<燃料は「ぷっちょ」20個!ロケット点火「キャンディーで飛ぶなんて」子供ら歓声220メートル打ち上げ成功>
2015.3.7 13:44産経westより一部引用
子供たちに宇宙や科学への興味を持ってもらおうと、ロケット開発の研究者らが7日、和歌山市加太の「コスモパーク加太」でソフトキャンディーを燃料に使ったハイブリッドロケットを打ち上げた。
和歌山大学の宇宙教育研究所や秋田大学などが計画した。ロケットはアルミ製で全長約1・8メートル、直径約15センチ、重さ10キロ。UHA味覚糖のソフトキャンディー「ぷっちょ」20個を詰め込んだ燃焼器に液化ガスを入れて燃やし、生み出されたガスを推進力にする仕組み。
ソフトキャンディーの燃焼しやすく、長時間燃え続ける特性に着目し、昨年秋から開発が始まり、2回のテストを経て完成した。
この日、宇宙に興味がある県内の小中学生約20人が打ち上げを見守った。ロケットは大きな音とともに、7秒で高さ約220メートルまで到達し、パラシュートを開いてゆっくり降下。打ち上げ後には甘い香りが漂った。
「子供たちに宇宙や科学への興味を持ってもらおうと」という動機と、その燃料にお菓子が使われたことに不安と好感を持ちながら、このニュースを読んでいた。
理科系のことを語るほどのものでもないので、また本の世界を参考にすると、「青春デンデケデケデケ」(芦原すなお)でも、理科系生徒が学園祭で演奏するためのエレキギターのアンプや音響を自分達で作る描写が出てくるように、一昔前の中高生は自分で工夫して必要なものを作っていた。
作中、ハンンダゴテを使いこなすシーンは当たり前のように書かれていたが、時は移ろい現在は・・・・・。工学系の教授が「ハンダゴテを見たことも使ったこともない子が工学部に入ってくるが、このままではモノづくり立国日本はダメになる」と嘆いているのを聞いてから随分と経つが、ついに、科学に興味を持ってもらうために、大学が出張パフォーマンスをしなければならない時代になったのかという不安。
しかし、嘆いてばかりで何もしないより、科学への関心を育む活動がなされ、それにお菓子が使われているというのは、夢とユーモア―があり嬉しいニュースでもある。
理科系分野は大丈夫か、と書いたが、実はこれは理科系分野だけの問題でないというのは、最近よく耳にするところだ。
海外市場で負けが込んでるメーカーの技術者が「製品の質には自信はあるが、製品について技術的科学的に語るだけの英語力がないため、売り込みでも、事後の法的処理でも遅れをとり、負けてしまう」と嘆くのを聞いたことがある。
これで思い出すのが、「下町ロケット」(池井戸潤)。
下町の中小企業が、大企業や銀行の横やりに屈せず、高い技術力でロケットの重要箇所を製造するというストーリー転回は面白く、仕事について考えさせる言葉もある。
『仕事っていうのは、二階建ての家みたいものだと思う。
一階部分は、飯を食うためだ。必要な資金を稼ぎ、生活していくために働く。
だけど、それだけでは窮屈だ。
だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。
それが二階部分だ。
夢だけ追っかけても飯は食えないし、飯だけ食えても 夢がなければつまらない・・・・。』
これは、自社の技術で特許料(飯)を稼ぐか、ロケットに自社の名を刻んだ部品を積む(夢)かで悩む場面でのセリフだ。
中小企業の高い技術力と忍耐力が日本の製品を支えていたのは、「勇者は語らず」(城山三郎)でも書かれていて、まず高い技術力と高品質あってのMade in JAPAN であるのは大前提だが、それだけでは立ち行かなくなっているのも現実だ。
「下町ロケット」でも、求められる性能を開発する労力と同等かそれ以上に、特許裁判などに労力が費やされるシーンが描かれている。
それは、こんなセリフに表されている。
『いいかよく聞け。この世の中には二つの規律がある。それは、倫理と法律だ。
俺たち人間が滅多なことで人を殺さないのは、法律で禁止されているからじゃない。
そんなことをしたらいけない、という倫理に支配されているからだ。
だが、会社は違う。
会社に倫理など必要ない。会社は法律さえ守っていれば、どんなことをしたって罰せられることはない。』
「良いものを作っても、語学力や法的処理能力の低さのせいで(海外市場で)割を食う」という嘆きも深刻だが、そもそも良いものを作る技術力も危ぶまれるような理系離れは更に深刻で、日本が抱える問題は複合的だ。
日本は今、これらを同時に解決できる人材を育てていかなければならないという大きな課題に直面している。
先日、皇太子様は新日鐵住金株式会社君津製鐵所を御視察された。
皇太子様は御自分と同年代の田中耕一氏が、民間企業の研究者としてノーベル賞を受賞されたのに感銘を受け、「現場で働く人を励ます活動をしたい」という御希望から新たな公務を創設されたが、この御視察はその一環だと思われる。
資源が乏しい日本は、人間が財産。
これからもモノ作り立国でやっていくならば、官民あげての体制を組まなければならない。
皇太子様の視点は、日本の将来を見据えるものであり、このような視点を持たれる皇太子様をこれからも応援したいと思っている。
2015.3.7 13:44産経westより一部引用
子供たちに宇宙や科学への興味を持ってもらおうと、ロケット開発の研究者らが7日、和歌山市加太の「コスモパーク加太」でソフトキャンディーを燃料に使ったハイブリッドロケットを打ち上げた。
和歌山大学の宇宙教育研究所や秋田大学などが計画した。ロケットはアルミ製で全長約1・8メートル、直径約15センチ、重さ10キロ。UHA味覚糖のソフトキャンディー「ぷっちょ」20個を詰め込んだ燃焼器に液化ガスを入れて燃やし、生み出されたガスを推進力にする仕組み。
ソフトキャンディーの燃焼しやすく、長時間燃え続ける特性に着目し、昨年秋から開発が始まり、2回のテストを経て完成した。
この日、宇宙に興味がある県内の小中学生約20人が打ち上げを見守った。ロケットは大きな音とともに、7秒で高さ約220メートルまで到達し、パラシュートを開いてゆっくり降下。打ち上げ後には甘い香りが漂った。
「子供たちに宇宙や科学への興味を持ってもらおうと」という動機と、その燃料にお菓子が使われたことに不安と好感を持ちながら、このニュースを読んでいた。
理科系のことを語るほどのものでもないので、また本の世界を参考にすると、「青春デンデケデケデケ」(芦原すなお)でも、理科系生徒が学園祭で演奏するためのエレキギターのアンプや音響を自分達で作る描写が出てくるように、一昔前の中高生は自分で工夫して必要なものを作っていた。
作中、ハンンダゴテを使いこなすシーンは当たり前のように書かれていたが、時は移ろい現在は・・・・・。工学系の教授が「ハンダゴテを見たことも使ったこともない子が工学部に入ってくるが、このままではモノづくり立国日本はダメになる」と嘆いているのを聞いてから随分と経つが、ついに、科学に興味を持ってもらうために、大学が出張パフォーマンスをしなければならない時代になったのかという不安。
しかし、嘆いてばかりで何もしないより、科学への関心を育む活動がなされ、それにお菓子が使われているというのは、夢とユーモア―があり嬉しいニュースでもある。
理科系分野は大丈夫か、と書いたが、実はこれは理科系分野だけの問題でないというのは、最近よく耳にするところだ。
海外市場で負けが込んでるメーカーの技術者が「製品の質には自信はあるが、製品について技術的科学的に語るだけの英語力がないため、売り込みでも、事後の法的処理でも遅れをとり、負けてしまう」と嘆くのを聞いたことがある。
これで思い出すのが、「下町ロケット」(池井戸潤)。
下町の中小企業が、大企業や銀行の横やりに屈せず、高い技術力でロケットの重要箇所を製造するというストーリー転回は面白く、仕事について考えさせる言葉もある。
『仕事っていうのは、二階建ての家みたいものだと思う。
一階部分は、飯を食うためだ。必要な資金を稼ぎ、生活していくために働く。
だけど、それだけでは窮屈だ。
だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。
それが二階部分だ。
夢だけ追っかけても飯は食えないし、飯だけ食えても 夢がなければつまらない・・・・。』
これは、自社の技術で特許料(飯)を稼ぐか、ロケットに自社の名を刻んだ部品を積む(夢)かで悩む場面でのセリフだ。
中小企業の高い技術力と忍耐力が日本の製品を支えていたのは、「勇者は語らず」(城山三郎)でも書かれていて、まず高い技術力と高品質あってのMade in JAPAN であるのは大前提だが、それだけでは立ち行かなくなっているのも現実だ。
「下町ロケット」でも、求められる性能を開発する労力と同等かそれ以上に、特許裁判などに労力が費やされるシーンが描かれている。
それは、こんなセリフに表されている。
『いいかよく聞け。この世の中には二つの規律がある。それは、倫理と法律だ。
俺たち人間が滅多なことで人を殺さないのは、法律で禁止されているからじゃない。
そんなことをしたらいけない、という倫理に支配されているからだ。
だが、会社は違う。
会社に倫理など必要ない。会社は法律さえ守っていれば、どんなことをしたって罰せられることはない。』
「良いものを作っても、語学力や法的処理能力の低さのせいで(海外市場で)割を食う」という嘆きも深刻だが、そもそも良いものを作る技術力も危ぶまれるような理系離れは更に深刻で、日本が抱える問題は複合的だ。
日本は今、これらを同時に解決できる人材を育てていかなければならないという大きな課題に直面している。
先日、皇太子様は新日鐵住金株式会社君津製鐵所を御視察された。
皇太子様は御自分と同年代の田中耕一氏が、民間企業の研究者としてノーベル賞を受賞されたのに感銘を受け、「現場で働く人を励ます活動をしたい」という御希望から新たな公務を創設されたが、この御視察はその一環だと思われる。
資源が乏しい日本は、人間が財産。
これからもモノ作り立国でやっていくならば、官民あげての体制を組まなければならない。
皇太子様の視点は、日本の将来を見据えるものであり、このような視点を持たれる皇太子様をこれからも応援したいと思っている。