
たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらって行ってはくれぬか
河野裕子さんが21歳の時に詠まれた歌です。
落ち葉の頃になると、いつも思い出す歌です。
意味は、言葉の通り!


君(この場合は恋人かなあ?)よ、たとえば降り積もった落ち葉をがさっと両手ですくうように、
私をさらってどこかへ連れて行ってはくださいませんか。
情熱的で正直な感性に裏打ちされた歌風。

女流歌人として、強い意志をもって
リードなさった方のようです。

河野裕子さんは
1946年 熊本県生まれ
2010年 8月12日没 享年64歳・・・早すぎますね
亡くなる前日詠まれた歌
すでにペンは執れず口実筆記となった歌だそうですが
◎あなたの気持がこんなにわかるのに言い残すことの何ぞ少なき(裕子)
◎さみしくてあたたかかりきこの世にて会い得しことを幸せと思ふ(裕子)
夫の和宏さんの詠まれた歌
◎一日がすぎれば一日減ってゆく君との時間もうすぐ夏至だ(和宏)
相聞歌・温かい夫婦愛が感じられますね
◎手をのべてあなたとあなたに触れたきに 息が足りないこの世の息が(裕子)辞世の歌
自分の心を31音に載せて息尽きるまで詠まれた「歌人魂」
朽ちる前の「葉」が一時「華やかに色付く」
落ち葉を前にして・・・深い思いにとらわれた一日でした。

家影に酔芙蓉の花が咲き残っていました。
優しい色ですね。
さて、本日ご訪問下さいました皆様ありがとうございました・・・


※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます