<中国主導のアジアインフラ投資銀、英国がG7で初めて参加表明>
ロンドン12日 ロイターより一部引用
英国が、中国の主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーへの参加を検討していることが分かった。オズボーン財務相が12日明らかにした。主要7カ国(G7)の中で初めての参加表明となる。
アメリカが関係各国に「AIIBへの参加に慎重であるべき」というメッセージを送っているのは度々ニュースにもなっていたが、イギリスが同盟国アメリカの意向に反してAIIBに参加すると聞いた時には、イギリスと中国の特殊な関係からすれば、仕方ないのかもしれないと思っていた。
しかし、まさかイギリスにつぎドイツ、フランスとイタリアが参加するとは思ってもいなかった。
<仏独伊3か国もアジア投資銀参加か…日米に打撃>
2015年03月17日 17時21分 読売新聞より一部引用
【ロンドン=柳沢亨之】英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は16日、複数の欧州当局者の話として、フランスとドイツ、イタリアの3か国が、中国主導で設立される「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」への参加方針を決めたと報じた。
事実とすれば、英国に続いて主要先進国が相次いで参加することになり、AIIBの拡大を警戒する日米には打撃だ。
AIIBは、アジアにおける鉄道や道路など社会基盤への投資促進を目的に、中国が年内の設立を目指す国際金融機関。融資基準や審査体制が不明確との指摘があるが、英国は12日、先進7か国(G7)で初めてAIIBへの参加方針を発表していた。日米には、アジア太平洋地域でアジア開発銀行(ADB)と融資先が重なるAIIBに対し、警戒感が強まっている。
先月来日されたウィリアム王子は、日本の後に中国を訪問し、「今年中の国家主席の招待」というエリザベス女王の親書を渡している。
中国側も心得たもので、ウィリアム王子が熱心に取り組んでいる「野生動物の保護」に応える政策を発表している。
イギリスと中国は香港をめぐって特殊な関係があるので、この二か国間に限っては他国とは異なる事情があるとは思っていたが、それに続いてドイツ・フランス・イタリアも、つまりG7の欧州国はみなAIIB参加を表明したのには驚いた。
考えてみれば、つい先日に来日したドイツのメルケル首相。
メルケル首相の来日は洞爺湖サミット以来7年ぶりのことだというが、この間に実に7回も中国を訪問していたという。
国際社会の中での日本のプレゼンスの低下が言われて久しいが、天下の回りモノに新たな経路ができれば、それは一層顕著になるのかもしれない。
日本国債の未達がニュースになり
「神の見えざる手」(2月9日)を書いた時、雅子妃殿下はこの事態をどうご覧になっているのかと書いが、あれから、たった一月で更なる懸案事項が生じている。
英語のみならずドイツ語フランス語も習得された経済学士の雅子妃殿下は、この流れをどのように御覧になっておられるか。
雅子妃殿下は、「外交官を目指すならば先ず経済を学ぶように」と外交官の父に勧められたという。
以下、雅子妃の御経歴
1985/06 米 ハーバード大学経済学部卒業(専攻は数理経済学)
卒業論文『External Adjsutment to Inport Price Shocks : Oil in Japanese Trade』
(『輸入価格ショックに対する外的調節:日本の貿易における石油』)
成績優秀な学生に贈られる「Magne Cum Laude(優等賞)」受賞
1985年の卒業生は、大学全体で1681人。このとき『マグナ・クム・ラウデ』を受賞した学生は、全学年を合わせて55人、妃殿下のいた経済学部ではわずか3名だった。
雅子妃殿下はハーバード大学で学ばれただけでなく、外交官時代にオックスフォード大学でも学ばれている。
ネット上でとかく色々いわれる修士論文未提出だが、意外な所で、これが書かれているのだ。
「龍の契り」(服部真澄)
先に、中国主導のAIIBにイギリスが参加を表明するのは歴史的経緯から仕方ないかもしれない、と書いた。
そのあたりを、香港返還をめぐる密約や秘密文書を経済問題と絡めてドキュメンタリーのようなタッチで描いたのが、この
「龍の契り」だ。
イギリスと中国の特殊な関係と、香港という都市が世界経済のなかで如何に重要かが、よく分かる一冊だ。
この本の最後に、雅子妃殿下とおぼしき女性の消息が書かれている。
将来を嘱望された優秀な女性外交官(主人公の同期)は、日本で一番由緒ある家に嫁ぐため、職を辞したと。
オックスフォードで学んでいた彼女は、修士論文も仕上げていたが、その論文内容に問題ありとして本省から帰国命令が出されたのだと。
修士論文は「日本政府によるアメリカ製航空機の購入」だった。
修士論文を担当したルーカス・チュカリス教授は雅子妃殿下を、こう評する。
「マサコは賢いだけでなく、非常に性格が良く、彼女が私の教え子でなければ『尊敬』という言葉に値する人物だと思います。
修論は、『日本政府によるアメリカ製航空機の購入』 本省から呼び戻されたため断念したのは、残念でした。」
雅子妃殿下が修論を提出されていようが、いまいが、オックスフード大学が自校で学んだ皇族として認めているのは
現時点では、
秩父宮殿下と皇太子ご夫妻だけである(オックスフォード大公式ホームページJAPANによる)。
G7の欧州国が中国の経済圏に軸足を置くというニュースがある一方で、こんなニュースもある。
<政府、国産ステルス戦闘機「F3」開発へ 戦後初、エンジン製造にめど>
SankeiBiz 3月17日(火)8時15分配信より一部引用
政府は航空自衛隊の戦闘機「F2」の後継機となるステルス戦闘機「F3」(仮称)を開発する方針を固めた。米国との共同開発も視野に入れるものの、戦後70年の歴史で初めて世界有数の性能を持つ純国産戦闘機が誕生する可能性が出てきた。F3開発は数兆円規模を要する巨大事業となり、安全保障だけでなく経済、外交などさまざまな分野に影響が広がりそうだ。
おそらく、戦闘機の購入についての論文が発表されていたら、雅子「妃殿下」の誕生はなかったのだろう。
時折、雅子妃殿下個人としては、どちらの人生の方がお幸せであったか、と思う。
アメリカとイギリスで担当教官を唸らせるほど優秀だった雅子妃殿下が、もし外交の第一線におられたら、日本の外交はどうであったかと、思わずにはいられない。
男子を産めなかったという理由で、心を病むまで追い詰められ、心を病んでなお責め続けられる御姿を見ていると、雅子妃殿下ご自身の努力で培われた能力を活かす道を選ばれた方が、雅子妃殿下にとっても日本外交にとっても良かったのではないかと思えてならない。
先日来日したメルケル首相は物理学者でもあるという。
今日来日したオバマ大統領夫人ミッシェル氏も、ハーバード大学で学んだ弁護士であり、単に男性の隣で笑っているだけの存在ではない。
このような時代にあって、前時代の遺物に押しつぶされてしまっている雅子妃殿下の人生が痛ましく、国家的損失に思えてならない。
雅子妃殿下ご自身が「これで良かった」と思われるような世の中になることが、この国に希望をもたらす方向だと思っている。