Howard McGhee vol.2/Howard McGhee
(Blue Note 5024)
(Blue Note 5024)
ブルーノートの10インチ盤と言うのは、30年前全くの初心者だった自分にとっては羨望のアルバム群でありました。学生時代、東京のレコードショップのエサ箱の上に掲げられた粋なカバーをみるだけでときめいたものです。しかしながら驚くべき5桁プライスが自分との距離を大きく遠ざけていたものです。当時はキングレコードが12インチ盤をセレクトして¥2300で販売していましたし、サムシングエルスやクールストラッティンなど特に有名なものは¥1800の廉価盤で市場にでていました。後に、10インチ盤はカップリング12インチとして発売されましたし、その後10インチのオリジナル装丁でも発売されましたよね。ここで自分も飛躍的にコレクションが充実したのを記憶しています。学生時代のある時、秋葉原の石丸電気で10インチのUNITED ARTISTS盤を¥1750で発見したとき、いいかげん少ない資金から工面して購入したのがこのハワード・マギーです。多くの10インチ盤は12インチの1500番台で再編集されていますがこのマギーなどは12インチでも聴けない一枚で貴重です。
古くさいカバーが却ってノスタルジックな雰囲気を醸し出していますし、哀愁のあるコントロールの効いたマギーのトランペットを楽しむ事が出来ます。メンバーはHoward McGhee(tp), Gigi Gryce(fl, as), Tal Farlow(g), Horace Silver(p), percy Heath(b), Walter Bolden(ds)のセクステットです。ボールデンのリムショットによるラテンリズムやシルバーのコンピング、切れの良いファーローのギター、艶ややかなグライスのアルトなど聴き所満載です。特にA-2の"Goodbye"やB-2の"Tranquillity"におけるマギーのバラード奏法は美しいですよね。他の5曲もバピッシュで5000番台らしい熱いパッション横溢の仕上がりですね。
所有盤は前述のようにUnited Artistsの米国盤です。Vol.2とクレジットされていますが、Vol.1が存在するのでしょうかねぇ?