学校だけじゃない子も増えてますからね。ましてや,クラスには30人の子がいます。だれか1・2人くらいは,必ずといっていいほど,忘れ物はありますよ。」

私が,私にするようになったなぐさめ言葉です。

まさしく,その通りではないでしょうか。

だから,基本として,忘れ物をする子にイライラしたり,その指導に熱くなりすぎるのは,的が外れていると思いましょう。

その必要はありません。

ただ,「忘れ物はあるもの」と頭では理解しているつもりではあっても,あまりに状況がひどくなると,感情が噴き出してしまいそうになります。

そんなときこそ,この基本にもう一度立ち返りましょう。

忘れ物をした子は,そのために困ることがある。

単に,それを経験させることにも意味があるはずです。

そして,冷静に,自分の学級経営,忘れ物指導の進め方を振り返ってみることです。

もちろん,忘れ物の指導に手を抜いていいというわけではありません。

少しずつでもその改善をねらって,担任として指導を継続していく必要はあります。それは間違いありません。

ただ,ちょっと楽しむくらいのつもりで,わずかな遊び心をもつくらいのつもりで,次の忘れ物指導の工夫をしてみる。そのくらいがいいでしょう。

また,忘れ物をした子ばかりが目についてしまうときは,逆に普通に忘れ物をしていない子(そちらの方が断然多いはずですが)に目を向けてあげましょう。

そして,忘れ物がないことをほめてあげましょう。

そうすることでイライラもしないし,意外と,それが何よりの忘れ物防止のための攻略法だったりするかもしれません。


同じ問題でも,出し方を工夫することで

2010-11-06 09:13:29 | 授業中の攻略法

先生がいきなり「はい,それでは教科書38ページを開いて~」

なんて,授業のスタートと同時に指示を出す光景。

いかにも学校という感じですが,これは実際は高校,もしくは中学校まででしょうか。

小学校では,こんな感じで授業をスタートし,問題を出す授業は,ほぼありませんね。

「ありません」というより,授業が上手な先生はこんなことはあまり言わないはずです。

だって,小学生はこんな指示にサッと反応してきちんと教科書を開き,意欲をもって,集中してその問題に取り組む,なんてことは難しいからです。

問題の出し方にしてもそう。

1年生算数。

教科書通りに「ひろしさんがクッキーを9こ,あきこさんが12こたべました。どちらがなんこおおくたべたでしょうか。」

という問題があったとすると,これをこのまま子どもたちに出すと,子どもたちの側からすると,食いつきはイマイチ。

だって,

(ひろしさんってだれ?)

(クッキー,いいなぁ)

問題自体が,興味をもてる内容ではないのは確かですよね。

それでも,授業で先生が出す問題だから,取り組みはしますが,やはりこのときに意欲をもって取り組んでいるか,そうでないかは,重要なことだと思います。

自発的に考えるか,学力として定着するか,そういった重要なことに影響してくるはずです。

だから,こういったいつもの問題の出し方にも一工夫。

問題は,子どもたちに解く必要性を感じさせる内容や,ワクワクする内容にして出してあげる!

授業がうまい先生はこんなこともしますよね。

上の問題に置き換えてみると,

~解く必要性を感じさせる内容に~

「ひろしさんがクッキーを9こ,あきこさんが12こたべました。???????」

先生「この?のところには,なんて書いてあると思う?」

ゆうた「のこりはなんこ!!そしてひきざんだよ!」

みよ「あわせてなんこ!!たしざんだよ!」

子どもたちは,これまでに学習してきたことを当てはめようとします。

先生「違います!実は…ジャーン!『どちらがなんこおおくたべたでしょうか。』と,かいてあります。」

子どもたち「・・・・・ なにこれ!」

始めてみるからポカーンです。この表情がいい。

そして「初めてだよね!これどうやって解くのかな?」と,子どもたちはこの問題に挑戦したくなるでしょう。解けるようになる必要性を感じます。

~ワクワクする内容に~

先生「昨日ね,実は先生,奥さんとけんかしちゃったんだ。」

子どもたち「え~!なんで?」

先生「クッキー大食い競争したの。」

子どもたち「ははははは!」

先生「それでね。先生が9こ食べて,奥さんが12こ食べたの。」

子どもたち「奥さんの勝ち!」

先生「えぇ!?そうかな?先生もたくさん食べたんだよ!食べ終わってさ,どっちが何個たくさん食べたか分からなくなってさ,けんかになっちゃったんだよ。」

そして「みんな,解決してくれないかい?」子どもたちは喜んで問題を解こうとしそうですね。結果が出ることにワクワクしそうですから。

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基本的に,子どもたちは身近な話題が大好きです。

上の二つの例は,1年生の算数ですから,他の学年,他の教科においても,発達段階に応じて,問題の出し方を工夫することはできるはずです。

先に述べたとおり,自発的に考えようとするか,学力の定着につながるかという,重要なところに影響してくるように思います。

※教科書の問題に出てくる対象物や数字というのは,かなり緻密に考慮された上で出てきています。だから,問題の内容を変える際に,大幅に変えすぎて本質がずれることのないように気をつけましょう!


職員会議の基本中の基本

2010-11-04 18:06:50 | 教師の仕事術の攻略法

職員会議の在り方って,学校によって様々ですよね。

おおざっぱに言うと,質の高い会議をできるところと,そうでないところとあると思います。

余談ですが

最近の授業時数増を受けて,各学校は日課表の見直しがなされていることと思います。

授業の時数が増えるのですから,必然的に放課後の時間が削られることが多くなります。

会議や部会,研修など,本当はもっとじっくりと時間をとってやりたい部分もあるのですが,それが難しくなってきています。

しかし,だからといってこれまでと比べてそういったことへの仕事の比重が軽減されているのかというと,実はそうではない。

これまで同様の,もしくはそれ以上のことを課されている,先生たちの放課後です。

あえて言うまでもないことかもしれませんが,やっぱり現場は多忙極まりない状況ですね。

さて,「会議」に話を戻して。

学校には,共有しなければいけない情報が多い。

各主任の先生が提案しなくてはいけないことが大変多いのです。

だから,会議は絶対に効率的に進めないと,学校の運営に致命的な支障をきたすことになるでしょう。

となると,会議に参加する人たちは,会議のいい進め方を,質の高い会議つくりかたを勉強しなくてはならいと思います。

一般の会社員などの人たちはきっとそういった分野のことも必然的に勉強しなくてはいけないから,身についている人が多いのだと思いますが,どちらかというと学校の先生は,こういったところが鈍い部分があると思います。

言い方は悪いかもしれませんが,教室内で子どもに指導するのが得意というだけでは,社会人としては通用しないとも言えますよね。

・・・と,話を「質の高い会議のために」に戻して,まずは

絶対に時間厳守!

これから入りましょう。

会議が始まる時間も厳守。

会議が終わる時間も厳守。

一人が提案に与えられた時間も厳守。

考えたり話し合ったりするために与えられた時間も厳守。

これが基本でしょう。

・・・って,当り前じゃないかって思う方も多いと思いますが,学校の会議って意外とこれすらできていない所も多いのです。

以前に,私も,朝の職員朝会の司会を割り当てられた日に,時間がきたので「朝会を始めます」と切り出したら,教頭先生に「ちょっと,待ってください。○○先生がまだ見えていないようですので」と,ストップをかけられたことがありました。

(えぇ!なんで!)っと心の中で突っ込んでしましたが…

言うまでもなく,集団としての規律を考えるなら,会議は始めるべきだと思います。

この時間を管理する役は,基本的には司会者ですね。

会議でいえば教頭先生(副校長先生)の役になることが多いでしょうか。

この司会者がしっかりとしていれば,時間厳守のルールを守っていくという約束は徹底されていきます。

そして,司会者だけでなく,会議に参加する他の先生たちも,このルールを絶対に守る意識をもつべきですね。

と同時に,提案をする先生は時間をかけすぎないように,短い時間で上手に伝える方法を身につけたいですね。

そして,最初に述べたとおり,多忙な一日のスケジュールの中で動いている先生たちですが,その中でも,「会議」といったみんなで時間を共有してしなければいけない仕事に向けて,時間を厳守できるよう,みんなが心掛けて,仕事の進め方を改善していける職場がいいですね。

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子どもの数だけ目標がある

2010-11-03 09:03:20 | 「教師-子ども」関係の攻略法

私が受け持つ一年生クラスに,給食を苦手としている男の子がいます。

偏食・遅食が激しく,時間内に全部を食べきれたというのは,これまでにも数えるぐらいしかありません。

食べ始める前に量を調整する。

苦手なものでも「いくつは食べる」と約束する。

少し早目に「いただきます」をさせる。

など,いろいろな支援を続けるのですが,なかなか急に効果は上がるものではありません。

残してまで食べさせることはしたくないので,みんなと一緒に「ごちそうさま」です。

そして,いつも「ごちそうさま」の時間になると,まだ中身が残っている器を私のところに持ってきては,「先生…」と,暗い表情を見せます。

その暗い表情を見ると,

「食べきれないことに,悔しさをちゃんと感じてるんだな」

と伝わってくるので,また応援してあげたくなります。

応援だけでなく,具体的にどんな支援の仕方が効果をあげるのか,担任として必死に考えようと思わされます。

そんな中,先週は1日だけ,完食できた日がありました。

「やったー!4回目だ!先生!」

(4回目だったんだ… ちゃんと数えてたんだねぇ)

その喜び様が,私だけでなく周りの友だちにも大きな印象を与えました。

そんなときは,自然と,「おめでとう!」「すごいじゃん!」と,みんなからも美しいほめ言葉が出るものですね。

「もう何カ月にもなるけど,コツコツと続けてきたあの子の努力は,そして私の努力は,全く無駄ではないんだ。」

ちょっとおおげさですけど,そんな思いがしました。

もちろん,その日以降,毎日完食できたというわではありません。

また,偏食・遅食と格闘する毎日が続いています。

このクラスと過ごす日も,すでに1年の半分を過ぎています。

思います。

1年間という時間をしっかりとらえ,個別の目標を明確に掲げる!

ことの必要性を。

上の給食の話は一例ですが,給食意外にも,こんな風にして毎日コツコツとがんばっている子どもの姿がたくさんあるのが学級です。

その成長を助ける先生としては,一人一人の個別の目標をきちんと設定できていることが必要です。

これまでの私の経験から反省すると,

▲なんとなく「こんな子になれたらいいのにな」と漠然とした目標になっていることが多かった。

▲子ども一人一人のよさや課題はとらえているのに,それが具体的な支援策へと結びついていなかった。

▲1年間というスパンを考慮しておらずして,その範囲でできる的確な目標になっていなかった。

▲「明るいクラス!」などの学級の大きな目標のみを柱としてしまい,全員を強引にその一つの基準に合わせようとしていた。

そんな風に思えます。

改めて

「クラス一人一人に,個別の明確な目標を」

掲げて,具体的な支援策を講じていくということ,担任の仕事として確認したいと思います。

しかも,それを考える際には

「1年間というスパンをとらえる」

ことを忘れずに。

今回は,この部分を強調したいです。

1年間という時間は,考え方によってはそう長くはありません。

できることは限られていると,考えた方がいいかもしれません。

そう思うことで,「これだけはできるようにしてあげたい」という目標が,より明確になります。

そして,1年間の中で「いつ」「どうする」という,短期的・中期的・長期的な目標や支援策が思い浮かぶようになるでしょう。

「その子の人生は,これから先も長く長く続いていく。

その人生の中の,1年間というほんのわずかな期間,私が担任としてそばにいてあげられる。

そのわずかな期間の中で,その子の人生がよくなるように,私にできることは何だろうか。

○年生という時期に,つけなければいけない力は何だろうか。」

うまく表現できませんが,そんなスタンスでしょうか。

もちろん,「一人に一つの目標」というわけではありません。

学習面・生活面・情緒面… いろんな視点から子どもの姿を見てあげることです。

上の子は,目標の一つに「時間内に,自分が食べようと思った量の給食を食べられるようになる」ということがあると思っています。

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